other-laws

小型無人機等飛行禁止法の事前通報。48時間前と公安委員会

公開 2026-09-13 更新 2026-09-13 読了 約12分

対象施設の周辺地域で小型無人機等を飛ばせるのは、施設管理者の同意を得た場合など、第10条第2項の例外に当たるときだけです。そして例外に当たる場合でも、第10条第3項により、飛行を開始する時間の48時間前までに都道府県公安委員会等へ通報しなければなりません。 通報の宛先は1か所とは限りません。皇居・海域・自衛隊施設・対象空港に関わる区域では、公安委員会に加えて皇宮警察本部長・管区海上保安本部長・施設管理者にも、それぞれ別のルートで通報します。 この記事では、2026年7月14日施行の改正後の条文・規則・様式を原本で確認し、事前通報の実務だけを順に整理します。

よく見る説明と、公式の記載
事前通報は「同意を取ったら終わり」「警察署に出せば終わり」と短く説明されがちです。条文・規則・様式の原本と突き合わせます。
よく見る説明施設管理者の同意が取れれば、そのまま飛ばせる。
公式にはこう同意は第10条第2項の適用除外の要件で、それとは別に第10条第3項が事前の通報を義務づけています。同意を得たうえで、さらに通報が必要です。
出典 小型無人機等飛行禁止法 第10条第2項・第3項
よく見る説明通報は2日前(前々日)までに出せばよい。
公式にはこう規則の文言は「小型無人機等の飛行を開始する時間の四十八時間前まで」です。日付ではなく飛行開始の時刻から48時間さかのぼって数えます。
出典 施行規則(国家公安委員会規則)第3条第1項
よく見る説明警察署に通報書を出せば、手続きはすべて終わる。
公式にはこう海域を含む区域は管区海上保安本部長、自衛隊施設と対象空港の周辺地域は施設管理者にも、公安委員会とは別に通報します。都道府県をまたぐ区域では全ての公安委員会が宛先です。
出典 法 第10条第3項各号 / 警察庁「通報手続の概要」

「同意」と「通報」は別の手続き

第10条第1項は「何人も、対象施設周辺地域の上空において、小型無人機等の飛行を行ってはならない。」と定めています。これを外すのが第10条第2項の3類型で、通報を義務づけているのが第10条第3項です。つまり、周辺地域で飛ばすときは「例外に当たること」と「事前に通報すること」の2つが揃う必要があります。規制の全体像は小型無人機等飛行禁止法の解説記事にまとめていますので、ここでは通報に関係する部分だけを扱います。

第10条第2項の類型必要なもの使える場所
第1号 対象施設の管理者、又はその同意を得た者 管理者の同意(管理者本人なら不要)+通報 周辺地域のほか、対象防衛関係施設・対象空港の敷地等の上空でも使える唯一の類型
第2号 土地の所有者・占有者(正当な権原を有する者に限る)、又はその同意を得た者 所有者・占有者の同意(本人なら不要)+通報 当該土地の上空のみ。対象防衛関係施設・対象空港の敷地等の上空では使えない
第3号 国又は地方公共団体の業務 通報(委託を受けた場合は委託を証明する書面の写し) 対象防衛関係施設・対象空港の敷地等の上空では使えない

第10条第2項柱書の括弧書きは「第二条第一項第三号及び第四号に掲げる対象施設及びその指定敷地等の上空において行うものにあっては、第一号に掲げるものに限る。」としています。第3号が対象防衛関係施設、第4号が対象空港です。

同意は許認可ではない

警察庁が2026年6月24日付けで関係省庁に出した依頼文書(警察庁丁備一発第103号)は、この同意について「施設管理権に由来する行為であって、行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号に規定する許認可等ではない」と明記しています。審査基準は定められておらず、申出の期限や必要書類は施設管理者ごとに異なります。同じ文書は管理者に対し、期限を「例えば、原則として飛行開始の10営業日前までとするなど」合理的な範囲に見直すことや、反復継続する飛行について一定期間の包括的な同意を認めることを依頼しています。

周辺地域が重なる場所:複数の対象施設の周辺地域が重複する地域では、それぞれの対象施設の管理者から同意を得る必要があります(警察庁丁備一発第104号)。霞が関・永田町周辺の対象危機管理行政機関の庁舎については、警察庁に「同意取得手続のワンストップ窓口」が置かれ、同意願を原則として飛行開始日の10営業日前までに電子メールで提出する運用です。ただし国会議事堂・官邸・最高裁・皇居・政党事務所・外国公館等・防衛関係施設の周辺地域と重なる場合は、その管理者の同意が別途必要です。

通報先:施設の類型ごとの一覧

第10条第3項は、通報先を「当該小型無人機等の飛行に係る対象施設周辺地域を管轄する都道府県公安委員会及び次の各号に掲げる当該対象施設周辺地域の区分に応じ当該各号に定める者」としています。公安委員会はどの区域でも必ず宛先になり、区分に当たる場合はそこに通報先が追加されます。

区域通報先提出ルート根拠
すべての対象施設周辺地域 都道府県公安委員会 周辺地域を管轄する警察署長を経由(窓口)又はe-Gov電子申請 法第10条第3項本文、規則第3条・第4条
皇居・御所(赤坂御用地)に係る周辺地域 東京都公安委員会+皇宮警察本部長 管轄警察署を経由。様式の宛名に皇宮警察本部長を追記 法第10条第3項第1号、規則第3条第1項、様式備考1
海域を含む周辺地域 公安委員会+管区海上保安本部長 管轄する海上保安部等(海上保安監部・海上保安部・海上保安航空基地)の長を経由 法第10条第3項第2号、国交省令第2条・第3条
対象防衛関係施設(自衛隊の施設に限る)に係る周辺地域 公安委員会+当該施設の管理者 施設管理者に提出(防衛省令の様式) 法第10条第3項第3号、防衛省令第2条〜第4条
対象空港に係る周辺地域 公安委員会+対象空港管理者 対象空港管理者に直接提出(国交省令の様式第3号・第4号) 法第10条第3項第4号、国交省令第5条・第6条

第3号は条文上「自衛隊の施設であるものに限る」とされています。対象防衛関係施設には在日米軍の施設・区域も指定されていますが、在日米軍施設・区域の管理者は第10条第3項の通報先には含まれていません。在日米軍施設・区域の管理者の同意を得て周辺地域で飛ばす場合は、管理者への同意申請と、公安委員会(海域を含めば管区海上保安本部長も)への通報という組み合わせになります。

区域が複数の管轄にまたがるとき

ケース扱い出典
同じ都道府県内の2つ以上の警察署の管轄にわたるいずれか1つの警察署を通じて公安委員会に通報規則第3条第1項、警察庁
2つ以上の都道府県にまたがる全ての都道府県公安委員会に通報警察庁「通報手続の概要」
同じ管区内の2つ以上の海上保安部等にまたがるいずれか1か所の海上保安部等へ通報国交省令第2条、海上保安庁
2つ以上の管区にまたがる両方の管区の海上保安部等に提出海上保安庁

具体例として、国土交通省の対象空港のページは「対象施設周辺地域が2つの都道府県公安委員会にまたがるため、双方への通報が必要」な空港として、羽田空港(警視庁及び神奈川県警察)と大阪国際空港(大阪府警察及び兵庫県警察)を挙げています。半径がおおむね1,000mに広がったことで、境界付近の施設では同じことが起こりやすくなっています。

48時間前の起算と、緊急時の口頭通報

法律そのものは「あらかじめ」としか書いていません。48時間という期限は、規則・省令に置かれています。国家公安委員会規則第3条第1項の文言は「小型無人機等の飛行を開始する時間の四十八時間前までに」です。国交省令(海上保安・空港)と防衛省令も同じ「開始する時間の四十八時間前まで」で揃っています。

飛行開始の予定時刻通報の期限(48時間前)
水曜 10:00月曜 10:00 まで
月曜 9:00土曜 9:00 まで
日曜 14:30金曜 14:30 まで

上の表は規則の文言をそのまま時刻に当てはめたものです。開庁日で数える規定ではないため、月曜朝の飛行なら期限は土曜の朝になります。土日祝日や夜間に警察署の窓口が閉まっている場合にどう扱うかは、公式には明示されていません。オンライン通報の受付状況も含め、週明けや連休明けの飛行は所轄の警察署に早めに確認してください。

「災害その他緊急やむを得ない場合」の口頭通報

規則第6条は、災害その他緊急やむを得ない場合には、飛行を開始する時間の直前までに所轄警察署長に対して口頭で行えば足りるとしています。海上保安部等(国交省令第4条)、対象空港管理者(同第8条)、自衛隊施設の管理者(防衛省令第5条)にも同じ特例があります。

注意:警察庁は、口頭通報で足りる場合であっても「対象施設の管理者等の同意を通報に先立って得る必要がある」と明記しています。緊急時の特例は通報の方式と期限の特例であって、同意を省略できる規定ではありません。

航空法の期限とは別に管理する

同じ飛行で航空法の手続きも必要になるときは、期限を別々に数えます。航空法の飛行許可・承認の申請書は、審査要領上、飛行開始予定日の10開庁日前までに提出するものとされています(詳しくは飛行許可・承認申請の完全ガイド)。これに施設管理者の同意の申出期限が加わります。

手続き公式に示されている期限の目安性格
在日米軍施設・区域の管理者への同意申請飛行の30日前まで(防衛省)同意(第10条第2項第1号)
自衛隊施設の管理者への同意申請飛行の10営業日前まで(防衛省)同意(第10条第2項第1号)
対象危機管理行政機関(ワンストップ窓口)原則、飛行開始日の10営業日前まで(警察庁)同意(第10条第2項第1号)
航空法の許可・承認申請飛行開始予定日の10開庁日前まで(審査要領)許可・承認
小型無人機等飛行禁止法の事前通報飛行を開始する時間の48時間前まで(規則・省令)通報

上記以外の施設管理者(国会、官邸、外国公館、原子力事業所など)の同意の申出期限は、各施設のウェブサイト等で個別に確認する必要があります。一律の期限は法令には定められていません。

通報書の様式と記載事項・添付書類

公安委員会への通報は、国家公安委員会規則の別記様式第1号(施設管理者・土地の所有者等の本人と、その同意を得た者)又は別記様式第2号(国又は地方公共団体の業務を行う公務操縦者)を使います。警察庁の通達(丁備一発第106号)も、同意を得て飛行する者は様式第1号、公務操縦者は様式第2号と、使い分けを明示しています。警察庁サイトで配布されている様式の本文は「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律第10条第3項本文の規定により通報します。」で、表題は「小型無人機等の飛行に関する通報書」です。

記載事項(規則第3条第1項)記載のポイント
一 飛行を行う日時様式の欄は「年 月 日 時 分から 時 分まで」
二 飛行を行う目的—
三 対象施設周辺地域内の区域区域を具体的に記載し、区域を示す地図を添付(様式備考2)
四 操縦者の氏名・生年月日・住所・電話番号氏名は旧氏の記載も可(警察庁)
五 勤務先の名称・所在地・電話番号勤務先の業務として飛行する場合に限り記載
六 機器の種類及び特徴製造者、名称、製造番号、色、大きさ、積載物その他。製造番号欄は「製造番号、製造記号、管理番号、管理記号、型番号、品番その他いかなる名称であるかを問わず」識別用の文字・記号を記載
七 登録記号航空法第132条の4第3項により通知された登録記号
(同意を得た者のみ)同意をした施設管理者等氏名・住所・電話番号。複数の場合は別紙に記載して添付(様式備考6)

添付書類

添付するもの対象根拠
飛行区域を示す地図全員様式備考2
同意を証明する書面の写し施設管理者・土地の所有者等の同意を得て飛行する者規則第3条第2項
委託を受けて飛行することを証明する書面の写し国又は地方公共団体の委託を受けた公務操縦者規則第4条第2号
機器の写真全員。ただし航空法の登録記号が機体に表示されていれば不要規則第5条
通報先ごとに様式が違う:管区海上保安本部長あては国交省令の様式第1号・第2号で、船舶に乗って飛行する場合は船舶の名称・船舶番号等・船種・船籍港・総トン数・連絡手段が記載事項に加わります。対象空港管理者あては国交省令の様式第3号・第4号で、国交省令第7条は機器の写真の添付を求めており、国家公安委員会規則第5条のような「登録記号が表示されていれば不要」というただし書きはありません。自衛隊施設の管理者あては防衛省令の様式第1号・第2号です。

提出方法:警察署の窓口とe-Gov電子申請

方法内容
警察署の窓口 周辺地域を管轄する警察署に通報書を提出。警察庁は都道府県警察に対し、提出を受けた際は受理の日付等を記載した通報書の写しを通報者に交付するよう指示しています(オンラインの場合を除く)
e-Gov電子申請サービス 公安委員会・皇宮警察本部長への通報は令和7年(2025年)12月からオンラインで受付。手続終了画面の「到達番号」又は警察の確認後に届く通知の「受付番号」を控え、飛行時に警察官から求められたら提示します
海上保安部等 海上保安庁の案内は「提出先に郵送、持参等で提出」。手数料なし
自衛隊施設・対象空港の管理者 各管理者に提出。窓口・受付時間は防衛省・国土交通省のページで各施設の連絡先を確認

反復継続する飛行の「包括的な通報」

通報は1回の飛行ごとに出すのが原則の形ですが、警察庁は2026年6月24日の通達(丁備一発第106号)で、都道府県警察に対し「反復継続して行われる小型無人機等の飛行について、対象施設の管理者から一定の期間における包括的な同意を得ているなどの場合には、…当該小型無人機等の飛行の識別に支障のない範囲で、一定の期間における包括的な通報を認めること」と指示しています。海上保安庁・防衛省・国交省航空局に対しても、包括的な通報の受理に努めるよう依頼しています。

通達によれば、通報は警察官等が目の前の飛行を「法第10条第1項又は第3項本文の規定に違反するものであるか否かを、直ちに識別できるようにすることを目的としたもの」です。包括的な通報がどの範囲・どの書き方で受け付けられるかは公式には具体的に示されていませんので、定期点検や農薬散布のような反復飛行では、所轄の警察署と各通報先に事前に確認してください。

防衛関係施設と空港は手続きが二重になる

自衛隊施設

自衛隊施設に係る周辺地域では、公安委員会への通報に加えて施設管理者への通報が要ります。ただし防衛省令は、次の2つの場合に管理者への通報があったものとみなすとしています。

  • 施設の管理者自身が飛行を行うとき(防衛省令第2条第1項)
  • 管理者の同意を得る際に、通報事項(日時・目的・区域・氏名等・機器の種類及び特徴など)を書面で管理者に提出して同意を得たとき(同条第3項)

みなし規定が働くのは管理者への通報だけです。公安委員会への通報(海域を含めば管区海上保安本部長への通報も)は別に必要です。なお、自衛隊施設の敷地又は区域の上空で管理者の同意を得て飛行する場合に、通報が困難で、管理者が通報に代わる識別措置をとるときは、通報を要しない旨のただし書きが第10条第3項に置かれています。

対象空港

国土交通省が指定する対象空港は、2026年9月13日時点で新千歳・成田国際・東京国際(羽田)・中部国際・大阪国際(伊丹)・関西国際・福岡・那覇の8空港です(令和8年7月3日告示、7月14日適用)。国交省のページは「航空法に基づく許可・承認を受けている場合であっても、小型無人機等飛行禁止法に基づく同意の取得および事前通報は別途必要」と注意しています。

空港の敷地又は区域の上空は、第10条第2項の括弧書きにより管理者又はその同意を得た者の飛行しか例外になりません。周辺地域(敷地等の外側)であれば、土地の所有者等や公務の類型も使えますが、いずれの場合も対象空港管理者と公安委員会の両方への通報が必要です。警察庁は国交省・防衛省に対し、同意が見込まれる場合には同意取得と通報を並行して進めるなど、手続きの一体的な運用に努めるよう依頼しています。

飛行地点が周辺地域に入るか確認する。地理院地図(レッドゾーン・イエローゾーン)やDIPSで範囲を確認。改正後の1,000m基準で見る
どの例外で飛ぶかを決める。敷地等の上空が防衛関係施設・空港なら管理者の同意(第1号)しかない
同意を取る。重なっている施設ごとに管理者の同意。米軍30日前、自衛隊10営業日前など期限を逆算
通報先を洗い出す。公安委員会(都道府県をまたげば全て)+皇宮警察本部長/管区海上保安本部長/自衛隊施設管理者/対象空港管理者
通報書を作る。通報先ごとの様式、地図、同意書の写し、機器の写真(公安委員会あては登録記号表示で省略可)
飛行開始時刻の48時間前までに全ての通報先へ提出。受理された写し又は到達番号・受付番号を控える
飛行当日:通報の控え(受理された写し、又は到達番号・受付番号)を手元に置き、警察官から求められたら提示する。航空法の許可・承認と飛行計画の通報は別途

航空法の特定飛行を行う場合は、別に国土交通大臣への飛行計画の通報も必要です。名前が似ていますが根拠法も宛先もまったく別の手続きです(ドローンの飛行計画の通報はいつ必要か)。

2026年7月改正で通報の実務に何が起きたか

令和8年法律第47号(2026年6月24日公布、7月14日施行)で、通報の手続きそのもの(通報先・48時間・様式の記載事項)が変わったわけではありません。変わったのは、通報が必要になる場面の数と、通報を含む手続きを怠ったときの重さです。

変化内容通報実務への影響
周辺地域の範囲 敷地・区域の周囲「おおむね300m」→「おおむね1,000m」(第3条第2項〜第8条第2項) これまで周辺地域の外だった飛行地点が、同意と通報の対象に入る
指定の告示 改正法公布の際に対象施設だった485施設について、改正後の法律に基づく指定の告示が7月3日に公布、7月14日施行 地図・告示図面は改正後のものを参照する
イエローゾーンの罰則 第14条を新設。周辺地域(敷地等の上空を除く)での第10条第1項違反の飛行に6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 改正前は命令に従わなかった場合の間接罰だったものが、直罰になった
手続きの円滑化 ワンストップ窓口(7月14日運用開始)、包括的な同意・通報を認めるよう通達 反復飛行の手続き負担が軽くなる余地がある(具体的な運用は個別に確認)
注意:「周囲300m」と書かれた解説や、改正前に作られた社内の手順書・チェックリストは、2026年7月14日以降の範囲と一致しません。また、公的機関の説明資料の中にも、現行の規則とは異なる取扱い(たとえば通報時に機器の「提示」を求める記載)が残っているものがあります。現行の国家公安委員会規則第5条が求めているのは機器の写真の添付です。数値や手順は、条文・規則本文と、日付の新しい公式ページを優先して確認してください。

通報をしなかった場合の扱い

条文の構造を正確に見ておきます。

条条文が対象としている行為法定刑・効果
第11条第1項「前条第一項又は第三項本文の規定に違反して」飛行が行われていると認められる場合警察官が機器の退去その他の必要な措置を命ずることができる
第13条第1項第10条第1項に違反して対象施設及びその指定敷地等の上空で飛行1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
第13条第2項第11条第1項の命令に違反1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
第14条第10条第1項に違反して対象施設周辺地域の上空(敷地等の上空を除く)で飛行6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金

第13条・第14条は「第十条第一項の規定に違反して」と書いており、第10条第3項の通報義務の違反そのものを掲げた罰則の条文はありません。一方で第11条第1項は、通報をせずに行われている飛行も措置命令の対象にしており、その命令に従わなければ第13条第2項の対象になります。

通報を欠いた飛行が第10条第2項の適用除外から外れて第10条第1項違反(第13条・第14条)になるのかどうかについて、公式の解説は確認できませんでした。なお国土交通省の対象空港のページは、同意の取得と事前通報について「これらの手続きを行わずに飛行した場合、警察官等による機器の退去命令や飛行の妨害措置の対象となるほか、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される場合があります」と案内しています。いずれにせよ、通報は「出しておけば安心」ではなく「出さなければ飛べない」ものとして扱うべき手続きです。

必ずあわせて確認:同意と通報が揃っても、それで航空法の許可・承認や飛行計画の通報、道路・河川・公園など他の法令や管理者のルールが免除されるわけではありません。道路上での離発着などは道路使用許可の記事で整理しています。「この法律の手続きは済んだ」と「飛ばしてよい」は別の話です。

よくある質問

自分の会社の敷地の上空で飛ばすだけでも、通報は必要ですか。
敷地が対象施設周辺地域に入っていれば必要です。土地の所有者・占有者(正当な権原を有する者に限る)による当該土地の上空の飛行は第10条第2項第2号の例外に当たりますが、第10条第3項の通報は例外に当たる飛行すべてに課されています。様式は第1号で、同意書の写しは本人の飛行なら要りません。
100g未満の機体でも通報しますか。
この法律の「小型無人機」には重量の要件がないため、周辺地域で飛ばすなら同じく同意等と通報が必要です。規則上、機器の写真は航空法の登録記号が表示されていれば不要とされていますが、登録記号のない機体では写真を添付します。
土日の朝に飛ばす予定です。いつまでに出せばよいですか。
規則の文言は「飛行を開始する時間の四十八時間前まで」なので、土曜9時開始なら木曜9時、日曜9時開始なら金曜9時が期限です。窓口の受付時間や閉庁日の扱いは公式に明示されていないため、e-Gov電子申請の利用可否も含めて所轄の警察署に確認してください。
毎週同じ場所で点検飛行をします。毎回通報が必要ですか。
警察庁は通達で、反復継続する飛行について施設管理者から一定期間の包括的な同意を得ているなどの場合、飛行の識別に支障のない範囲で一定期間の包括的な通報を認めるよう都道府県警察に指示しています。ただし、どの範囲まで包括できるかは公式に具体的な基準が示されていないため、事前に所轄の警察署と調整してください。
海沿いの施設の近くで、船の上から飛ばします。通報先はどこですか。
周辺地域に海域が含まれる場合は、公安委員会(警察署経由)に加えて管区海上保安本部長(海上保安部等経由)への通報が必要です。海上保安本部長あての通報書では、船舶の名称・船舶番号等・船種・船籍港・総トン数・連絡手段も記載事項になります。海上保安庁の案内では提出方法は郵送・持参等です。
航空法の包括許可を持っています。通報は省略できますか。
省略できません。国土交通省も、航空法に基づく許可・承認を受けている場合でも、この法律に基づく同意の取得と事前通報は別途必要と明記しています。
通報した後、警察から許可証のようなものは出ますか。
通報は許可申請ではないため、許可証は出ません。窓口で提出した場合は受理の日付等が記載された通報書の写しが交付される運用で、オンラインの場合は到達番号又は受付番号を控えます。飛行時に警察官から求められたら提示してください。
本記事は2026年9月13日時点の情報です。 小型無人機等飛行禁止法は2026年7月14日に改正法が施行されたばかりで、対象施設の指定は告示により随時追加・解除されます。通報先の窓口や受付の運用も施設・地域ごとに異なりますので、飛行前に必ず上記の一次ソースと所轄の警察署等で最新の内容をご確認ください。

飛行前チェックリスト(無料)

航空法の特定飛行に当たるか、他法令の手続きが要るかを1枚で確認できるPDFです。小型無人機等飛行禁止法の1,000m基準にも対応しています。

チェックリストを受け取る