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作業規程の準則が定めるUAV測量。写真測量・点群測量・レーザ測量の違い

公開 2026-10-16 更新 2026-10-16 読了 約18分

公共測量でドローンを使うとき、作業の中身を決めているのは航空法ではなく「作業規程の準則」です。測量法第34条に基づく国土交通省告示(平成20年告示第413号、最終一部改正は令和7年3月31日 国土交通省告示第240号)で、全部で715か条あります。 この準則には、UAVを使う測量が3方式入っています。UAV写真測量(第3編第3章・第131条〜第166条)、UAV写真点群測量(第4編第3章・第410条〜第439条)、UAVレーザ測量(第4編第4章・第440条〜第483条)です。成果物が違い、精度の決め方も違います。 そしてもう1つ、原本を読むとすぐ分かることがあります。準則の全文に「航空法」という語は1件も出てきません。「許可」という語も全文で2件だけで、2件とも対空標識を置くための土地の所有者又は管理者の許可です。準則に従って作業手順を組んでも、航空法の許可・承認は別に必要です。 この記事では、準則のUAV関連の条を条番号つきで整理します。

よく見る説明と、公式の記載
「準則」は国土交通省告示なので、航空法の要件まで書いてあると思われがちです。原本の条文と照らし合わせます。
よく見る説明作業規程の準則に沿って作業すれば、ドローンを飛ばす手続も準則の中で済む。
公式にはこう準則の全文(189ページ)に「航空法」の語は1件もありません。「許可」は全文で2件だけで、2件とも対空標識を置く土地の所有者又は管理者の許可です(第137条第2項第1号・第176条第2項第1号)。第4条が挙げる遵守すべき法令にも航空法の名指しはありません。
出典 準則 第4条 第137条第2項第1号 全文検索
よく見る説明準則が「離着陸以外は自律飛行」を標準としているのだから、目視外飛行は準則で認められている。
公式にはこう第142条と第147条第2号は、写真の精度を保つための作業方法の標準です。航空法の目視外飛行の承認は別の手続で、基準は審査要領5-4です。準則に「目視」は5件ありますが、すべてデータを画面で点検する場面の記述です。「補助者」の語は準則に1件もありません。
出典 準則 第142条・第147条 審査要領 5-4
よく見る説明ドローン測量といえばUAV写真測量。準則のUAV測量は1種類。
公式にはこう準則には3方式あります。UAV写真測量(第3編第3章)=数値地形図データ、UAV写真点群測量(第4編第3章)=三次元点群データ、UAVレーザ測量(第4編第4章)=三次元点群データ+数値地形図データ。前2つは令和2年、UAVレーザ測量は令和5年の改正で入りました。
出典 準則 第131条・第410条・第440条 国土地理院 改正履歴

作業規程の準則とは何か。適用範囲は公共測量

測量法は、公共測量を実施する測量計画機関に、作業規程を定めて国土交通大臣の承認を得ることを求めています(第33条第1項)。そして、同法第34条は「国土交通大臣は、作業規程の準則を定めることができる」としています。この条文に基づく告示が作業規程の準則です。各機関の作業規程の手本になるものです。

準則の第1条は、目的をこう書いています。

第1条 この準則は、測量法(昭和24年法律第188号。以下「法」という。)第34条の規定に基づき、公共測量における標準的な作業方法等を定め、その規格を統一するとともに、必要な精度を確保すること等を目的とする。
2 この準則は、公共測量に適用する。

版の確認です。準則の全文PDFの表紙には、制定が昭和26年8月25日(建設省告示第800号)、全部改正が平成20年3月31日(国土交通省告示第413号)、その後の一部改正が平成23年・平成25年・平成28年・令和2年・令和5年・令和7年3月31日(国土交通省告示第240号)と並んでいます。令和7年3月31日改正が最終です。条数は第1条から第715条まであります。

編内容UAVとの関係
第1編総則(第1条〜第17条)実施体制、精度管理、機器の検定、特例(第17条)
第2編基準点測量標定点・調整点の観測方法として準用される
第3編地形測量及び写真測量第3章 UAV写真測量。第6章 修正測量にもUAVの款がある
第4編地形測量及び写真測量(三次元点群測量)第3章 UAV写真点群測量/第4章 UAVレーザ測量
第5編応用測量(路線・河川・用地 等)UAVを名指しした条はない

第1編の総則には、UAVの3方式すべてに効く条があります。作業機関は作業計画を計画機関に提出して承認を得ること(第11条)、精度管理表と品質評価表を作成して提出すること(第13条)、そして点検測量率です。第13条第4項の表は、地形測量及び写真測量のうち数値地形図データ作成は2パーセント、三次元点群データ作成は5パーセントを標準としています。同じUAVでも、作る成果物によって点検の量が変わります。

実施体制の要件も総則にあります。作業機関は主任技術者を選任し、主任技術者は登録された測量士で高度な技術と十分な実務経験を有する者でなければなりません。技術者として公共測量に従事する者は、登録された測量士又は測量士補です(第9条第2項〜第4項)。また第7条は、計画機関が測量業者以外の者に、準則を適用して行う測量を請け負わせてはならないと定めています。

UAVの3方式が、準則のどこに置かれているか

準則のUAV関連の条は、大きく3か所に分かれています。編が違うのは、作る成果物が違うからです。

方式準則の位置条定義(第1条にあたる条の要旨)
UAV写真測量 第3編第3章 第131条〜
第166条(36か条)
UAVにより地形、地物等を撮影し、その数値写真を用いて数値地形図データを作成する作業(第131条)
UAV写真点群測量 第4編第3章 第410条〜
第439条(30か条)
UAVにより地形、地物等を撮影し、その数値写真を用いてオリジナルデータ等の三次元点群データを作成する作業(第410条)
UAVレーザ測量 第4編第4章 第440条〜
第483条(44か条)
UAVに位置姿勢データ取得装置及びレーザスキャナを搭載した計測・解析システムを用いて計測し、三次元点群データ及び数値地形図データ等を作成する作業(第440条)

第4編の名称は「地形測量及び写真測量(三次元点群測量)」です。第361条は「三次元点群データ」を、地形・地物等を表す3次元座標を持つ多数の点データ及びその属性データを計算処理が可能な形態で表現したものと定義しています。同じ第4編には、地上レーザ測量(第2章)、車載写真レーザ測量(第5章)、航空レーザ測量(第6章)、航空レーザ測深測量(第7章)も入っています。

3方式が入った時期は、国土地理院の改正履歴のページで確認できます。

改正UAVに関する内容(国土地理院の記載)
令和2年
3月31日
三次元点群測量の編を新設(UAV点群測量及び地上レーザ点群測量の新規追加)/数値地形図作成に地上レーザ測量及びUAV写真測量の新規追加
令和5年
3月31日
UAVレーザ測量、車載写真レーザ点群測量、航空レーザ測深測量を新規追加/「第4編 三次元点群測量」を「第4編 地形測量及び写真測量(三次元点群測量)」に名称変更し、編の構成を変更
令和7年
3月31日
全国の標高成果の改定に関連する条文の改正/GNSS標高測量の導入(3級水準測量)/三次元点群データを使用した断面図の作成方法を追加
用語の表記について。 国土地理院の改正履歴は、令和2年に追加されたものを「UAV点群測量」と書いています。一方、現在の準則本文の章名と定義は「UAV写真点群測量」(第4編第3章・第410条)です。同じものを指していますが、どの改正で章名が変わったかは、公表されている改正履歴のページからは特定できません。検索するときは両方の語で探すのが確実です。

UAV写真測量(第131条〜第166条)

まずUAV写真測量です。成果物は数値地形図データで、第166条が挙げる成果等は、数値地形図データファイル、精度管理表、品質評価表、メタデータ、その他の資料です。

地図情報レベルは250と500

第132条は、UAV写真測量で作成する数値地形図データの地図情報レベルを250及び500を標準としています。「地図情報レベル」は、数値地形図における図郭内のデータの平均的な総合精度を示す指標です(第105条第2項)。レベル250が相当縮尺1/250、レベル500が1/500にあたります。

ここが他の方式との分かれ目です。同じ第3編の空中写真測量(有人機による撮影。第4章)は、第168条で500・1000・2500・5000・10000を標準としています。現地測量(TS等やGNSS測量機を使う作業。第2章)は第110条で原則1000以下、250・500・1000を標準です。つまりUAV写真測量は、大縮尺側の狭い帯に置かれた作業方法です。

地図情報レベル水平位置
(標準偏差)
標高点
(標準偏差)
等高線
(標準偏差)
2500.12m以内0.25m以内0.5m以内
5000.25m以内0.25m以内0.5m以内

この表は第105条(第3編の通則)の数値地形図データの位置精度です。UAV写真測量の成果物も、この精度に入ることが求められます。

11の工程

第133条が工程別作業区分及び順序を定めています。

作業計画(第134条)— 第11条により計画機関の承認を得る
標定点の設置(第135条〜第140条)— 対空標識を設置し、水平位置と標高を求める
撮影(第141条〜第150条)— 機器の要件、撮影計画、撮影飛行、撮影結果の点検
空中三角測量(第151条〜第155条)— バンドル法で外部標定要素を決定
現地調査(第156条〜第159条)— 写真で判読困難な事項を現地で確認
数値図化(第160条)・数値編集(第161条)・補測編集(第162条)— 第4章の規定を準用
数値地形図データファイルの作成(第163条)
品質評価(第164条)・成果等の整理(第165条・第166条)
成果等を計画機関に提出(第16条)。点検測量率は2パーセントが標準(第13条第4項)

標定点の精度と配置

標定点は、空中三角測量に必要となる水平位置及び標高の基準となる点です(第135条)。標定点には対空標識を設置します(同条第2項)。精度は、レベル250・500のいずれも水平位置・標高とも標準偏差0.1m以内が標準です(第136条)。

配置は第138条です。撮影が単コースなら、コースの両端のステレオモデルに上下各1点、それ以外はコース内に均等に置くのが標準で、点数はNH=NV=(n/2)+2(nはステレオモデル数)です。複数コースならブロックの四隅に必ず配置し、両端のコースは6ステレオモデルに1点、その他のコースは3コースごとの両端のステレオモデルに1点、ブロック内は30ステレオモデルに1点を均等の割合で置くのが標準です。撮影区域の形状は矩形が標準です。

撮影計画の数値

項目準則の規定条
地上画素寸法レベル250→0.02m以内/レベル500→0.03m以内第145条第2項
対地高度{(地上画素寸法)÷(1画素のサイズ)×(焦点距離)}以下第145条第3項
コースの形同一コースは、直線かつ等高度の撮影となるように計画する第145条第7項
重複度同一コース内の隣接数値写真とは60パーセント、隣接コースとは30パーセントを標準第145条第8項
区域の外側各撮影コースで、撮影区域の外側に1ステレオモデル以上設定する第145条第10項
対地高度のずれ計画対地高度に対する実際の飛行の対地高度のずれは10パーセント以内第147条第1号
調整計算の残差標定点の水平位置・標高の残差は、レベル250→RMS 0.06m以内・最大0.12m以内/レベル500→RMS 0.12m以内・最大0.24m以内第154条第5項

カメラの要件も細かく決まっています。本体は焦点距離・露光時間・絞り・ISO感度が手動で設定できること、レンズのブレ補正等の自動処理機能を解除できることなどが標準で(第143条第1項)、レンズは単焦点、記録は非圧縮形式が標準です(同条第2項・第3項)。さらに第144条は、独立したカメラキャリブレーションを行ったものでなければならないと定めています(3次元ターゲットを用いるのが標準、画像座標の残差は0.1画素以内)。

撮影前に「確認する飛行」をする決まりがあります。 第146条は「UAVを飛行させるに当たっては、撮影計画の実際への適合性を確認する飛行を行い、UAV、計測機器の点検及び撮影計画の確認を行うものとする」と定めています。点検する項目は、飛行高度及び飛行距離の範囲制限、機体キャリブレーションの必要の有無、機体外観・ネジ等の緩み・プロペラの割れ及び歪み・モーターの異音の有無、バッテリの充電状態、送信機の状態、計測機器の装着状態及び設定、そして周辺の電波状況による通信障害の有無の7つです。航空法の日常点検とは別に、準則がこれを求めています。日常点検の記録は飛行日誌の一部です。書き方はドローンの飛行日誌の書き方で整理しています。

撮影結果の点検は撮影の直後に現地で行います(第148条)。点検するのは撮影区域、画質、隣接数値写真間の重複度、地上画素寸法較差、隠蔽部の有無、そして全ての標定点が適切に撮影できているかです。対象は全ての数値写真です。必要があれば速やかに再撮影します(第149条)。現場を離れる前に、飛び直すかどうかを決めるという組み立てになっています。

UAV写真点群測量(第410条〜第439条)

次にUAV写真点群測量です。飛ばし方も撮る機械もUAV写真測量とよく似ていますが、成果物が三次元点群データで、精度の決め方が違います。

適用できる区域に制限があります。 第410条第2項は「UAV写真点群測量は、裸地等の対象物の認識が可能な区域に適用することを標準とする」と定めています。写真から形状を復元する方式なので、地表が植生に覆われて地面が写らない場所には向きません。旧「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」も第9条で「土工現場における裸地のような、対象物の認識が可能な地区」に適用することを標準とし、解説で「地表が完全に植生に覆われ…測量は不可能である」と説明していました。植生の下の地形が必要なら、UAVレーザ測量の側を見ることになります。

精度は「位置精度」で決める

第412条第2項が、この方式の考え方の核です。

作成するオリジナルデータの位置精度は、点検を行う点(検証点)の位置座標と当該オリジナルデータのX、Y、Z成分の較差の許容範囲により、0.05メートル以内、0.10メートル以内又は0.20メートル以内のいずれかを標準とする。(第412条第2項の要旨)

地図情報レベルではなく、3段階の位置精度から選びます。そして選んだ位置精度が、そのあとの数値をすべて動かします。

位置精度地上画素寸法
(第421条第2項)
隣接する外側標定点間の距離
(第415条第1項第4号)
内側標定点とそれを囲む各標定点との距離
0.05m以内0.01m以内100m以内200m以内
0.10m以内0.02m以内100m以内400m以内
0.20m以内0.03m以内200m以内600m以内

標定点と検証点は別に置く

UAV写真測量にはなかった「検証点」が、この方式では工程の名前に入っています(第411条第2号「標定点及び検証点の設置」)。標定点も検証点も対空標識を設置します(第413条第2項)。対空標識の規格・設置等は第137条を準用します(第414条)。

標定点は外側標定点(作業地域を囲むように、作業地域の外側に配置するのが標準)と内側標定点(作業地域内に均等)で構成し、外側標定点は3点以上、内側標定点は1点以上です。計画時の作業地域内で最も標高の高い地点と最も低い地点には標定点を設置します(第415条第1項第5号)。

検証点は、標定点とは別です。標定点からできるだけ離れた場所に作業地域内へ均等に配置し、数は標定点の総数の半数以上(1未満の端数は切り上げ)が標準です(第415条第2項)。平坦な場所又は傾斜が一様な場所に置きます。標定点・検証点の精度は、水平位置・標高とも標準偏差0.1m以内が標準です。

点検はこうです。三次元形状復元計算で得られる標定点の残差と、あらかじめ求めた検証点の位置座標との較差が、ともにX・Y・Zのいずれの成分も、作成するオリジナルデータの位置精度以内であることを確かめます(第429条第1項・第2項)。満たさないときは不良数値写真の除去と特徴点の修正をして再計算し、それでも満たさなければ再撮影です(同条第4項)。

重複度が写真測量よりずっと高い

撮影計画の数値も違います。第421条第8項は、撮影後に実際の重複度を確認できる場合は同一コース内80パーセント以上・隣接コース60パーセント以上、確認が困難な場合は同一コース内90パーセント以上・隣接コース60パーセント以上を求めています。UAV写真測量の60パーセント・30パーセント(第145条第8項)と比べて、はっきり高い設定です。外側標定点を結ぶ範囲のさらに外側に、少なくとも1枚以上の数値写真を撮る計画にすることも決まっています(同条第9項)。

カメラキャリブレーションの扱いも逆です。UAV写真測量の調整計算は「セルフキャリブレーションは行わないことを標準」(第154条第4項)ですが、UAV写真点群測量の三次元形状復元計算は「セルフキャリブレーションを行うことを標準」(第427条第5項)です。同じ機体・同じカメラでも、方式が変われば処理の前提が変わります。

UAVレーザ測量(第440条〜第483条)

3つ目はUAVレーザ測量です。44か条あり、3方式でいちばん長い章です。長い理由は、計画機関と作業機関の仕様書のやり取りが工程に組み込まれていることにあります。

成果品の要求仕様の策定(第442条〜第445条)=計画機関の作業。目的を明らかにし、成果品要求仕様書を作る
作業計画(第446条)
作業仕様の策定(第447条〜第452条)=作業機関の作業。システムを準備し、ボアサイトキャリブレーションと精度試験を行い、成果品作業仕様書を作って計画機関の承認を得る
オリジナルデータの作成(第453条〜第467条)。計測計画→固定局→調整点→計測→最適軌跡解析→点群データ→点検測量
その他の成果データの作成(第468条〜第479条)。グラウンドデータ、グリッドデータ、等高線データ、断面図データ、数値地形図データ
成果データファイルの作成(第480条)・品質評価(第481条)・成果等の整理(第482条・第483条)

要求仕様は計画機関が決める

第442条から第444条は、計画機関の作業です。計画機関は成果品の使用目的を明らかにし(第443条)、成果品の内容・種類・精度・点密度等を定めた成果品要求仕様書を作ります(第444条)。

成果品目点密度要求精度(標準値)対象
グラウンドデータ
グリッドデータ
等高線データ
10〜100点/㎡0.1m(RMS誤差)標高
数値地形図データ
(地図情報レベル500)
400点/㎡以上0.15m以内
0.2m以内
水平位置
標高
数値地形図データ
(地図情報レベル1000)
100点/㎡以上0.3m以内
0.3m以内
水平位置
標高

備考に重要な条件があります。植生の影響が大きい箇所でグラウンドデータ・グリッドデータ・等高線データの作成を目的とする場合は、オリジナルデータの点密度を2倍にするとされています。数値地形図データの地図情報レベルは500及び1000が標準です(第444条第1項第1号ニ)。UAV写真測量の250・500とは帯が違います。

システムの構成と、機器の要件

第448条は、UAVレーザ測量システムをGNSSアンテナ、GNSS受信機、IMU(慣性計測装置)及びレーザスキャナの各機器と、これらを搭載するUAV及び解析ソフトウェアから構成するとしています。機器ごとの性能は同条第2項です。

機器準則が標準とする性能・機能
GNSSアンテナ
GNSS受信機
アンテナはUAVの頂部に確実に固定/観測データを1秒以下の間隔で取得できる/2周波で搬送波位相を観測できることを標準
IMUセンサ部の3軸の傾き(ローリング、ピッチング、ヘディング)及び加速度を計測可能/レーザスキャナとの位置関係を堅ろうに固定できるものとし、レーザスキャナに直接装着することを標準
レーザスキャナ眼等の人体に悪影響を与えない機能を有している/安全基準が明確に示されている
UAV自動飛行機能及び異常時の自動帰還機能を装備している/航行能力は、計測が想定される飛行域の地表風に耐えることができる
解析ソフト最適軌跡解析ソフト(繰り返し計算で誤差モデルを改善し最適解を算出、評価項目を表示)/統合解析ソフト(最適軌跡解析の結果とレーザスキャンデータから計測点の3次元位置を算出)

ボアサイトキャリブレーションは作業前6か月以内

第449条は、作業機関にボアサイトキャリブレーション及び精度試験を義務づけています。ボアサイトキャリブレーションではミスアライメント値及びレバーアーム値を求めます。精度試験は、試験用基準点を中心とする一定範囲内の計測点を対象に、平均標高、標高の標準偏差、基準点の成果値との較差の絶対値の最大値・平均値・RMS誤差を求めます。

期限は同条第6項です。UAVレーザ測量システムを使用する測量作業前6か月以内に実施することが標準です。ただし、構成する機器を取り外すなどして機器の位置関係が変わった場合や、機材に強い衝撃を与えた場合等は、あらためてボアサイトキャリブレーションを行います。

その結果を踏まえて、作業機関は成果品作業仕様書を作ります(第450条)。使用するシステムは機器の固有番号等を含めて定めます。そして第452条により、作業機関は作業仕様書をキャリブレーション記録簿等を添えて計画機関に提出し、次の節の作業を開始する前に計画機関の承認を得ます。

計測諸元と飛行

項目準則の規定条
計測点間隔計測点間隔=要求点間隔/θ(θは1.1〜1.5)第451条第3項
入射角計測対象物へのレーザ光の入射角を45度以上とすることを標準第451条第5項
計測距離使用するレーザスキャナの最大測距距離の80パーセント以下を標準とし、最大測距距離を超えない第451条第6項
コース間重複度30パーセント以上を標準第451条第7項
計測範囲成果品の範囲の外周から10メートル又は計測幅の50パーセント以上延伸した範囲を標準第453条第1号
固定局キネマティック法で位置を決定し、固定局は電子基準点を用いることを原則。計測地域から50キロメートルを超えない点を用いる第454条
調整点の数水平位置と標高の両方を点検・調整するなら2点以上/数値地形図データを作成するなら4点以上/標高のみなら1点以上(1点とする場合は計画機関の承認)第455条第4項第1号
飛行自動飛行方式により行う/計測範囲内は直線で飛行することを原則とし、対地速度は一定/飛行高度は等高度を原則とし、地形条件により等対地高度とすることができる第458条第1項

計測が終わったら、その場でGNSS測量機とレーザスキャナの作動・データ収録状況を確認し、取得データを分析してコース間重複状況と未計測箇所を確かめます(第460条)。記録としてUAVレーザ計測記録簿、UAVレーザ計測作業日誌、固定局観測記録簿(電子基準点以外を使った場合)、GNSS観測データファイル説明書を作ります。

点検測量に4つの方法がある

第467条は、オリジナルデータの点検測量の方法を4つ挙げ、いずれかを標準としています。

方法内容
一 検証点の設置
による点検
計測範囲内に、第465条で用いた調整点とは別に、その点数以上の検証点を設置し、オリジナルデータとの較差を求める
二 UAVレーザ測量
による点検
同じ又は同等以上の性能のシステムでデータを再取得して比較する。点検する面積はオリジナルデータの計測面積の5パーセント以上
三 横断測量
による点検
全ての計測コースを横断する2本以上の測線を設定し、横断測量の結果と断面図を比較する。点検は合計10か所以上
四 他の測量手法での
三次元点群データ
による点検
地上レーザスキャナを用いた測量等で作成した、同等以上の精度の三次元点群データと比較する

点検測量は、計測範囲の状況等が変化しないよう、可能な限りUAVレーザ計測と同時期に行うとされています(同条第2項)。二の方法を選ぶと、点検のためにもう一度飛ぶことになります。同じ現場に何度も入る計画を、航空法の申請の側でも織り込んでおく必要があるのはこのためです。反復して飛ばす場合の申請の組み方は包括申請とは。個別申請との違いと、使い分けの判断基準で整理しています。

3方式の比較

UAV写真測量UAV写真点群測量UAVレーザ測量
準則の位置 第3編第3章
第131条〜第166条
第4編第3章
第410条〜第439条
第4編第4章
第440条〜第483条
追加された改正 令和2年3月31日 令和2年3月31日 令和5年3月31日
主な成果物 数値地形図データ 三次元点群データ
(オリジナルデータ等)
三次元点群データ
+数値地形図データ
精度の決め方 地図情報レベル
250・500
位置精度
0.05/0.10/0.20m以内
点密度+要求精度
計画機関の要求仕様書
搭載する機器 デジタルカメラ
(単焦点・非圧縮が標準)
デジタルカメラ
(第143条を準用)
GNSS+IMU+
レーザスキャナ
対空標識 標定点に設置
(第135条第2項)
標定点及び検証点に設置
(第413条第2項)
調整点に設置(標高のみの点検なら省略可)
(第455条第4項)
重複度 同一コース60%
隣接コース30%
同一コース80%以上
(確認困難なら90%以上)
隣接コース60%以上
コース間30%以上
キャリブレーション 独立したカメラ
キャリブレーション必須
(第144条)
セルフキャリブレーション
を標準(第427条第5項)
ボアサイトキャリブレーション
+精度試験(作業前6か月以内)
適用区域の制限 条文に明示なし 裸地等の対象物の認識が
可能な区域
が標準
(第410条第2項)
条文に明示なし。植生の影響が大きい箇所は点密度2倍(第444条 備考)
点検測量率 2%
(数値地形図データ作成)
5%
(三次元点群データ作成)
5%(第13条第4項)+第467条の点検測量

機器の要件。自律飛行と自動帰還は準則の要求

3方式のうち、UAV本体の要件を正面から書いているのは2か条です。

第142条(使用するUAVの性能等) 撮影に使用するUAVは、次の各号の性能及び機能を有するものを標準とする。
一 自律飛行機能及び異常時の自動帰還機能を装備していること。
二 航行能力は、利用が想定される撮影区域の地表風に耐えることができること。
三 撮影時の機体の振動や揺れを補正し、デジタルカメラの向きを安定させることができること。
第147条(撮影飛行) 撮影飛行は、次の各号により行うものとする。
一 計画対地高度及び計画撮影コースを保持するものとする。計画対地高度に対する実際の飛行の対地高度のずれは、10パーセント以内とする。
二 離着陸以外は、自律飛行で行うことを標準とする。
三 機体に異常が見られた場合は、直ちに撮影飛行を中止する。
四 他のUAV等の接近が確認された場合には、直ちに撮影飛行を中止する。

この2条はUAV写真点群測量にも及びます。第419条が第142条を、第423条が第147条を準用しています。

一方、UAVレーザ測量の書きぶりは少し違います。第448条第2項第4号イは「自動飛行機能及び異常時の自動帰還機能を装備していること」で、第142条第1号の「自律飛行機能」とは語が違います。飛行の条も別で、第458条第1項第1号は「自動飛行方式により行う」です。そして第458条第2項が準用するのは第146条第2項(機器の点検)と第147条第三号(異常時の中止)だけで、第147条第二号(離着陸以外は自律飛行)は準用されていません。

これは航空法の話ではありません。 準則が自律飛行や自動飛行を標準としているのは、計画したコースと対地高度を保たないと写真や点群の精度が出ないからです。航空法の目視外飛行の承認は、まったく別の手続です。基準は審査要領5-4で、機体には自動操縦システムと機体外部を監視できるカメラ、電波が途切れたときのフェールセーフ機能などが求められます。そして解釈通達3.(6)は「目視」を操縦者本人が自分の目で見ることとし、補助者の目視や、専らモニターを用いて見ることは含めていません。自動か手動かは「目視」の定義に出てきません。準則どおり自律飛行で撮っていても、機体を肉眼で追えていなければ目視外飛行です。この点は測量でドローンを使うのに必要な許可・承認と、公共測量のルールで詳しく扱っています。

関連して、準則に載っていない語も見ておく価値があります。全文を検索すると、「補助者」は1件もありません。「立入管理措置」「人口集中地区」「飛行禁止」も出てきません。「目視」は5件ありますが、すべて編集済データを画面で点検する場面の記述です。これは準則が航空法の要件を扱っていないということであり、準則が補助者を不要としているという意味ではありません。補助者の配置や立入管理措置は、航空法の側の論点です。現場で何をするかは立入管理措置とは。現場で実際に何をするのかで整理しています。

対空標識と、土地の所有者又は管理者の許可

準則の全文で「許可」という語が出てくるのは、次の2か所だけです。

条条文対象
第137条
第2項第1号
対空標識は、あらかじめ土地の所有者又は管理者の許可を得て設置する。 UAV写真測量
(第414条によりUAV写真点群測量にも準用)
第176条
第2項第1号
対空標識は、あらかじめ土地の所有者又は管理者の許可を得て、堅固に設置する。 空中写真測量(有人機)

つまり準則が求める「許可」は、地上に物を置くための権原です。飛行の許可ではありません。

対空標識の規格も第137条にあります。模様は★型・X型・+型・円型が標準、辺長又は円形の直径は撮影する数値写真に15画素以上で写る大きさが標準、色は白黒が標準です。設置のときはUAVから明瞭に撮影できるよう上空視界を確保します(第2項第2号)。そして第3項は、設置した対空標識を撮影作業完了後、速やかに回収し現状を回復すると定めています。

置く場所の権原と、上空を飛ぶことは別の問題です。 準則が扱っているのは、対空標識・標定点・検証点・調整点を置くための許可です。他人の土地の上空を撮影コースが通ることについては、準則に規定がありません。政府は、所有権が及ぶ上空の範囲は「利益の存する限度」だとしつつ、同意が必要となる高さに一律の基準は存在しないと整理しています。詳しくは私有地の上空、所有権はどこまで及ぶのかをご覧ください。なお、公共測量のための土地への立入りについては、測量法第15条(第39条で公共測量に準用)に別の規定があります。

国有林の中に測量区域がかかる場合は、さらに別の手続があります。森林管理署への入林の手続については国有林でドローンを飛ばすときの入林届と、森林管理署への確認で扱っています。

準則に「航空法」は出てこない

準則で関係法令の遵守を定めているのは第4条です。

第4条(関係法令等の遵守等) 計画機関、作業機関及び作業者は、作業の実施に当たり、財産権、労働、安全、交通、土地利用規制、環境保全、個人情報の保護等に関する法令を遵守し、かつ、これらに関する社会的慣行を尊重しなければならない。

分野の列挙で、個別の法律名は1つも挙がっていません。「安全」「交通」に航空法が含まれると読むことはできますが、条文は名指ししていません。189ページの全文を検索しても、「航空法」の語は1件もありません。「無人航空機」は第131条のUAVの定義に1件だけです。

安全の条も、対象が限られています。第10条は「作業機関は、特に現地での測量作業において、作業者の安全の確保について適切な措置を講じなければならない」です。第三者の安全は書かれていません。

では、航空法の許可・承認はどこで求められているのか。国土地理院の「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」(平成28年3月、平成29年3月改正)の第2条第2項です。

第2条(安全の確保) 安全の確保については、…準則第10条の規定を準用する。
2 作業機関は、UAVを飛行させるに当たり、航空法に基づく必要な許可又は承認を得るとともに、国土交通省航空局が定めるガイドラインに従って作業を行うものとする。

同条の【解説】は、国土地理院がこのマニュアルとは別に「公共測量におけるUAVの使用に関する安全基準(案)」を平成28年3月に示していると書いています。ただしこの安全基準(案)の原本は、確認時点で取得できていません。内容を確かめられていないため、この記事では根拠にしていません。また平成28年3月は、技能証明や機体認証の制度(2022年12月施行)ができる前です。航空法上の要件は、現行の航空法・施行規則・審査要領・解釈通達で確認してください。

結論:準則は「どう測るか」、航空法は「どう飛ぶか」。 準則を全部満たしても、DID上空・目視外・30m未満・150m以上・空港等周辺などに当たる飛び方をするなら、航空法の許可・承認は別に必要です。逆に、航空法の許可・承認を持っていても、準則の作業方法を外れた測量は公共測量の成果として通りません。2つは別の手続で、どちらか一方では済みません。許可・承認の全体像はドローンの飛行許可・承認申請 完全ガイドをご覧ください。

準則とマニュアル(案)の関係

準則には、定めのない技術を使うための仕組みが置かれています。第17条です。

条内容
第17条第1項計画機関は、必要な精度の確保及び作業能率の維持に支障がないと認められる場合には、この準則に定めのない機器及び作業方法を用いることができる
第17条第2項準則に定めのない新しい測量技術を使用する場合は、精度が確保できることを作業機関等からの検証結果等に基づき確認するとともに、あらかじめ国土地理院の長の意見を求める
第17条第3項国土地理院が新しい測量技術による測量方法に関するマニュアルを定めた場合は、当該マニュアルを前項の確認のための資料として使用することができる

「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」は、この枠組みのための資料でした。マニュアル第1条の【解説】に、こう書かれています。

本マニュアルは、作業規程の準則(平成20年国土交通省告示第413号、最終改正平成28年3月31日)に基づかない特例的な作業方法を公共測量で行う際に使用することを想定したものである。(マニュアル第1条【解説】)

そして現在、このマニュアルは国土地理院の「マニュアル・要領等のダウンロード」(最終更新日 2026年4月15日)で、「作業規程の準則に反映済みのマニュアル・要領等」の区分に置かれています。区分の冒頭には「『作業規程の準則』に反映されておりますので、そちらをご参照ください。」とあります。同じ区分に「UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)(令和2年3月改正)」も載っています。

国土地理院の「新しい測量技術を使用する場合の諸注意」(最終更新日 2026年4月8日)の書き方はもう少し具体的です。

以下のマニュアルは、すでに準則内に統合されています。統合にあたり、マニュアルの内容を一部見直す場合もありますので、これらのマニュアルについては、準則を用いるようにしてください。なお、マニュアルには具体的な作業内容が記載されていますので、参考資料としてご利用ください。

ここに「UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)」は挙がっていますが、「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」は挙がっていません。ただし、ダウンロードページの区分では反映済み側に置かれています。どちらのページでも、いま使うのは準則という位置づけは同じです。

マニュアル(案)の記述には、古くなった部分があります。 マニュアルの【序】4(本マニュアルの適用範囲)は「準則に記載されているGNSS/IMUをUAVに装備することは、現在は一般的でない。…UAVにレーザスキャナを搭載して行う測量も、準則第17条扱いとなる」と書いています。平成29年時点の記述です。令和5年3月の改正でUAVレーザ測量が準則本文(第4編第4章)に入ったため、この説明は現在の準則には当てはまりません。マニュアルを参考資料として読むときは、こうした時点のずれに注意が必要です。

なお、準則第17条第3項により国土地理院が定めたマニュアルを用いる場合は、公共測量実施計画書の「測量精度」欄にマニュアル名を明記することで、その手法で公共測量を実施できるとされています。

修正測量でもUAVの2方式が使える

新しく作るだけでなく、既存の数値地形図データを更新する修正測量(第3編第6章)にもUAVが入っています。第271条は修正測量の方法を11号挙げていて、そのうち2号がUAVです。

第271条の号方法作業方法を定める款
第五号UAV写真測量による修正第4節第5款(第284条・第285条)。修正データの取得は第4章第8節を準用
第八号UAVレーザ測量による修正第4節第8款(第290条・第291条)。修正データの取得は第4編第4章第6節第6款を準用

ほかの号は、TS等を用いる修正、キネマティック法、RTK法、ネットワーク型RTK法、空中写真測量、地上レーザ測量、車載写真レーザ測量、既成図を用いる方法、他の既成データを用いる方法です。第271条第2項は、これらを適切に組み合わせて修正を行うことができるとしています。修正測量の数値地形図データ修正の精度は、第270条第2項の表(レベル500なら水平位置の標準偏差0.35m以内 など)です。新規作成より緩い設定になっています。

公共測量でない測量と準則の関係

ここは誤解が生まれやすいところです。準則は公共測量のための規程です。第1条第2項が「この準則は、公共測量に適用する」と書いているだけで、それ以外の測量に適用する条文は置かれていません。民間の工事の出来形計測や、自社の敷地の測量に、準則が法的に適用されるわけではありません。

関連する条を2つ挙げます。

  • 第7条 計画機関は、法第10条の3に規定する測量業者以外の者に、この準則を適用して行う測量を請け負わせてはならない。「準則を適用して行う測量」という言い方になっていて、準則の適用が前提の場面を想定しています
  • 第9条第3項・第4項 主任技術者は登録された測量士、技術者として公共測量に従事する者は登録された測量士又は測量士補。これは測量法第48条第1項と同じ枠です
それでも準則の数値を知っておく意味はあります。 準則は、日本で公表されているUAV測量の作業方法の標準として最も整ったものです。地上画素寸法、重複度、標定点と検証点の配置、点密度、キャリブレーションの期限が条文の形で決まっています。公共測量でない案件でも、これらの数値を基準に精度を説明できることは実務上の強みになります。また、公共測量に当たるかどうかの判定は発注者(計画機関)側の問題であり、作業機関が思っているより広いことがあります。公共測量の範囲と手続は測量でドローンを使うのに必要な許可・承認と、公共測量のルールで整理しています。

準則を読むときの注意点

準用の連鎖をたどる必要がある

準則は、同じ内容を何度も書かない構造です。UAV写真点群測量の条を読むと、次のように他の条へ飛びます。

UAV写真点群測量の条準用する先
第414条(対空標識の規格、設置等)第137条(UAV写真測量)
第419条(使用するUAVの性能等)第142条(UAV写真測量)
第420条(デジタルカメラの性能等)第143条(UAV写真測量)
第422条(機器の点検及び撮影計画の確認)第146条(UAV写真測量)
第423条(撮影飛行)第147条(UAV写真測量)
第416条(標定点及び検証点の測定)第3編第2章第4節第2款(TS点の設置)、第117条、第372条第2項、第118条・第119条
第434条・第435条(断面図データ)第387条・第388条(地上レーザ測量)
第437条・第438条(品質評価・メタデータ)第44条・第45条(第2編)

「UAV写真点群測量の章だけ読めば足りる」という構造になっていません。準用先の条まで追わないと、機器の要件や飛行の標準が抜け落ちます。

語が似ていて内容が違う条がある

すでに触れたとおり、第142条第1号は「自律飛行機能」、第448条第2項第4号イは「自動飛行機能」です。UAVレーザ測量の第458条第2項が準用するのは第146条第2項と第147条第三号だけで、第147条第二号は入っていません。3方式を横断して要件を語るときは、条番号まで下りて確認するほうが安全です。

国土地理院のページどうしで記載が揃っていない箇所がある

準則の版について、2つのページで書き方が違います。「作業規程の準則について」(最終更新日 2025年4月15日)は最終一部改正を令和7年3月31日 国土交通省告示第240号としており、準則PDFの表紙の改正履歴とも一致します。一方「新しい測量技術を使用する場合の諸注意」(最終更新日 2026年4月8日)の冒頭は、準則を「平成20年3月31日国土交通省告示第413号(令和5年3月31日改正)」と書いたままです。版は、準則PDFの表紙で確認するのが確実です。

2026年12月3日の測量法改正で、準則第6条の引用がずれる

準則第6条(測量法に基づく手続)は、計画機関が行う手続として「法第39条において読み替えて準用する法第14条第1項、同条第2項(実施の公示)」を挙げています。ところが、2026年12月3日に施行される測量法の改正(令和8年法律第27号)で、法第39条の準用の起点が第14条から第15条に変わります。公共測量の実施と終了の通知は、新設される第36条の2に移ります。

つまり施行後は、準則第6条の引用が、測量法の条文の建て方と合わなくなります。準則を改正する予定は、確認時点で公表されていません。年末をまたぐ案件で準則第6条を根拠に手続の説明をするときは、測量法の側の現行条文を見に行く必要があります。改正後の手続の詳細は、所管の地方測量部に確認してください。

よくある質問

準則のどこを読めば、UAV測量の作業方法が分かりますか。
3か所です。UAV写真測量は第3編第3章(第131条〜第166条)、UAV写真点群測量は第4編第3章(第410条〜第439条)、UAVレーザ測量は第4編第4章(第440条〜第483条)です。あわせて第1編総則の第11条(作業計画の承認)・第13条(精度管理と点検測量率)・第16条(成果等の提出)・第17条(特例)も効きます。修正測量でUAVを使う場合は第3編第6章の第271条第五号・第八号と、第284条・第285条/第290条・第291条です。
UAV写真測量とUAV写真点群測量は、どう使い分けるのですか。
成果物が違います。UAV写真測量は数値地形図データを作る作業で、地図情報レベル250・500が標準です(第132条)。UAV写真点群測量は三次元点群データを作る作業で、位置精度0.05m/0.10m/0.20m以内のいずれかを選びます(第412条第2項)。点群測量には裸地等の対象物の認識が可能な区域に適用することを標準とするという制限があります(第410条第2項)。どちらを行うかは、計画機関が定める製品仕様書と要求仕様で決まります。
準則に従って作業計画を作れば、ドローンの飛行許可・承認は要りませんか。
要ります。準則の全文に「航空法」の語は1件もなく、準則に出てくる「許可」は2件とも対空標識を置く土地の所有者又は管理者の許可です(第137条第2項第1号・第176条第2項第1号)。第4条が挙げる遵守すべき法令も分野の列挙で、航空法を名指ししていません。一方、国土地理院の「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」第2条第2項は、作業機関に航空法に基づく必要な許可又は承認を得るよう定めています。準則は「どう測るか」、航空法は「どう飛ぶか」を決めるもので、別の手続です。
準則が「離着陸以外は自律飛行」を標準としているなら、目視外飛行の承認は不要ですか。
不要にはなりません。第147条第2号の「離着陸以外は、自律飛行で行うことを標準とする」は、計画したコースと対地高度を保って写真の精度を出すための作業方法の標準です。航空法の「目視」は、解釈通達3.(6)により操縦者本人が自分の目で見ることとされ、補助者の目視や専らモニターで見ることは含まれません。自動か手動かは定義に出てきません。自律飛行でも、操縦者が機体を肉眼で常に見ていなければ目視外飛行です。なお準則に「補助者」の語は1件もありません。
UAVレーザ測量は、ほかの2方式と何がいちばん違いますか。
仕様書のやり取りが工程に入っていることです。まず計画機関が成果品要求仕様書を作り(第444条)、これを受けて作業機関がボアサイトキャリブレーションと精度試験を行い(第449条)、成果品作業仕様書を作って計画機関の承認を得てから計測に入ります(第452条)。ボアサイトキャリブレーションと精度試験は測量作業前6か月以内が標準で、機器を取り外したり強い衝撃を与えたりした場合は再実施です。点検測量にも4つの方法が用意されています(第467条)。
「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」は、今も使うのですか。
国土地理院の「マニュアル・要領等のダウンロード」(最終更新日 2026年4月15日)で、このマニュアル(平成29年3月改正)は「作業規程の準則に反映済みのマニュアル・要領等」の区分に置かれ、「『作業規程の準則』に反映されておりますので、そちらをご参照ください」とされています。「新しい測量技術を使用する場合の諸注意」も、準則に統合されたマニュアルについては準則を用いるように案内し、マニュアルは具体的な作業内容が分かる参考資料という位置づけにしています。マニュアルの記述には古くなった部分(UAVレーザ測量を準則第17条扱いとする説明など)があります。
民間の測量でも、準則に従わなければいけませんか。
準則は第1条第2項で「この準則は、公共測量に適用する」としており、公共測量以外の測量に適用する条文は置かれていません。したがって、公共測量でない測量に準則が法的に適用されるわけではありません。ただし、準則は公表されているUAV測量の作業方法として最も整ったものなので、精度を説明する基準として使う実務上の意味はあります。また、その測量が公共測量に当たるかどうかは測量法第5条と同法施行令第1条で決まり、判断するのは計画機関の側です。
対空標識を置くときは、土地の所有者の許可だけ取れば足りますか。
準則が求めているのは第137条第2項第1号の土地の所有者又は管理者の許可です。ただし準則は、離着陸場所や上空の飛行について何も定めていません。他人の土地の上空を撮影コースが通ることについて、政府は同意が必要となる高さに一律の基準は存在しないと整理しています。公共測量のための土地への立入りは測量法第15条(第39条で公共測量に準用)に規定があり、宅地やかき・さく等で囲まれた土地に立ち入るときは、あらかじめ占有者に通知します。国有林なら入林の手続も別に必要です。
測量専用の航空局標準マニュアルはありますか。
ありません。国土交通省の飛行許可・承認手続のページに載っている航空局標準マニュアルは、一般用の01・02、空中散布、研究開発、インフラ点検の01・02、レベル3.5などです。測量では一般用の標準マニュアル01(場所を特定した申請)か02(場所を特定しない申請)を使うか、独自のマニュアルを作ることになります。独自マニュアルを作るべき場面は独自の飛行マニュアルを作るべきときと作り方、業種専用マニュアルがある場合の違いはインフラ点検専用の標準マニュアルがある。一般版との違いで扱っています。
準則の点検測量率は、どの数字を見ればよいですか。
第13条第4項の表です。地形測量及び写真測量のうち数値地形図データ作成は2パーセント、三次元点群データ作成は5パーセントが標準です。UAV写真測量は前者、UAV写真点群測量とUAVレーザ測量は後者に当たります。UAVレーザ測量はこれに加えて、第467条のオリジナルデータの点検測量(4方法のいずれか)があります。点検測量の許容範囲は計画機関の指示によります(第13条第3項)。
本記事は2026年9月27日時点の情報です。 作業規程の準則は国土交通省告示で、これまで平成23年・平成25年・平成28年・令和2年・令和5年・令和7年と一部改正が重ねられています。条番号は改正でずれることがあるため、実際の作業では必ず準則の全文PDFで条文を確認してください。測量法は2026年12月3日に公共測量の手続の一部が変わる予定で、準則第6条の引用がこれに追随するかは確認時点で公表されていません。航空法の許可・承認の要否は準則とは別に判断が必要で、審査要領や解釈通達は通達のため短い手続で改正されることがあります。

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