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機体認証の手数料。型式認証の有無で桁が変わる

公開 2026-09-09 更新 2026-10-11 読了 約13分

機体認証の手数料は、その機体が型式認証を取得している型式かどうかで最初に分かれます。分かれ方は数割ではなく桁です。 国が検査を行う場合の第一種機体認証は、新品で型式認証取得済なら44,000円、型式認証未取得なら1,481,200円〜1,590,300円。第二種は、新品で型式認証取得済なら3,100円、未取得なら284,900円〜992,900円です。 つまり「どの機体で認証を取るか」を決めた時点で、国に納める額はほぼ決まります。この記事は、国土交通省が公表している機体認証等の手数料額を、第一種・第二種、新品・中古、新規・更新、改造の有無の区分ごとにそのまま表にしたものです。 機体の価格や性能の話はしません。ここに載せるのは国に納める手数料だけです。

よく見る説明と、公式の記載
手数料は区分が細かく、要約の過程で落ちる条件が多い項目です。国土交通省が公表している手数料額の記載と突き合わせます。
よく見る説明機体認証の手数料は、機体の重さで決まる。
公式にはこう最初に分かれるのは型式認証の有無です。重量区分(4kg未満/4kg以上25kg未満/25kg以上)が効くのは第二種で型式認証を取得していない場合で、取得済なら重量にかかわらず新品3,100円です。
出典 国土交通省 機体認証等に係る手数料額
よく見る説明型式認証を取得している機体なら、手数料は数千円で以後は不要。
公式にはこう機体認証には有効期間があり、第一種は1年、第二種は3年です。更新のたびに手数料が発生し、更新は取得済でも第一種49,600円、第二種は整備の有無で8,200円または49,600円です。
出典 教則 第5版 3.1.1(2)4) / 手数料額
よく見る説明手数料表の「特定空域」は、人口集中地区(DID)のこと。
公式にはこう手数料表の特定空域は「人口密度が1km²当たり1万5千人以上の区域の上空を含む空域」と定義されています。航空法の飛行禁止空域であるDIDは国勢調査の結果による人口集中地区で、別の定義です。
出典 手数料額 / 施行規則第236条の72

手数料は「型式認証の有無」で最初に分かれる

機体認証は、無人航空機の設計・製造過程・現状が安全基準に適合するかを検査して行われます(航空法第132条の13第4項)。検査を行うのは国または登録検査機関(国が登録した民間の検査機関)です。この記事に載せる金額は、国が検査を行う場合の手数料額です。

型式認証は、無人航空機の設計及び製造過程について行われる別の認証です(同第132条の16)。すでに型式認証を受けた型式の機体については、機体認証における設計及び製造過程の検査の全部又は一部が省略されます(同第132条の13第5項・第6項)。手数料の桁の差は、この省略の有無に対応しています。

その機体の型式は、型式認証を取得しているか。国土交通省が型式認証を取得している無人航空機の一覧を公表している
取得している → 設計・製造過程の検査が省略され、手数料は第一種44,000円/第二種3,100円(いずれも新規・新品・1機目)の水準になる
取得していない → 設計から検査することになり、手数料は第一種で1,481,200円〜1,590,300円、第二種で284,900円〜992,900円(いずれも新規・新品)の水準になる
次に、新品か中古かを見る。中古は現状の検査が加わるため、同じ区分でも金額が上がる
次に、1機目か2機目以降かを見る。型式認証取得済の区分には同時申請の2機目以降の割引額が設定されている
更新のときは、改造の有無と整備の有無が効く。とくに型式認証未取得機の更新は、改造の有無で額が大きく変わる

第一種機体認証の手数料(全区分)

第一種機体認証は「立入管理措置を講ずることなく行う特定飛行の用に供する無人航空機」に対する認証です(航空法第132条の13第2項)。有効期間は1年です。

区分1機目同時申請の2機目以降
新規・新品
第一種型式認証 取得済
44,000円 43,400円
新規・新品
型式認証 未取得
(特定空域を含む)
1,590,300円 —
新規・新品
型式認証 未取得
(特定空域を含まない)
1,481,200円 —
新規・中古
型式認証 取得済
49,600円 49,000円
新規・中古
型式認証 未取得(特定空域を含む)
1,592,200円 —
新規・中古
型式認証 未取得(特定空域を含まない)
1,483,100円 —
更新・型式認証 取得済 49,600円 49,000円
更新・型式認証 未取得・改造なし 49,600円 —
更新・型式認証 未取得・改造あり(特定空域を含む) 141,100円 —
更新・型式認証 未取得・改造あり(特定空域を含まない) 135,700円 —

この表で読み落としやすいのが更新の行です。新規で1,481,200円を納めた型式認証未取得の機体でも、改造がなければ更新は49,600円で、型式認証取得済の更新(49,600円)と同額になります。逆に改造を加えていれば135,700円または141,100円になります。第一種の有効期間は1年ですから、この額が毎年、機体ごとに発生する前提で見てください。

第一種が要るのはどういう場合か:第一種機体認証は、立入管理措置を講じないで行う特定飛行、すなわちカテゴリーⅢ飛行のための区分です。カテゴリーⅢは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合であっても、あらかじめ国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受けることが別途必要です(航空法第132条の85第1項・第2項)。第一種を取っても申請は不要になりません。この切り分けは認証機体を買うか、許可・承認で回すかで詳しく扱っています。

第二種機体認証の手数料(新規)

第二種機体認証は「立入管理措置を講じた上で行う特定飛行の用に供する無人航空機」に対する認証です。有効期間は3年です。カテゴリーⅡで許可・承認を不要にするルートで使われるのは、こちらの区分です。

区分重量1機目2機目以降
新品・第二種型式認証 取得済 区分なし 3,100円 2,450円
新品・型式認証 未取得 4kg未満 284,900円 —
新品・型式認証 未取得 4kg以上25kg未満 418,800円 —
新品・型式認証 未取得
(航空法第132条の86第2項第1号から第4号までのいずれにも該当する方法)
25kg以上 835,600円 —
新品・型式認証 未取得
(その他の方法)
25kg以上 992,900円 —
中古・型式認証 取得済
型式認証を受けた者による整備あり
区分なし 8,200円 7,500円
中古・型式認証 取得済
整備なし
区分なし 49,600円 49,000円
中古・型式認証 未取得 4kg未満 286,800円 —
中古・型式認証 未取得 4kg以上25kg未満 420,700円 —
中古・型式認証 未取得 25kg以上 837,500円/994,800円
(方法の区分による)
—

第二種で目立つのは3,100円と284,900円の差です。同じ4kg未満の新品でも、型式認証を取得している型式かどうかで約92倍になります。第一種より倍率は小さいものの、絶対額の差は小さくありません。

中古で「整備あり」が効くのは、型式認証取得済の場合だけです。中古・型式認証取得済の区分は、型式認証を受けた者による整備があるかで8,200円と49,600円に分かれます。中古機を取得する場合、この整備の有無が金額に直結します。

第二種機体認証の手数料(更新)

第二種の有効期間は3年です。更新時の区分は、型式認証の有無に加えて整備の有無と改造の有無が効きます。

区分条件1機目2機目以降
型式認証 取得済 整備あり 8,200円 7,500円
型式認証 取得済 整備なし 49,600円 49,000円
型式認証 未取得・改造なし 設計・製造をした者による整備あり 8,200円 —
型式認証 未取得・改造なし 整備なし 49,600円 —
型式認証 未取得・改造あり 4kg未満 93,300円 —
型式認証 未取得・改造あり 4kg以上25kg未満 100,000円 —
型式認証 未取得・改造あり 25kg以上 115,600円/120,000円
(方法の区分による)
—

更新の表で読み取っておきたいのは、型式認証を取得していない機体でも、改造がなく整備がなされていれば更新は8,200円という点です。桁が変わるのは新規のときで、更新のサイクルに入れば差は縮まります。ただし改造を加えた時点で、更新の額は10万円前後に跳ね上がります。機体に手を入れる運用をしている事業者は、この行を先に見ておく価値があります。

その他金額
機体認証書の再交付1,650円

「特定空域」とは何か

第一種の手数料表にだけ現れる区分が「特定空域を含む/含まない」です。国土交通省の手数料額の記載では、次のように定義されています。

特定空域=人口密度が1km2当たり1万5千人以上の区域の上空を含む空域。

ここで注意が必要なのは、これが航空法上の飛行禁止空域である「人口集中地区(DID)」と同じ定義ではないことです。DIDは航空法第132条の85第1項第2号および施行規則第236条の72に基づくもので、「国土交通大臣が告示で定める年の国勢調査の結果による人口集中地区」と定義されています。手数料表の「特定空域」は人口密度の数値で定義されており、条文上の別概念です。手数料の区分を判断するときにDIDの地図を当てはめないでください。

金額差としては、第一種・新規・新品の型式認証未取得で1,590,300円(特定空域を含む)と1,481,200円(含まない)の109,100円差、更新・改造ありで141,100円と135,700円の5,400円差です。桁を動かしているのは型式認証の有無であって、特定空域の有無ではありません。

DIDの除外区域について、よくある誤りがあります。 2026年7月1日から、用途地域の「工業専用地域」はDIDの許可の対象外になりました(国土交通省告示第435号)。工業地域・準工業地域は対象外になりません。(2026年9月13日追記)また、人口集中地区内の私有地における飛行であっても、人口集中地区内である限り飛行の禁止空域に該当します。手数料の話とは別ですが、同じ「人口」という語が出てくるため混同されやすい論点です。

型式認証を取得している型式は、いま何件あるか

手数料が桁で変わる以上、実務上の問いは「型式認証を取得している型式は、そもそもどれだけあるのか」に移ります。国土交通省は「型式認証を取得している無人航空機一覧」を公表しています。

区分公表されている件数基準日
第一種型式認証1件(第1号のみ)令和8年6月19日現在
第二種型式認証第1号から第13号まで

この件数が、手数料の話を現実の選択肢に落とし込みます。第一種型式認証を取得している型式は公表リスト上1件のみであり、それ以外の機体で第一種機体認証を取ろうとすれば、型式認証未取得の区分(1,481,200円〜1,590,300円)に入ります。第二種は第1号から第13号までが公表されており、マルチローター・回転翼(その他)・ヘリコプターの種類、4kg未満/4kg以上25kg未満/25kg以上の重量区分にまたがっています。各型式の名称・保有者・種類・重量区分・有効期間の満了日は型式認証を取得している機体の一覧にまとめました。

型式認証の有効期間は3年です(2026年10月11日訂正)。航空法第132条の16第6項は有効期間を「国土交通大臣が定める」とするのみですが、航空法施行規則第236条の27が「三年とする」と定めており、第一種・第二種の区別はありません。起算日は型式認証書を交付する日で、満了日の1月前から満了日までの間に新たに型式認証書が交付される場合は満了日の翌日から起算します(同第236条の28)。なお公表リストの日付欄は「初回認証日」なので、更新を経た型式では満了日との差が3年を超えて見えます。型式認証の満了は、その型式を使って機体認証を取る側の前提条件になります。

型式認証そのものの手数料について

型式認証そのものの手数料額は、この記事では書きません。 国土交通省が型式認証等に係る手数料額の一覧を公表していること、およびそのPDFの所在は判明していますが、本記事の執筆時点で内容を一次ソースで展開して確認できていません。確認できていない金額を書くことはしません。
なお、型式認証を申請するのは通常、機体を設計・製造する側です。機体を購入して使う事業者が直接納めるのは、この記事に掲載した機体認証の手数料のほうになります。

型式認証は、無人航空機の設計及び製造過程について、安全基準および均一性基準に適合するかを検査して行われます。第一種型式認証は立入管理措置を講じずに行う特定飛行に資する型式、第二種型式認証は立入管理措置を講じた上で行う特定飛行に資する型式が対象で、認証にあたっては経済産業大臣への事前の意見聴取が必要とされています(航空法第132条の16)。型式認証を受けた機体には型式認証書番号・型式・製造番号が表示されます。

この表に含まれない費用

この記事の数字は国に納める機体認証等の手数料に限られます。総額を見積もるなら、次のものが別に発生します。

項目この記事での扱い
機体の購入費 扱いません。機体の価格・性能の比較は本サイトでは行いません
技能証明の取得にかかる費用 指定試験機関の試験手数料、技能証明書の交付手数料など、別制度の手数料として発生します
登録講習機関の受講料 国は金額を定めていません。各機関が自由に設定しています。更新講習も「機関毎に定められた手数料額」と国土交通省資料に明記されています
機体登録の手数料 機体認証とは別制度です。電子申請でマイナンバーカードの利用者証明用電子証明書を送信する場合は1機目900円など、申請方法と本人確認の方法によって額が異なります
登録検査機関を利用する場合の費用 この記事の金額は国が検査を行う場合のものです。登録検査機関を利用する場合の費用は本記事では扱いません
「機体認証を取れば安くなる」とは言えません。 機体認証を取得して許可・承認の申請を不要にできるのは、カテゴリーⅡ飛行のうち一定の条件をすべて満たす場合だけです。空港等周辺・高度150m以上・催し場所上空・危険物輸送・物件投下・総重量25kg以上は対象外で、これらは個別の許可・承認が必要なまま残ります。
また、機体認証を取っても飛行計画の通報・飛行日誌・事故の報告は残ります。安くなるかどうかは、手数料の額だけでなく、自社の飛行がどの範囲に収まるかで決まります。判断の枠組みは認証機体を買うか、許可・承認で回すかにまとめました。

比較の対象となる「申請を取り続ける側」のコストは、金額よりも事務の量と締切として現れます。包括申請の設計は包括申請とは:個別申請との違いと使い分け、更新の窓は包括申請の更新:40開庁日前から10開庁日前までの窓で扱っています。認証制度そのものの流れは機体認証とは:第一種・第二種の違いと検査の流れ、カテゴリーの分かれ目は立入管理措置とは:カテゴリーⅡとⅢを分ける線、飛行後に残る記録は飛行日誌の書き方:3つの記録と保管の考え方をご覧ください。

よくある質問

機体認証の手数料は、いくらくらい見ておけばよいですか。
機体が型式認証を取得している型式かどうかで桁が変わります。国が検査を行う場合、新規・新品で第一種型式認証取得済なら44,000円、型式認証未取得なら1,481,200円(特定空域を含まない)または1,590,300円(含む)です。第二種は、新規・新品で型式認証取得済なら3,100円、未取得なら4kg未満284,900円/4kg以上25kg未満418,800円/25kg以上835,600円または992,900円です。
同じ機種を複数台まとめて申請すると安くなりますか。
型式認証取得済の区分には、同時申請の2機目以降の額が設定されています。第一種・新規・新品なら1機目44,000円に対し2機目以降43,400円、第二種・新品なら1機目3,100円に対し2機目以降2,450円です。中古・型式認証取得済も同様に、整備ありで8,200円/7,500円、整備なしで49,600円/49,000円という設定があります。型式認証未取得の区分には、2機目以降の額の設定は掲載されていません。
機体認証は一度取れば、追加の手数料はかかりませんか。
かかります。機体認証には有効期間があり、第一種は1年、第二種は3年です(教則 第5版 3.1.1(2)4))。更新のたびに手数料が発生します。第一種の更新は型式認証取得済で49,600円(2機目以降49,000円)、第二種の更新は型式認証取得済で整備ありなら8,200円(同7,500円)、整備なしなら49,600円(同49,000円)です。第一種は毎年、機体ごとに発生する点に注意してください。
機体を改造していると、更新の手数料は変わりますか。
変わります。第一種・更新・型式認証未取得の場合、改造なしなら49,600円ですが、改造ありでは135,700円(特定空域を含まない)または141,100円(含む)になります。第二種・更新・型式認証未取得でも、改造なしなら整備ありで8,200円/整備なしで49,600円ですが、改造ありでは4kg未満93,300円、4kg以上25kg未満100,000円、25kg以上115,600円または120,000円になります。
手数料表の「特定空域」とは何ですか。DIDのことですか。
別の定義です。手数料額の記載では、特定空域は「人口密度が1km2当たり1万5千人以上の区域の上空を含む空域」とされています。一方、航空法上の飛行禁止空域である人口集中地区(DID)は、施行規則第236条の72により「国土交通大臣が告示で定める年の国勢調査の結果による人口集中地区」と定義されています。手数料の区分判断にDIDの地図をそのまま当てはめることはできません。
型式認証を取るのにいくらかかりますか。
本記事では金額を書きません。国土交通省が型式認証等に係る手数料額の一覧を公表していること、およびその所在は判明していますが、執筆時点で内容を一次ソースで確認できていないためです。なお、型式認証を申請するのは通常、機体を設計・製造する側です。機体を購入して使う事業者が直接納めるのは、機体認証の手数料のほうになります。
型式認証を取得している機体は、どれくらいありますか。
国土交通省が公表している一覧では、令和8年6月19日現在で第一種型式認証が1件(第1号のみ)、第二種型式認証が第1号から第13号までです。第一種は選択肢が限られており、それ以外の機体で第一種機体認証を取ろうとすれば型式認証未取得の区分(1,481,200円〜1,590,300円)に入ります。各型式の内訳は型式認証を取得している機体の一覧をご覧ください。
機体認証を取れば、トータルの費用は下がりますか。
この記事の数字だけでは判断できません。掲載しているのは国に納める機体認証等の手数料のみで、機体の購入費、技能証明の取得にかかる費用、登録講習機関の受講料(国は金額を定めておらず、各機関が自由に設定)、機体登録の手数料は別に発生します。また、機体認証で許可・承認を不要にできるのはカテゴリーⅡ飛行のうち一定の条件をすべて満たす場合だけで、飛行計画の通報・飛行日誌・事故の報告は残ります。
本記事は2026年10月11日時点の情報です。 手数料額および型式認証の公表一覧は改定・追加が続いている項目です(2026年10月11日に手数料額一覧PDFと型式認証取得機体の一覧PDFを再取得し、掲載値がいずれも現行のままであることを確認しています)。金額は国土交通省が公表している機体認証等に係る手数料額(国が検査を行う場合)に基づいています。実際の申請前に、必ず上記の一次ソースで最新の内容をご確認ください。

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