機体認証の手数料。型式認証の有無で桁が変わる
機体認証の手数料は、その機体が型式認証を取得している型式かどうかで最初に分かれます。分かれ方は数割ではなく桁です。 国が検査を行う場合の第一種機体認証は、新品で型式認証取得済なら44,000円、型式認証未取得なら1,481,200円〜1,590,300円。第二種は、新品で型式認証取得済なら3,100円、未取得なら284,900円〜992,900円です。 つまり「どの機体で認証を取るか」を決めた時点で、国に納める額はほぼ決まります。この記事は、国土交通省が公表している機体認証等の手数料額を、第一種・第二種、新品・中古、新規・更新、改造の有無の区分ごとにそのまま表にしたものです。 機体の価格や性能の話はしません。ここに載せるのは国に納める手数料だけです。
国土交通省 機体認証等に係る手数料額教則 第5版 3.1.1(2)4) / 手数料額手数料額 / 施行規則第236条の72手数料は「型式認証の有無」で最初に分かれる
機体認証は、無人航空機の設計・製造過程・現状が安全基準に適合するかを検査して行われます(航空法第132条の13第4項)。検査を行うのは国または登録検査機関(国が登録した民間の検査機関)です。この記事に載せる金額は、国が検査を行う場合の手数料額です。
型式認証は、無人航空機の設計及び製造過程について行われる別の認証です(同第132条の16)。すでに型式認証を受けた型式の機体については、機体認証における設計及び製造過程の検査の全部又は一部が省略されます(同第132条の13第5項・第6項)。手数料の桁の差は、この省略の有無に対応しています。
第一種機体認証の手数料(全区分)
第一種機体認証は「立入管理措置を講ずることなく行う特定飛行の用に供する無人航空機」に対する認証です(航空法第132条の13第2項)。有効期間は1年です。
| 区分 | 1機目 | 同時申請の2機目以降 |
|---|---|---|
| 新規・新品 第一種型式認証 取得済 |
44,000円 | 43,400円 |
| 新規・新品 型式認証 未取得 (特定空域を含む) |
1,590,300円 | — |
| 新規・新品 型式認証 未取得 (特定空域を含まない) |
1,481,200円 | — |
| 新規・中古 型式認証 取得済 |
49,600円 | 49,000円 |
| 新規・中古 型式認証 未取得(特定空域を含む) |
1,592,200円 | — |
| 新規・中古 型式認証 未取得(特定空域を含まない) |
1,483,100円 | — |
| 更新・型式認証 取得済 | 49,600円 | 49,000円 |
| 更新・型式認証 未取得・改造なし | 49,600円 | — |
| 更新・型式認証 未取得・改造あり(特定空域を含む) | 141,100円 | — |
| 更新・型式認証 未取得・改造あり(特定空域を含まない) | 135,700円 | — |
この表で読み落としやすいのが更新の行です。新規で1,481,200円を納めた型式認証未取得の機体でも、改造がなければ更新は49,600円で、型式認証取得済の更新(49,600円)と同額になります。逆に改造を加えていれば135,700円または141,100円になります。第一種の有効期間は1年ですから、この額が毎年、機体ごとに発生する前提で見てください。
第二種機体認証の手数料(新規)
第二種機体認証は「立入管理措置を講じた上で行う特定飛行の用に供する無人航空機」に対する認証です。有効期間は3年です。カテゴリーⅡで許可・承認を不要にするルートで使われるのは、こちらの区分です。
| 区分 | 重量 | 1機目 | 2機目以降 |
|---|---|---|---|
| 新品・第二種型式認証 取得済 | 区分なし | 3,100円 | 2,450円 |
| 新品・型式認証 未取得 | 4kg未満 | 284,900円 | — |
| 新品・型式認証 未取得 | 4kg以上25kg未満 | 418,800円 | — |
| 新品・型式認証 未取得 (航空法第132条の86第2項第1号から第4号までのいずれにも該当する方法) |
25kg以上 | 835,600円 | — |
| 新品・型式認証 未取得 (その他の方法) |
25kg以上 | 992,900円 | — |
| 中古・型式認証 取得済 型式認証を受けた者による整備あり |
区分なし | 8,200円 | 7,500円 |
| 中古・型式認証 取得済 整備なし |
区分なし | 49,600円 | 49,000円 |
| 中古・型式認証 未取得 | 4kg未満 | 286,800円 | — |
| 中古・型式認証 未取得 | 4kg以上25kg未満 | 420,700円 | — |
| 中古・型式認証 未取得 | 25kg以上 | 837,500円/994,800円 (方法の区分による) |
— |
第二種で目立つのは3,100円と284,900円の差です。同じ4kg未満の新品でも、型式認証を取得している型式かどうかで約92倍になります。第一種より倍率は小さいものの、絶対額の差は小さくありません。
第二種機体認証の手数料(更新)
第二種の有効期間は3年です。更新時の区分は、型式認証の有無に加えて整備の有無と改造の有無が効きます。
| 区分 | 条件 | 1機目 | 2機目以降 |
|---|---|---|---|
| 型式認証 取得済 | 整備あり | 8,200円 | 7,500円 |
| 型式認証 取得済 | 整備なし | 49,600円 | 49,000円 |
| 型式認証 未取得・改造なし | 設計・製造をした者による整備あり | 8,200円 | — |
| 型式認証 未取得・改造なし | 整備なし | 49,600円 | — |
| 型式認証 未取得・改造あり | 4kg未満 | 93,300円 | — |
| 型式認証 未取得・改造あり | 4kg以上25kg未満 | 100,000円 | — |
| 型式認証 未取得・改造あり | 25kg以上 | 115,600円/120,000円 (方法の区分による) |
— |
更新の表で読み取っておきたいのは、型式認証を取得していない機体でも、改造がなく整備がなされていれば更新は8,200円という点です。桁が変わるのは新規のときで、更新のサイクルに入れば差は縮まります。ただし改造を加えた時点で、更新の額は10万円前後に跳ね上がります。機体に手を入れる運用をしている事業者は、この行を先に見ておく価値があります。
| その他 | 金額 |
|---|---|
| 機体認証書の再交付 | 1,650円 |
「特定空域」とは何か
第一種の手数料表にだけ現れる区分が「特定空域を含む/含まない」です。国土交通省の手数料額の記載では、次のように定義されています。
ここで注意が必要なのは、これが航空法上の飛行禁止空域である「人口集中地区(DID)」と同じ定義ではないことです。DIDは航空法第132条の85第1項第2号および施行規則第236条の72に基づくもので、「国土交通大臣が告示で定める年の国勢調査の結果による人口集中地区」と定義されています。手数料表の「特定空域」は人口密度の数値で定義されており、条文上の別概念です。手数料の区分を判断するときにDIDの地図を当てはめないでください。
金額差としては、第一種・新規・新品の型式認証未取得で1,590,300円(特定空域を含む)と1,481,200円(含まない)の109,100円差、更新・改造ありで141,100円と135,700円の5,400円差です。桁を動かしているのは型式認証の有無であって、特定空域の有無ではありません。
型式認証を取得している型式は、いま何件あるか
手数料が桁で変わる以上、実務上の問いは「型式認証を取得している型式は、そもそもどれだけあるのか」に移ります。国土交通省は「型式認証を取得している無人航空機一覧」を公表しています。
| 区分 | 公表されている件数 | 基準日 |
|---|---|---|
| 第一種型式認証 | 1件(第1号のみ) | 令和8年6月19日現在 |
| 第二種型式認証 | 第1号から第13号まで |
この件数が、手数料の話を現実の選択肢に落とし込みます。第一種型式認証を取得している型式は公表リスト上1件のみであり、それ以外の機体で第一種機体認証を取ろうとすれば、型式認証未取得の区分(1,481,200円〜1,590,300円)に入ります。第二種は第1号から第13号までが公表されており、マルチローター・回転翼(その他)・ヘリコプターの種類、4kg未満/4kg以上25kg未満/25kg以上の重量区分にまたがっています。各型式の名称・保有者・種類・重量区分・有効期間の満了日は型式認証を取得している機体の一覧にまとめました。
型式認証そのものの手数料について
なお、型式認証を申請するのは通常、機体を設計・製造する側です。機体を購入して使う事業者が直接納めるのは、この記事に掲載した機体認証の手数料のほうになります。
型式認証は、無人航空機の設計及び製造過程について、安全基準および均一性基準に適合するかを検査して行われます。第一種型式認証は立入管理措置を講じずに行う特定飛行に資する型式、第二種型式認証は立入管理措置を講じた上で行う特定飛行に資する型式が対象で、認証にあたっては経済産業大臣への事前の意見聴取が必要とされています(航空法第132条の16)。型式認証を受けた機体には型式認証書番号・型式・製造番号が表示されます。
この表に含まれない費用
この記事の数字は国に納める機体認証等の手数料に限られます。総額を見積もるなら、次のものが別に発生します。
| 項目 | この記事での扱い |
|---|---|
| 機体の購入費 | 扱いません。機体の価格・性能の比較は本サイトでは行いません |
| 技能証明の取得にかかる費用 | 指定試験機関の試験手数料、技能証明書の交付手数料など、別制度の手数料として発生します |
| 登録講習機関の受講料 | 国は金額を定めていません。各機関が自由に設定しています。更新講習も「機関毎に定められた手数料額」と国土交通省資料に明記されています |
| 機体登録の手数料 | 機体認証とは別制度です。電子申請でマイナンバーカードの利用者証明用電子証明書を送信する場合は1機目900円など、申請方法と本人確認の方法によって額が異なります |
| 登録検査機関を利用する場合の費用 | この記事の金額は国が検査を行う場合のものです。登録検査機関を利用する場合の費用は本記事では扱いません |
また、機体認証を取っても飛行計画の通報・飛行日誌・事故の報告は残ります。安くなるかどうかは、手数料の額だけでなく、自社の飛行がどの範囲に収まるかで決まります。判断の枠組みは認証機体を買うか、許可・承認で回すかにまとめました。
比較の対象となる「申請を取り続ける側」のコストは、金額よりも事務の量と締切として現れます。包括申請の設計は包括申請とは:個別申請との違いと使い分け、更新の窓は包括申請の更新:40開庁日前から10開庁日前までの窓で扱っています。認証制度そのものの流れは機体認証とは:第一種・第二種の違いと検査の流れ、カテゴリーの分かれ目は立入管理措置とは:カテゴリーⅡとⅢを分ける線、飛行後に残る記録は飛行日誌の書き方:3つの記録と保管の考え方をご覧ください。
よくある質問
- 国土交通省|機体認証等に係る手数料額(PDF)
- 国土交通省|無人航空機の機体認証・型式認証等
- 国土交通省|型式認証を取得している無人航空機一覧(令和8年6月19日現在)(PDF)
- e-Gov法令検索|航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第132条の13・第132条の16
- e-Gov法令検索|航空法施行規則(昭和二十七年運輸省令第五十六号)
- e-Gov法令検索|航空法関係手数料令(平成九年政令第二百八十四号)
- 国土交通省|無人航空機の飛行の安全に関する教則 第5版(令和8年7月7日)(PDF)
- 国土交通省|無人航空機登録要領(PDF)
- 国土交通省|技能証明の更新制度及び登録更新講習機関制度について(PDF)
- 国土交通省|無人航空機に係る規制の運用における解釈について(解釈通達)(PDF)
- 国土交通省|無人航空機の飛行許可・承認手続