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飛行日誌を電子で運用するときに満たすこと。アプリでも表計算でも基準は同じ

公開 2026-09-15 更新 2026-09-15 読了 約11分

無人航空機の飛行日誌は、紙でなくても構いません。国土交通省の「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」は、様式1〜3の内容を網羅することを前提に、電磁的な記録及び保管を行うことができるとしています(取扱要領4(6))。 さらに同省の「飛行日誌の取扱いに関するガイドライン」は、クラウドや専用アプリでの記録・管理も可能とした上で、様式1〜3に記載すべき事項を一括して参照又は提示できること、具体的には各様式のような形で表示又は印刷ができることを求めています。 一方で、改ざん防止の仕組みや電子署名といった技術的な要件は、どちらの資料にも書かれていません。 本記事は、市販アプリでも表計算ソフトでも共通する「電子運用で満たすべき基準」を、法律・施行規則・取扱要領・ガイドラインの原文から組み立てます。記載項目そのものの書き方は飛行日誌の書き方の記事に分けています。

よく見る説明と、公式の記載
電子の飛行日誌は、アプリ側の機能説明と公式の要件が混ざって語られがちです。この記事で扱う範囲について、一次ソースの記載と突き合わせます。
よく見る説明機体の操縦アプリに自動で残るフライトログを保存しておけば、それが電子の飛行日誌になる。
公式にはこう電子化は様式1〜3の内容を網羅することが前提です。飛行日誌は飛行記録・日常点検記録・点検整備記録の3種類で、様式1〜3に記載すべき事項を一括して参照又は提示できる必要があります。
出典 取扱要領 4(6) ガイドライン 2② 施行規則 第236条の84
よく見る説明DIPS2.0で飛行計画を通報していれば、飛行の記録も残るので飛行日誌を兼ねられる。
公式にはこう飛行計画の通報(第132条の88)と飛行日誌(第132条の89)は別の義務です。取扱要領は、飛行記録には通報した計画との整合ではなく飛行の実績を記録するとしています。
出典 航空法 第132条の88・第132条の89 取扱要領 6(1)c)
よく見る説明現場に持っていくのは直近の記録だけでよい。
公式にはこう直近の点検整備以降だけでよいとされているのは飛行記録と日常点検記録です。点検整備記録は、紙でも電子でも全てを携行します。
出典 取扱要領 5(1)b)・5(2)c)・5(3)b)

電子化を認めている根拠はどこにあるか

飛行日誌のルールは4つの層に分かれています。電子運用の可否と条件が書かれているのは、法律や施行規則ではなく、下の2層です。

層文書電子運用に関係する内容
法律航空法第132条の89特定飛行を行う場合に飛行日誌を備える義務(第1項)と、航空の用に供し又は整備・改造した場合に遅滞なく記載する義務(第2項)。媒体の定めはない
省令航空法施行規則第236条の84飛行日誌=飛行記録・日常点検記録・点検整備記録(第1項)と、それぞれの記載事項(第2項)。媒体の定めはない
要領無人航空機の飛行日誌の取扱要領(令和4年12月1日制定、同月5日施行)「様式1~3に記載の内容を網羅することを前提に、電磁的な記録及び保管を行うことができる」(4(6))、紙媒体又は電磁的記録による常時携行(4(7))、携行の範囲(5)
ガイドライン無人航空機の飛行日誌の取扱いに関するガイドライン(令和5年3月31日制定)クラウド・専用アプリも可、ただし一括して参照又は提示可能であること、各様式のような形で表示又は印刷が可能であれば問題ない(2②)、「携行」の意味(2①)

ここで押さえておきたいのは、紙の書面を電子で保存することを一般的に認める、いわゆるe-文書法の国土交通省令との関係です。同省令の対象規定の一覧には、有人機の航空日誌に関する航空法第58条などは載っていますが、無人航空機の飛行日誌を定める第132条の89は載っていません。つまり、無人航空機の飛行日誌を電子で備えてよいという根拠は、同省令ではなく取扱要領とガイドラインにあります。電子運用の基準を確かめるときは、この2つの文書を読むことになります。

補足:取扱要領は令和4年12月1日の制定以来、改正の附則がなく、国土交通省の「飛行計画の通報・飛行日誌の作成」ページには2026年9月15日時点でも同じ版が掲載されています。取扱要領の8.には「無人航空機安全課長が認める場合は、この要領によらないことができる」という一文もありますが、これは個別に認められた場合の話で、自社の判断で要領を外れてよいという意味ではありません。

公式資料が電子運用に求めている7つのこと

取扱要領とガイドラインから、電子で運用するときにも満たす必要がある事項を拾うと、次の7つになります。どれも「電子だから特別に」ではなく、紙と共通の要件が電子でも外れないという性格のものです。

#求められていること原文の根拠
1記載事項を網羅する。項目の追加は可、削るのは不可取扱要領4(1)「記載内容が網羅されることを前提に、記載事項で必要と思われる事項を適宜追加することができる」、4(6)、施行規則第236条の84第2項
2機体ごとに備え、記載する取扱要領4(2)「無人航空機の機体毎に備え、記載するものとする」
3様式1〜3に記載すべき事項を一括して参照又は提示できる。各様式のような形で表示又は印刷ができるガイドライン2②
4飛行させるときは常時携行し、確認事項が発生した際に参照又は提示が可能な状態にしておく取扱要領4(7)、ガイドライン2①
5点検整備記録は全て携行する取扱要領5(3)b)「紙媒体又は電磁的記録での作成・管理に関わらず」
6失わないよう管理し、機体が登録されている間は記載と保管を継続する取扱要領4(4)・4(8)
7使用者が変わるときは、総飛行時間と日常点検記録・点検整備記録を確実に受け渡す取扱要領4(5)

加えて、記載のタイミングは法律が決めています。航空法第132条の89第2項は、無人航空機を航空の用に供し、又は整備し、若しくは改造した場合には「遅滞なく」記載しなければならないとしています。電子にすると後でまとめて入力しやすくなりますが、この「遅滞なく」は媒体によって変わりません。

7つのうち、電子運用で実際に問題になりやすいのは1・3・5・6です。アプリが飛行記録しか扱っていない(1)、画面では見られるが様式の形で出せない(3)、点検整備記録だけ別管理で現場に持っていない(5)、サービスの解約やアカウント停止で過去分が消える(6)、という形で表面化します。

「表示又は印刷が可能」とはどういう状態か

ガイドライン2②の原文は次のとおりです。

「クラウド環境によるデータの管理並びに専用のアプリケーションを使用した記録及び管理も可能としますが、その場合においても取扱要領に定める各様式(様式1~3)に記載すべき事項が一括して参照又は提示可能である必要があります。具体的には、これらの各様式のような形で表示又は印刷が可能であれば問題ありません。」

この一文から読み取れるのは、次の3点です。

  • 「一括して」:飛行記録はアプリA、日常点検はチャットの写真、整備は請求書フォルダ、というように散らばった状態では、求められたときに一括して提示できません
  • 「各様式のような形で」:様式と同じレイアウトである必要まではありませんが、様式1〜3の項目が揃って読める形で出せること。データベースの生データを見せるだけでは、この基準に届きにくいでしょう
  • 「表示又は印刷」:「又は」なので、印刷機能は必須ではなく、画面で様式のような形に表示できれば足ります

様式そのものも自由度があります。ガイドラインは、操縦者や使用者(会社・団体の場合もある)が自ら様式を設定していても、施行規則第236条の84第2項第1号から第3号の項目が網羅されていれば使ってよいとしています。取扱要領も、機体の設計製造者が指定する日常点検様式や、設計製造者等が点検整備を行った際の専用様式を、様式2・3に代えて使えるとしています(5(2)b)・5(3)c))。

補足:国土交通省の「飛行計画の通報・飛行日誌の作成」ページには、様式1(飛行記録)のExcelファイルと様式2・3(日常点検記録・点検整備記録)のWordファイルが掲載されています。表計算で運用する場合は、このファイルを起点にすると「各様式のような形」の基準を最初から満たしやすくなります。

現場に持っていく範囲──紙と電子で書き方が違う

ガイドラインは「携行」を、「飛行場所まで操縦者が飛行日誌(紙媒体、電磁的記録のいずれも可)を持参し、その場において速やかに確認ができる状態にしておくこと」と説明しています(2①)。事務所のサーバーに保存してあるだけでは、この状態には当たりません。

持っていく範囲について、取扱要領は記録の種類ごとに書き分けています。

記録携行の範囲(原文の要旨)媒体の書き方
飛行記録直近の点検整備以降の分を携行。それより前は使用者の責任で、必要に応じ参照又は提示が可能な状態で保管(5(1)b))「紙媒体で飛行記録を作成・管理する場合」と限定
日常点検記録直近の点検整備以降の分を携行。それより前は同上(5(2)c))「紙媒体で日常点検記録を作成・管理する場合」と限定
点検整備記録全ての点検整備記録を他の記録とともに携行(5(3)b))「紙媒体又は電磁的記録での作成・管理に関わらず」

ここに書き方の差があります。飛行記録と日常点検記録の「直近分だけ携行すればよい」という緩和は、取扱要領では紙媒体で作成・管理する場合として書かれています。一方、ガイドライン3(1)①は媒体を限定せずに「必ずしも過去に行った全ての記録を携行する必要はありません」と説明しています。電子で管理する場合の携行範囲を明確に定めた記載は、公式には見当たりません。

実務上は、電子であれば全期間分を端末で開ける状態にしておくことに大きな負担はないはずです。範囲の解釈で迷うより、3種類とも全期間分を現場の端末から開ける構成にしておくほうが確実です。

注意:クラウドにしか記録がない場合、通信できない山間部や屋内の現場では開けないことがあります。その状態が「その場において速やかに確認ができる状態」に当たるかは、公式には明示されていません。端末内に閲覧用のコピーを持つ、様式の形で書き出したファイルを入れておくなど、通信に依存しない手段を併せて用意しておくのが安全です。

公式には書かれていないこと(改ざん防止など)

取扱要領(全12ページ)とガイドライン(全25ページ)の本文を確認したところ、「改ざん」「電子署名」「タイムスタンプ」「バックアップ」に当たる記載はありませんでした。電子の飛行日誌について、次のような技術的な要件は公式には示されていません。

  • 改ざん防止の仕組み(編集履歴の保持、書換え不可の保存形式など)
  • 電子署名やタイムスタンプの付与
  • データの保存形式やファイル形式の指定
  • バックアップの取り方や保存先の指定
  • 国の認定を受けたアプリでなければならない、という仕組み

ただし、要件がないことは「後から自由に書き換えてよい」という意味ではありません。航空法第157条の11第3号は、記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたときを10万円以下の罰金としています。紙の場合、取扱要領はボールペン等での記入(4(6))や、点検整備記録で前回との区別のため上下1行を空けて「〆」を記載する方法(6(3)a))を示しており、記録が後から混ざらない前提で作られています。

電子の場合にこの前提を保つ方法は公式には書かれていませんので、ここからは運用上の工夫になります。誤りを直すときは元の行を消さずに訂正の行を追加する、入力者と入力日時が残る仕組みを使う、といった運用にしておくと、後で記録の経緯を説明しやすくなります。

DIPS2.0と飛行日誌の関係

DIPS2.0のポータルにある「よくある質問」は、DIPS2.0でできることを「航空法に基づく無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の登録申請、飛行許可・承認申請、飛行計画の通報・確認等の各種手続き」と説明しています。利用ガイド/マニュアルのページも、アカウント、登録、機体認証、技能証明、飛行許可・承認申請、飛行計画通報、事故等報告の区分で構成されています。

2026年9月15日時点で、公開されている操作マニュアル(飛行計画通報編を含む)とFAQに、飛行日誌を作成・保管する機能の説明は見当たりませんでした。DIPS2.0に飛行日誌機能があるという前提で運用を組むのではなく、飛行日誌は別に備えるものと考えておくのが安全です。

飛行計画の通報との関係は、取扱要領6(1)c)に整理されています。

「通報した飛行計画との整合性(厳密な所要時間の一致等)は必ずしも取る必要はなく、あくまで飛行記録には飛行の実績を記録する。ただし、通報した1つの飛行計画の中で複数回の飛行を行った場合は、1飛行毎に飛行記録を記載する。」

通報は「飛ぶ前の予定」、飛行記録は「飛んだ後の実績」です。DIPS2.0に通報した計画の内容を飛行記録の下書きに使うのは構いませんが、離着陸の時刻や飛行時間は実績で上書きする必要があります。通報の要否と手順は飛行計画の通報の記事にまとめています。

市販アプリ・表計算で運用するときの確認表

特定のアプリを使わなければならないという規定はなく、本記事も特定の製品は勧めません。どの手段でも、次の表で要件を満たしているかを確認できます。

確認項目市販アプリ・クラウド表計算ソフト
3種類が揃うか飛行記録だけを扱う製品もある。日常点検記録・点検整備記録(不具合と対応の記録を含む)まで入力できるか国交省の様式1(Excel)と様式2・3(Word)を同じ管理単位に置く。Wordの様式を表に移すなら項目を落とさない
項目の網羅施行規則第236条の84第2項の項目と画面の入力欄を1つずつ突き合わせる(技能証明書番号、飛行させた飛行禁止空域及び飛行の方法、製造後の総飛行時間 など)列を削っていないか。機体の概要(登録記号・型式・製造者・製造番号等)は冒頭にまとめて記載してよい(取扱要領6(1)d))
機体ごとに出せるか登録記号で絞り込み、その機体の3種類を通しで表示できるか機体ごとにファイル又はシートを分ける
様式の形で表示・印刷様式1〜3に近い形で画面表示又は書き出しができるか様式の書式を崩していないか
総飛行時間自動積算の元データ(機体の登録日、既存の累計の引継ぎ)が正しいか「前回の総飛行時間+今回の飛行時間」の計算式が行の挿入・並べ替えで壊れないか。1分未満の飛行は0:01に切り上げ(ガイドライン5(1)②)
現場で開けるか通信圏外で過去分を閲覧できるか現場の端末にファイルがあるか。同期の競合で古い版を開いていないか
消えないか解約・プラン変更・サービス終了のときに全データを書き出せるか保存先が個人の端末だけになっていないか。退職者のアカウントに残っていないか
訂正の痕跡編集履歴や入力者が残るか(公式の要件ではなく自衛策)訂正は上書きでなく追記にする運用を決める(同上)
対象機体を登録記号で洗い出し、機体ごとの管理単位を作る
使う手段で、施行規則第236条の84第2項の項目がすべて入力できるか突き合わせる
既存の紙の記録から総飛行時間を引き継ぐ(記録がなければ新たに起算した旨を冒頭に書く)
様式1〜3の形で表示又は書き出しができることを確かめる
通信のない状態で、現場の端末から3種類とも開けることを確かめる
書き出し先を決め、解約や端末故障でも消えない保管先を別に持つ
飛行・点検・整備のたびに遅滞なく記載し、登録が続く間は保管を継続

総飛行時間を新たに起算する場合について、ガイドラインは、従来の記録の一部又は全部がないときは新制度運用開始以降の累計を記録することで問題ないとし、冒頭行などに「令和4年12月5日の改正航空法施行に伴い総飛行時間を新たに起算。」等の一文を書くよう示しています(5(1)③)。紙から電子へ移るときも、移行時点の累計をどこから持ってきたかを冒頭に残しておくと、後から数字の出どころを説明できます。

包括申請で年間を通じて特定飛行を繰り返す場合、記録の件数は機体台数に比例して増えます。電子化の効果が大きいのはこの運用です。包括申請の考え方は包括申請と個別申請の使い分けで扱っています。

立入検査や現場で提示を求められたとき

取扱要領4(7)は、飛行日誌を「確認事項が発生した際に参照又は提示が可能な状態」にしておくよう求めています。ただし、誰から提示を求められる場面を想定しているかは、取扱要領にもガイドラインにも具体的には書かれていません。

法律上、はっきり権限が定められているのは国土交通大臣の報告徴収と立入検査です。航空法第134条は、法の施行を確保するため必要があるときに、無人航空機の所有者、使用者又は飛行を行う者に報告を求めることができ(第1項第16号)、職員を事業場や無人航空機の所在する場所に立ち入らせて「無人航空機、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる」(第2項)としています。職員は身分を示す証票を携帯し、請求があれば提示しなければなりません(第3項)。

行為罰条法定刑
飛行日誌を備えなかった航空法第157条の11第2号10万円以下の罰金
記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をした航空法第157条の11第3号10万円以下の罰金
第134条第2項の検査を拒み、妨げ、又は忌避した航空法第158条第1号100万円以下の罰金
第134条第1項の報告をせず、又は虚偽の報告をした航空法第158条第2号100万円以下の罰金

電子運用で注意したいのは、提示できない理由が「端末の電池切れ」「ログインできない」「担当者しかパスワードを知らない」だった場合でも、紙の日誌を持っていないのと同じ状況になることです。現場の操縦者が自分の端末で開けること、予備の電源があること、事務所側でも同じ記録を開けることを、運用ルールとして決めておきます。

インフラ点検のように、現場の作業補助者が日常点検を行い、操縦者が離れた場所から飛行させる運用もあります。この場合、ガイドラインは、遠隔操作を行う操縦者が携行する飛行日誌に、作業補助者等又は操縦者のいずれかが日常点検記録を記載するとしています(2①)。記録を入力する人と、日誌を携行する人が別になるため、電子で同じ記録を共有できる構成が向いています。点検業務に必要な許可・承認はインフラ点検の許可・承認の記事にまとめています。

いつまで残すか──保存の終期と引き継ぎ

保存期間は年数で決まっていません。取扱要領4(4)は「飛行日誌の記載及び保管は、無人航空機が登録されている間は継続しなければならない。」としています。

無人航空機の登録は3年ごとに更新が必要で(航空法第132条の6第1項、施行規則第236条の8第1項)、更新を続ける限り飛行日誌も保管し続けることになります。電子で運用する場合、この期間はサービスの契約期間や端末の買い替え周期より長くなりがちです。アプリを乗り換えるときに過去分を様式の形で書き出して残すことを、最初から手順に入れておくべきでしょう。更新の時期は機体登録の更新の記事で扱っています。

機体を手放すときの扱いも、取扱要領4(5)に書かれています。所有者の変更やリース契約の変更などで使用者が変わる場合は、飛行記録については「総飛行時間」の情報を、日常点検記録と点検整備記録については紙媒体又は電磁的記録のいずれかの方法でその記録を、当事者間で確実に受け渡すとされています。電子で運用していれば、機体単位で書き出したファイルを渡す形にしやすくなります。

補足:登録を抹消した、あるいは更新せずに失効させた後に、飛行日誌をいつまで保管すべきかは、公式には明示されていません。取扱要領が示しているのは「登録されている間は継続」までです。事故やトラブルの説明に使う可能性を考えると、抹消後すぐに消去するより、書き出したデータを一定期間残しておくほうが無難です。

取扱要領は、使用者を「無人航空機及びこれに係る飛行日誌の管理責任を負う者」と定義しています(3(2))。現場で記載し携行するのは操縦者、長期の保管に責任を負うのは使用者、という分担です。会社で運用する場合、アプリのアカウントやファイルの保存先を操縦者個人ではなく使用者(会社)側で持つことが、この定義と整合します。

よくある質問

国に認められた飛行日誌アプリを使わないといけませんか。
航空法、施行規則、取扱要領、ガイドラインのいずれにも、アプリの認定や指定の仕組みは書かれていません。ガイドラインは専用アプリやクラウドでの記録・管理を可能とした上で、様式1〜3に記載すべき事項を一括して参照又は提示できること、各様式のような形で表示又は印刷ができることを求めています。この基準を満たしているかは、使う側で確かめることになります。
国土交通省のExcelの様式に入力して、スマートフォンに入れておけば足りますか。
国土交通省が掲載しているExcelは様式1(飛行記録)です。日常点検記録と点検整備記録は様式2・3(Word)ですので、3種類をそろえる必要があります。そのうえで、機体ごとに管理し、現場の端末で開ける状態にしておけば、取扱要領4(6)・4(7)の考え方に沿った運用になります。
紙に書いたものを写真やスキャンで電子化してもよいですか。
取扱要領は、様式1〜3の内容を網羅することを前提に電磁的な記録及び保管を認めていますが、スキャンによる電子化について個別に定めた記載はありません。画像であっても、記載内容が読み取れ、3種類を機体ごとに一括して参照又は提示できる状態であれば、ガイドライン2②の基準に照らして考えることになります。判読しにくい画像や、記録ごとにばらばらの保存は避けるべきです。
機体の操縦アプリが記録するフライトログは使えますか。
離着陸の時刻や飛行時間を拾う材料として使うこと自体を禁じる記載はありません。ただし飛行日誌は飛行記録・日常点検記録・点検整備記録の3種類で、飛行記録にも飛行の目的及び経路、飛行させた飛行禁止空域及び飛行の方法、飛行の安全に影響のあった事項の有無及びその内容など、機体のログからは埋まらない項目があります(施行規則第236条の84第2項)。フライトログだけで飛行日誌の代わりにはなりません。
電子の飛行日誌を後から修正したら違反になりますか。
修正の方法について、取扱要領とガイドラインに定めはありません。問題になるのは、航空法第157条の11第3号の「記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をした」に当たる場合です。誤記を正すこと自体は記録を正確にする行為ですが、訂正の経緯が分からない形で上書きすると、後で説明が難しくなります。元の記載を残して訂正を追記する運用にしておくのが安全です。
紙とアプリを途中で切り替えるとき、紙の日誌は捨ててよいですか。
取扱要領4(4)は、飛行日誌の記載及び保管を無人航空機が登録されている間は継続しなければならないとしています。紙で記録していた期間の分も、その機体の飛行日誌の一部です。電子に移した後も、紙の分を保管するか、様式1〜3の内容が網羅された形で電子化して、登録が続く間は参照又は提示できる状態にしておく必要があります。
特定飛行をしない機体も、電子で記録を残したほうがよいですか。
飛行日誌の備付けが義務になるのは特定飛行を行う場合です(航空法第132条の89第1項)。ただし取扱要領1.は、義務が生じない場合であっても本要領に沿って記録を行うことが推奨されるとしています。同じ機体で将来特定飛行を行う可能性があるなら、総飛行時間は連続した累計値ですので、最初から記録しておくほうが後の手間は少なくなります。
本記事は2026年9月15日時点の情報です。 取扱要領・ガイドラインやDIPS2.0の機能は改正・改修されることがあります。実際の運用にあたっては、必ず上記の一次ソースで最新の内容をご確認ください。

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