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機体登録を失効させたらどうなるか。登録記号も変わる

公開 2026-09-15 更新 2026-09-15 読了 約13分

無人航空機の登録は、3年ごとに更新しなければその期間の経過によって効力を失います(航空法第132条の6第1項)。 失効した登録は国土交通大臣が抹消し(同法第132条の11第2項)、国土交通省のFAQは「新たに登録をし直していただく必要があります。この場合、登録記号が変更されることになります」と答えています。 記号が変われば、機体の表示、リモートIDへの書き込み、許可・承認の申請書、飛行計画の通報、飛行日誌と、登録記号を使っているものをすべて新しい記号に揃え直すことになります。 この記事では、更新の期限を過ぎてしまった後に何が起きて、何をやり直すのかを、公式に示されている範囲で整理します。更新の手続きそのものは機体登録の更新。満了日の1か月前から、が損しないで扱っています。

よく見る説明と、公式の記載
失効後の扱いは、更新の説明のついでに一言で済まされがちな論点です。この記事で扱う範囲について、一次ソースの記載と突き合わせます。
よく見る説明期限を少し過ぎただけなら、あとから更新の手続きをすれば元どおりになる。
公式にはこう有効期限が切れた場合、登録は抹消され、新たに登録をし直す必要があります。更新で戻すことはできません。
出典 航空法 第132条の6第1項・第132条の11第2項 ドローン登録システム よくある質問
よく見る説明同じ機体を登録し直すのだから、登録記号は前と同じものが使える。
公式にはこう失効したものを再度登録する場合は新たに別の登録記号が割り当てられ、前と同じ登録記号を使用することはできません。記号を希望することもできません。
出典 無人航空機登録要領 6. ドローン登録システム よくある質問
よく見る説明事前登録の機体は、リモートIDがずっと免除される。
公式にはこう事前登録期間に申請した機体でも、登録を更新しなかった場合はリモートID搭載義務の対象になります。
出典 国土交通省 無人航空機登録ポータルサイト

失効は条文上どう起きるか

登録の効力が切れる根拠は、「登録の更新」という見出しの付いた航空法第132条の6第1項です。

「第百三十二条の四第一項の登録は、三年以上五年以内において国土交通省令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。」

期間は航空法施行規則第236条の8第1項で3年と定められています。条文の書き方が「更新を受けなければ…効力を失う」なので、通知や処分を待つまでもなく、満了日が過ぎた時点で効力がなくなるという構造です。

その後の処理は航空法第132条の11第2項に書かれています。国土交通大臣は、第132条の6第1項により登録が効力を失ったときは、当該登録を抹消し、その旨を所有者に通知しなければならないとされています。

補足:失効そのものは、所有者が15日以内に抹消を申請しなければならない事由(第132条の11第1項)には入っていません。第1項の事由は「滅失・解体」「存否が2か月間不明」「無人航空機でなくなった」の3つです。失効した登録の抹消は、第2項により大臣の側で行われます。

なお、施行規則第236条の8第2項には、所有者が天災その他やむを得ない事由により更新を受けることができないと大臣が認めるときは、有効期間を期間を定めて伸長できるという規定があります。ただし、伸長をどのような手続きで求めるのかについて、公式には明示されていません。「忘れていた」「担当者が異動した」はこの規定の想定する事由とは読みにくく、頼れる仕組みではないと考えておくべきです。

失効後は「新規登録」。更新との違い

国土交通省のドローン登録システムのよくある質問は、この場面を直接取り上げています。

「登録の有効期間が切れてしまいました。どのような手続きが必要ですか?」
「有効期限が切れた場合、登録は抹消されるため、新たに登録をし直していただく必要があります。この場合、登録記号が変更されることになります。」

登録記号の割り当てのルールは、無人航空機登録要領 6.に明記されています。登録記号は「JU」から始まる12桁の英大文字・数字の組み合わせで、機体ごとに一意に割り当てられます。そのうえで次のように定めています。

「登録記号は登録更新、変更届出を行った場合には変更されないが、一度登録を抹消したもの(有効期限を超過し失効したものを含む。)を再度登録する場合は、新たに別の登録記号が割り当てられ、前と同じ登録記号を使用することはできない。」

記号を指定する方法もありません。FAQは「自動車のナンバープレートのように登録記号を希望することはできますか?」に対し「登録記号を希望いただくことはできません」と答えています。

項目満了日までに更新した場合満了日を過ぎて再登録した場合
手続きの種類登録の更新(施行規則第236条の7)新規の登録(施行規則第236条の3)
登録記号変わらない新しい記号になる。前の記号は使えない
満了日まで飛行できるかできる満了日の翌日から新しい記号の発行まで飛ばせない
手数料登録と同じ表(オンライン900円〜、書面2,400円)同じ表
表示・リモートID記号が変わらないのでそのまま新しい記号で表示とリモートIDをやり直す
事前登録によるリモートID免除更新後も不要のまま「登録を更新しなかった場合」は搭載義務の対象(下の「事前登録の機体」の項も参照)

手数料は、登録要領3.(4)で「無人航空機の登録及び更新の手数料」として同じ表にまとめられており、再登録だから高くなるわけではありません(航空法関係手数料令第8条)。失効のコストは手数料ではなく、飛ばせない期間と、記号の変更に伴うやり直し作業のほうにあります。

新しい記号が出るまでの日数

FAQは、登録申請の手続きが完了したあとの目安として、手数料納付の通知までに1〜5開庁日、手数料納付後に登録記号の発行までに1〜5開庁日を示しています。単純に足すと最大10開庁日です。あくまで目安であり、本人確認の方法や補正の有無でも変わります。現場の予定が入っている機体で失効に気付いた場合、その予定に間に合わない前提で動くことになります。

注意:失効に気付いたら、まずその機体を飛ばさないことです。再登録の申請を出しただけでは、登録を受けたことにはなりません。飛ばせるようになるのは、新しい登録記号が発行され、その記号の表示とリモートIDの措置を講じた後です。

事前登録の機体についての、国土交通省の別の回答

国土交通省の無人航空機登録ポータルサイトのFAQには、事前登録期間(2021年12月20日〜2022年6月19日)に登録申請をした機体について、次のやり取りがあります。

「事前登録をした機体の登録更新手続きが登録有効期間満了までに完了しなかった場合はどうなりますか?」
「登録更新手続きは継続して実施することが可能です。また、更新手続き完了後はリモートIDの搭載は不要のままとなります。ただし、更新手続きが完了するまでは機体を飛行させることはできません。」

この回答は、先に見た「有効期限が切れた場合、登録は抹消される」という一般的な回答と並んで掲載されています。「完了しなかった場合」が、満了日までに更新申請を出していて処理が満了日をまたいだケースに限る趣旨なのか、事前登録機以外の機体にも同じ扱いがあるのかは、公式には明示されていません。はっきりしているのは、どちらの回答でも手続きが終わるまで飛ばせないという点です。満了日の直前に申請するほど、この状態に入りやすくなります。

失効に気付かず飛ばした場合の罰則

登録が効力を失った機体は、登録を受けた無人航空機ではありません。航空法第132条の2は「無人航空機は、無人航空機登録原簿に登録を受けたものでなければ、これを航空の用に供してはならない」と定めていますので、失効後に飛行させれば、この規定に違反したことに該当し得ます。

さらに、再登録の後にも落とし穴があります。新しい記号の通知を受けたら、表示とリモートIDの措置を講じなければ飛ばせません(第132条の5第2項)。

場面該当し得る規定罰条法定刑
失効した機体を、再登録前に飛ばした 第132条の2(登録を受けていない無人航空機の飛行) 第157条の7第1項第1号 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
再登録したが、新しい記号の表示やリモートIDの措置をせずに飛ばした 第132条の5第2項(登録記号の表示等の措置) 第157条の9第1号 50万円以下の罰金
上記を従業者が法人の業務として行った 両罰規定 第159条第2号 法人にも各本条の罰金刑

国土交通省のFAQは、リモートID機能を搭載せずに飛行させた場合について「登録記号の表示等の義務違反となり、所有者が罰則の対象となります」と説明しています。事業で機体を使っている場合、操縦者個人だけの問題では済まない構造です。

補足:国土交通省の案内ページには、罰則の表記として「懲役」が残っているものがあります。現行の条文の表記は「拘禁刑」です。この記事の法定刑は、e-Gov法令検索の現行条文から取っています。

リモートIDは新しい記号で書き込み直す

登録記号が変わって一番見落としやすいのが、リモートIDです。リモートID機能が電波で発信する情報は、無人航空機登録要領 7-2によれば次の4つです。

  1. 当該無人航空機の登録記号
  2. 当該無人航空機の製造番号(外付け型はリモートID機器の製造者が定める製造番号)
  3. 位置、速度及び時刻情報
  4. 認証情報

発信内容の1番目が登録記号ですから、古い記号が入ったままの機体は、登録原簿にない記号を発信しながら飛ぶことになります。航空法施行規則第236条の6第1項第2号は、リモートID機能を備える方法を、内蔵型か外付け型かで2つに分けて定めています。どちらも「登録記号その他の必要な情報を入力する」ことが措置の中身です。

方式条文上の方法再登録後にやること
内蔵型 リモートID機能を有する機体に、登録記号その他の必要な情報を入力する(同号イ) 機体に新しい登録記号を入力し直す
外付け型 リモートID機器を機体に装備し、その機器に機体の登録記号その他の必要な情報を入力する(同号ロ) 機器に新しい登録記号を入力し直す。新規登録の申請で、機器の型式・製造者・製造番号も改めて申告する(施行規則第236条の3第1項第13号)

入力のしかたについて、登録要領7-2は「無人航空機又はリモートID機器の製造者が指定する方法により」、飛行の前にあらかじめ入力しなければならないとしています。ドローン登録システムのFAQは、書き込みは「国が提供するアプリ又は国の基準を満たすアプリを用いて携帯端末から」行うと説明しています。

FAQには、書き込み直しが要る場面を示す回答がほかにもあります。

  • 「リモートIDの情報は無人航空機を飛ばす度に、毎回設定が必要なのでしょうか。」→「登録情報やリモート機器に変更がなければ、毎回設定する必要はありません。」
  • 1つのリモートID機器を複数の機体で使いまわす場合や、墜落した機体を買い直して同じ機器を使う場合 →「リモートID機器に機体毎の登録情報を設定しなおす必要があります。」

再登録は、まさに「登録情報に変更があった」場面です。

事前登録でリモートIDが免除されていた機体

影響が一段大きいのが、事前登録期間に登録申請をしていたため、リモートIDを積まずに運用してきた機体です。国土交通省のポータルサイトは「事前登録期間(2021年12月20日〜2022年6月19日)に機体登録申請を行った機体は、登録を更新しなかった場合、リモートID搭載義務の対象となります」と注意を促しています。

登録要領4-1(5)⑤も、リモートID機能「なし」で登録できるのは、施行規則第236条の6第2項の3類型の飛行に使う機体と、2021年12月20日〜2022年6月19日の間に初回の登録申請が行われたものに限るとしています。失効後の再登録は新しい申請ですから、この免除を前提にはできません。書き込み直しではなく、内蔵型のない機体なら外付けのリモートID機器の調達と装着からになります。

注意:「リモートID特定区域」の届出(施行規則第236条の6第2項第1号)で運用している場合も、失効は無関係ではありません。FAQは、届出の対象は登録記号が発番されている機体としたうえで、「登録済みであっても無効となった機体は届出の対象となりません」としています。

機体の登録記号の表示をやり直す

物理的な表示も新しい記号で作り直します。基準は航空法施行規則第236条の6第1項第1号と、それを具体化した登録要領7-1です。

項目基準
文字装飾体でないアラビア数字又はローマ字の大文字。耐久性のある方法で鮮明に表示する。シール、油性ペン、スプレー塗装、刻印などから選べる
場所胴体のうち容易に取り外すことができない部分の表面で、外部から容易に確認できる場所。工具を使わずに外せるバッテリーの蓋などは不可
文字の高さ25kg未満は3mm以上、25kg以上は25mm以上
色表示する場所の地色と鮮明に判別できる色
時期登録要領7-1は「航空の用に供する前に」表示しなければならないとしている

古い記号の表示をどう扱うべきかについて、公式には明示されていません。ただ、登録要領7-1①は、拾得した者などが容易に判別できるよう「機体表面上の他の表示と紛れることがないよう一連で表示しなければならない」としています。抹消された記号が機体に並んで残っていれば、この趣旨に沿いにくくなります。貼り替える際に旧記号は剥がすと決めておくのが無難です。

登録要領7-3は、飛行させる者が飛行前に「表示に汚れ、かすれ、剥がれ等がなく明瞭に判読できること」「リモートID機能により電波が発信される状態であること」「外付けの場合は適切に取り付けられていること」を確認するよう求めています。再登録直後の最初の飛行では、この確認を新しい記号と照らし合わせて行うことになります。

許可・承認、飛行計画の通報、飛行日誌への影響

登録記号は、機体の表示だけでなく、特定飛行に関わる手続きの多くに書き込まれています。ここでは公式の資料に書かれていることと、書かれていないことを分けて整理します。

手続き公式に書かれていること公式には明示されていないこと
飛行許可・承認 手続は機体登録を実施し登録記号の発行を受けている必要がある。申請書には飛行させる機体の登録記号を記載する。登録記号は変更申請の対象事項の1つ目 失効によって既存の許可・承認そのものが効力を失うか。失効からの再登録を名指しした手続きの案内
飛行計画の通報 通報事項の1番目が「無人航空機の登録記号及び種類」。DIPS2.0では、あらかじめ登録した機体情報の一覧から機体を選んで登録記号を紐付ける 失効した旧記号の機体が、DIPS2.0の機体情報一覧でどう扱われるか
飛行日誌 機体ごとに備える。記載と保管は「無人航空機が登録されている間は継続」。飛行記録には登録記号、製造番号、製造後の総飛行時間を書く 記号が変わった場合に同じ日誌を続けるのか、新しく起こすのか

飛行許可・承認

国土交通省の無人航空機の飛行許可・承認手続のページは、「飛行許可・承認手続きの実施においては、機体登録手続きを実施し登録記号または試験飛行届出番号発行を受けている必要があります」としています。審査要領2-2-1(2)は申請書に「飛行させる無人航空機の登録記号を記載すること」と定め、2-1(6)は変更申請の対象として、真っ先に「無人航空機の登録記号又は試験飛行を行う場合の届出番号」を挙げています。さらに3-4は、許可等を取得した後に申請内容に変更が生じた場合は改めて申請を行わせるとしています。

つまり、許可・承認は登録記号で特定された機体について出ているものです。再登録で記号が変わった機体を、その許可・承認のもとで飛ばすのであれば、登録記号を新しいものに差し替える申請が必要になる、というのが審査要領の枠組みから読める流れです。変更申請の具体的な進め方は包括申請の変更申請。機体・操縦者を追加するで整理しています。

ただし、登録の失効によって既存の許可・承認がそれ自体として効力を失うのか、失効からの再登録について変更申請で足りると明示されているのかは、公式には明示されていません。DIPS2.0の操作マニュアルは、機体情報を編集しても作成済み・提出済みの申請書には反映されないとしていますので、少なくとも「DIPS2.0の機体情報を直せば許可書も変わる」わけではありません。判断に迷う場合は、許可・承認を出した官署に確認するのが確実です。

飛行計画の通報

特定飛行を行う場合の飛行計画の通報では、航空法施行規則第236条の83第1項第1号により、登録記号が通報事項の1番目です。飛行計画の通報要領は、DIPS2.0で「あらかじめ登録した機体情報の一覧の中から当該飛行計画において使用する機体を選択する」ことで登録記号などを紐付けるとしています。定型の飛行計画を旧記号の機体で作り置きしている場合は、新しい記号の機体で作り直す必要があります。通報そのものの考え方はドローンの飛行計画の通報はいつ必要かを参照してください。

飛行日誌

飛行日誌の取扱要領は、飛行日誌を「無人航空機の機体毎に備え、記載する」ものとし、「飛行日誌の記載及び保管は、無人航空機が登録されている間は継続しなければならない」としています。飛行記録の冒頭には登録記号と製造番号を、飛行ごとに「製造後の総飛行時間」を書きます。

記号が変わった場合に日誌をどう扱うかは、公式には明示されていません。そのうえで、製造後の総飛行時間は機体そのものに積み上がる値であり、登録のやり直しでゼロに戻る性質のものではありません。実務上は、製造番号で同じ機体と分かるようにしたうえで、旧記号と新記号の対応、失効日と再登録日を冒頭に書き残し、総飛行時間を引き継いで記載を続けると、後から時系列を追いやすくなります。これは本記事の整理であり、公式の運用として示されたものではありません。日誌の書き方全体はドローンの飛行日誌の書き方にまとめています。

補足:失効していた期間に行った飛行が、許可・承認や飛行計画の通報の面でどう評価されるかについても、公式に示された記載は確認できませんでした。確かなのは、その期間の飛行が登録の面で第132条の2に抵触し得るという点です。

失効に気付いたときの手順

ここまでの内容を、失効に気付いた時点からの順番に並べ直します。

その機体の飛行を止める。現場の予定があれば、登録が有効な別の機体への切り替えか延期を決める
ドローン登録システムで機体の状態を確認し、抹消の通知が届いていないかを確認する
新規登録として申請する。リモートIDの有無、外付け機器の型式・製造者・製造番号もあわせて申告する
手数料を納付し、新しい登録記号の発行を待つ(FAQの目安は、納付通知まで1〜5開庁日、納付後の発行まで1〜5開庁日)
機体の表示を新しい記号に貼り替え、旧記号の表示は剥がす
リモートIDに新しい記号を書き込む。事前登録の免除で運用していた機体は、リモートID機器の用意と装着から
その機体を載せている許可・承認について、登録記号の差し替えの申請を行う
DIPS2.0の機体情報、作り置きの飛行計画、飛行日誌、社内の機体台帳を新しい記号に揃える
飛行前確認で、表示とリモートIDの発信が新しい記号になっていることを確かめてから、飛行を再開する

失効を防ぐ台帳管理

ここまで見たとおり、失効の後始末は、手数料そのものよりも、飛ばせない期間と、登録記号に紐付いたものをすべて直す作業のほうが重くなります。防ぐための仕組みは、次の3点に絞れます。

1. 国のお知らせメールを「届く状態」に保つ

国土交通省のポータルサイトには、2025年4月28日付で「登録有効期限間近となった機体の所有者の方に宛てて、機体登録の更新に関するお知らせメールの配信を開始しました」というお知らせが掲載されています。FAQも、登録したメールアドレスや電話番号の用途として「登録記号の通知、更新時期の連絡」を挙げ、メールは information@dips-reg.mlit.go.jp から、ショートメッセージは DIPS-REG から送られるとしています。

法人の機体で、所有者のメールアドレスが退職者の個人アドレスのまま、あるいは誰も見ていない共有アドレスになっていれば、このお知らせは役に立ちません。所有者・使用者の連絡先が現に読まれているアドレスかを、台帳の点検項目に入れておきます。メールが届く前提に寄りかからず、次の台帳と二重に持つのが安全です。

2. 機体台帳に「失効したら困るもの」を紐付けておく

列入れるもの失効時に効く理由
製造番号機体の製造番号登録記号が変わっても同じ機体と分かる一意のキーになる
現在の登録記号通知された記号表示・リモートID・申請書との照合に使う
旧登録記号失効・抹消された記号と、その日付過去の飛行日誌や許可書との対応を残す
満了日/更新着手日満了日と、その1か月前更新の窓を逃さない(詳しくは更新の記事)
リモートIDの種別内蔵型/外付け(機器の製造番号)/事前登録による免除失効時に「書き込み直し」で済むか「機器の調達」からかが分かる
載せている許可・承認許可承認番号記号が変わったときに差し替えが必要な申請を洗い出せる
通知先登録システムに登録したメールアドレス国からの更新のお知らせが誰に届くかを把握する

3. 飛行前点検に「登録の有効期限」を入れる

登録要領7-3の飛行前確認は、表示とリモートIDの状態を見るものです。これに、社内の運用としてその機体の登録の満了日が過ぎていないかを1行加えておくと、台帳の更新が漏れていても、飛ばす直前で止められます。失効に気付かず飛ばすという最悪の経路を、最後の段階で塞ぐための項目です。

登録制度そのものの全体像は無人航空機の登録制度 完全ガイドで確認できます。

よくある質問

満了日を1日でも過ぎたら、更新はできませんか。
航空法第132条の6第1項は、更新を受けなければ「その期間の経過によつて、その効力を失う」と定めており、国土交通省のFAQも「有効期限が切れた場合、登録は抹消されるため、新たに登録をし直していただく必要があります」と答えています。日数の猶予を設けた記載は確認できませんでした。なお、事前登録期間に申請した機体については「登録更新手続きが登録有効期間満了までに完了しなかった場合」も更新手続きを継続できるとするFAQがありますが、その適用範囲は公式には明示されていません。
再登録するときに、前と同じ登録記号を使えますか。
使えません。無人航空機登録要領6.は、有効期限を超過し失効したものを含め、一度抹消したものを再度登録する場合は「新たに別の登録記号が割り当てられ、前と同じ登録記号を使用することはできない」としています。記号を希望することもできないとFAQに明記されています。
失効に気付かないまま飛ばしていました。罰則の対象になりますか。
登録が効力を失った機体を飛行させると、登録を受けていない無人航空機を航空の用に供することを禁じた航空法第132条の2に違反したことに該当し得ます。罰則は第157条の7第1項第1号により1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金で、両罰規定(第159条第2号)により法人にも罰金刑が科され得ます。実際にどう扱われるかは個別の事情によりますので、まず飛行を止め、再登録の手続きを進めてください。
失効したら、所有者から抹消の申請をしなければなりませんか。
航空法第132条の11第1項が所有者に15日以内の抹消申請を義務付けているのは、滅失・解体、存否が2か月間不明、無人航空機でなくなった、の3つの場合です。有効期間の経過による失効はここに含まれず、同条第2項により国土交通大臣が登録を抹消し、所有者に通知するとされています。
外付けのリモートID機器は、再登録後もそのまま使えますか。
機器自体を使い続けることを妨げる記載は見当たりませんが、中に入っている登録記号は古いままです。FAQは、登録情報に変更がなければ毎回の設定は不要とする一方、機体が変わる場合などは「機体毎の登録情報を設定しなおす必要があります」としています。新しい登録記号を書き込み、新規登録の申請でも機器の型式・製造者・製造番号を申告してください。
事前登録でリモートIDが免除されていた機体を失効させました。再登録すれば免除も戻りますか。
国土交通省は、事前登録期間に申請した機体について「登録を更新しなかった場合、リモートID搭載義務の対象となります」としています。登録要領も、リモートID機能「なし」で登録できるのは特定の3類型の飛行に使う機体と、2021年12月20日〜2022年6月19日の間に初回の登録申請が行われたものに限るとしています。再登録では免除を前提にせず、リモートID機能を備える準備が必要です。
包括申請の許可は取り直しになりますか。
失効によって既存の許可・承認がそれ自体として効力を失うかどうかは、公式には明示されていません。一方で、審査要領2-1(6)は変更申請の対象事項の1つ目に「無人航空機の登録記号」を挙げており、許可等の取得後に申請内容が変わった場合は改めて申請を行わせるとしています(3-4)。新しい記号の機体をその許可のもとで飛ばすなら、登録記号を差し替える申請が必要になると考え、判断に迷う場合は許可・承認を出した官署に確認してください。
災害などで更新の手続きができなかった場合はどうなりますか。
航空法施行規則第236条の8第2項に、天災その他やむを得ない事由により更新を受けることができないと国土交通大臣が認めるときは、有効期間を期間を定めて伸長できるという規定があります。伸長を求める具体的な手続きは、公式の資料では確認できませんでした。該当しそうな場合は、無人航空機ヘルプデスクに問い合わせるのが確実です。
本記事は2026年9月15日時点の情報です。 無人航空機に関する制度は改正が続いている分野です。実際の手続き前に、必ず上記の一次ソースで最新の内容をご確認ください。

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