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工業専用地域は、DIDの中でもDIDの飛行許可が要らなくなった

公開 2026-09-13 更新 2026-09-13 読了 約14分

2026年(令和8年)7月1日から、都市計画法の用途地域「工業専用地域」は、人口集中地区(DID)の中にあってもDIDの飛行許可が不要になりました。根拠は国土交通省告示第435号です。国土交通省は、許可が必要な地域を「人口集中地区(DID)- 工業専用地域」と説明しています。 ただし、対象は工業専用地域だけです。工業地域・準工業地域は対象外で、工場やコンビナートが並んでいる場所ならどこでもよい、という話ではありません。また、要らなくなるのはDIDの許可だけです。夜間・目視外・人や物件から30m未満などの承認、空港等の周辺や150m以上の許可は、工業専用地域でも従来どおり必要です。 この記事では、工場・プラント・倉庫で点検や撮影を行う事業者と、それを発注する設備管理者に向けて、告示の原文、対象になる場所の調べ方、変わらないもの、申請書への書き方を一次ソースで整理します。

よく見る説明と、公式の記載
告示の適用前に書かれた説明が、今もそのまま残っていることがあります。この記事で扱う範囲について、一次ソースの記載と突き合わせます。
よく見る説明工場地帯やコンビナートなら、DIDの中でも許可が要らなくなった。
公式にはこう除かれるのは、都市計画法第8条第1項第1号の「工業専用地域」内の区域だけです。同じ用途地域でも工業地域・準工業地域は除かれません。見た目が工場地帯かどうかではなく、用途地域で決まります。
出典 国土交通省告示第435号
よく見る説明工業専用地域なら、ドローンの許可も承認も要らない。
公式にはこう不要になるのは「人又は家屋の密集している地域」の飛行許可だけです。夜間・目視外・30m未満などの承認は残ります。解釈通達は、30mを保つべき物件の例に工場・倉庫・変電所・港湾のクレーンを挙げています。
出典 解説資料(告示第435号)/解釈通達 3.(7)
よく見る説明解釈通達に「除外する地域として告示で定める地域はない」とあるから、DIDの中は例外なく許可が要る。
公式にはこうその記述は、告示の適用日(7月1日)より前の令和8年4月1日改正の通達に書かれたものです。国土交通省の飛行ルールのページは、告示第435号の区域について「『人又は家屋の密集している地域』の飛行許可は不要となります」と案内しています。
出典 国土交通省「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」

何が変わったか:告示第435号の原文と条文の構造

DIDの上空を飛ばすときに許可が必要になるのは、航空法第132条の85第1項第2号が「国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空」を飛行の禁止空域にしているためです。その「国土交通省令で定める」地域を決めているのが、航空法施行規則第236条の72です。

施行規則第236条の72(原文):「法第百三十二条の八十五第一項第二号の国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域は、国土交通大臣が告示で定める年の国勢調査の結果による人口集中地区(地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通大臣が告示で定める区域を除く。)とする。」

この括弧書きの「告示で定める区域」は、これまで1つも指定されていませんでした。そこを初めて指定したのが告示第435号です。原文は次のとおりです。

国土交通省告示第四百三十五号(原文):「航空法施行規則(昭和二十七年運輸省令第五十六号)第二百三十六条の七十二の規定に基づき、地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通大臣が告示で定める区域を次のように定め、令和八年七月一日から適用する。」
「航空法施行規則第二百三十六条の七十二の地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通大臣が告示で定める区域は、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号の工業専用地域内の区域とする。」
(令和八年三月三十一日 国土交通大臣)
階層定めていること
航空法 第132条の85第1項第2号「国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空」を飛行の禁止空域にする
航空法施行規則 第236条の72その地域=国勢調査の結果による人口集中地区。ただし「告示で定める区域を除く」
国土交通省告示 第435号除く区域=都市計画法第8条第1項第1号の工業専用地域内の区域(令和8年7月1日から適用)
結果許可が必要な地域=人口集中地区(DID)- 工業専用地域(国土交通省の解説資料の表現)

つまり工業専用地域は、DIDの地図で色が付いていても、法令上は「人又は家屋の密集している地域」に当たらないことになりました。国土交通省の解説資料は「工業専用地域を飛行する場合は、人口集中地区(DID)に該当する場所であっても『人又は家屋の密集している地域』の飛行許可は不要です。」と書いています。

告示から適用までの流れ

日付出来事
2026年3月31日国土交通省告示第435号(告示日)
2026年4月1日解釈通達の改正(国空無機第350041号)。この版には「※現在、人又は家屋の密集している地域から除外する地域として告示で定める地域はない。」と書かれている
2026年6月30日国土交通省の飛行許可・承認手続ページで「人又は家屋の密集している地域から除かれる区域の指定について(国土交通省告示)」を告知。申請時の注意点もあわせて掲載
2026年7月1日告示の適用開始。この日から工業専用地域はDIDの許可の対象外
解釈通達の記述は、まだ告示に追いついていません。 この記事を書いている2026年9月13日に国土交通省のサイトから取得した解釈通達(無人航空機に係る規制の運用における解釈について)は、表紙が「令和8年4月1日 最終改正」のままで、2.(1)に「※現在、人又は家屋の密集している地域から除外する地域として告示で定める地域はない。」という記述が残っています。PDFファイル自体は9月に再掲載されていますが、本文のこの部分は変わっていません。 一方で、同じ国土交通省の飛行ルールのページと手続ページは、告示第435号の区域で「飛行許可は不要となります」と案内しています。告示は令和8年7月1日から適用されており、通達の記述は適用日より前の状態を書いたものと読むのが自然です。通達だけを見て判断しないようにしてください。

対象は「工業専用地域」だけ。工業地域・準工業地域は対象外

工業専用地域は、都市計画法第8条第1項第1号が定める13種類の用途地域の1つです。工業系の用途地域は3つあり、名前が似ていますが、法律上は別々の地域として定義されています(都市計画法第9条)。

用途地域都市計画法第9条の定義(原文)DIDの許可(2026年7月1日以降)
工業専用地域 「工業の利便を増進するため定める地域とする。」(第13項) 不要(告示第435号で除外)
工業地域 「主として工業の利便を増進するため定める地域とする。」(第12項) DID内なら必要(除外されていない)
準工業地域 「主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域とする。」(第11項) DID内なら必要(除外されていない)
上記以外の用途地域/用途地域の定めがない場所 — DID内なら必要

定義の違いは「主として」の有無です。工業地域と準工業地域は「主として」工業のための地域で、工業専用地域だけが工業のための地域です。告示が安全上のおそれがない区域として指定したのは、このうち工業専用地域だけです。

「工場があるか」ではなく「用途地域が何か」で決まります。 DIDの中にある工場や物流倉庫は、工業地域や準工業地域の大きな工場であっても、港の近くの工場であっても、用途地域が工業専用地域でなければDIDの許可が必要です。反対に、工業専用地域の中にある施設であれば、施設の種類を問わず告示の区域に入ります。判断の手がかりは、施設の種類ではなく都市計画の図面です。

飛行場所が工業専用地域かを調べる手順

確認することは2つです。①その場所がDIDかと、②DIDなら、その場所が工業専用地域かです。どちらも国土交通省が確認の手段を案内しています。

DIDかどうかを確認する。国土交通省の飛行ルールのページは、地理院地図(国土地理院)と、e-Statの地理情報システム jSTAT MAP を案内しています。DIDでなければ、そもそもDIDの許可は要りません(5へ)
DIDなら、用途地域を見る。国土交通省の解説資料は「全国都市計画GISビューアからも参照することができます。(表示方法 : 用途地域タブ内の『■工業専用地域』を選択)」と案内しています
自治体に確認する。同じ資料は「工業専用地域に該当するかについては、自治体へご確認ください。」としています。地図は目安で、確定させるのは自治体の都市計画の担当課です
飛行経路の全体が工業専用地域に収まるかを確かめる。離着陸地点、点検箇所へ向かう経路、風で流されたときに戻る範囲まで含めて見ます。経路の一部が工業専用地域の外のDIDに出るなら、その部分はDIDの許可の対象です
DID以外の特定飛行に当たるかを確認する。夜間・目視外・30m未満・空港等の周辺・150m以上などは、工業専用地域でも別に判断します(次の章)
確認した日、見た地図、自治体への照会の結果を記録しておく。申請書に「経路上のDIDは、工業専用地域であることを確認済み。」と書く場合の裏付けになる

地図だけで確定させない理由

国土交通省は、全国の都市計画決定の情報をGISデータとして整備し公表しています。そのデータの使用許諾条件には、次のような注意が書かれています(都市計画決定GISデータ 全国データダウンロードページ)。

  • 「掲載データに含まれる地区・地域の範囲は、概ねの位置を示すものであり、実際の都市計画の決定範囲等と異なる場合があります。」
  • 「地方公共団体がGISデータを保有していない、あるいはGISデータとして公表できないといった理由から、都市計画決定があっても本サイトに掲載されていないデータがあります。」
  • 「掲載データは、最新のものではないことがあります。」
  • 「最新の正確な都市計画決定情報が必要な場合は、該当する地方公共団体の担当課までお問合せください。」

工業専用地域の境界の近くで飛ばす場合や、経路が敷地の外側に出る場合は、地図で見当をつけてから、自治体で確定させるという順番にしてください。なお、DIDの範囲について国土交通省の手続ページは、2022年6月25日から令和2年の国勢調査の結果に基づく人口集中地区を使用すると案内しています。

境界の近くは、余裕を持たせて設計してください。 解釈通達は、DID内の私有地で飛ばす場合もDIDに当たる理由として「強風等により予期せぬ場所に飛ばされることも想定される」ことを挙げています。工業専用地域の境界ぎりぎりに経路を引くと、流されたときに工業専用地域の外のDIDに出るおそれがあります。境界付近を飛ぶ案件は、DIDの許可を持った状態で飛ばすか、境界から離して経路を引くほうが安全側です。

工業専用地域でも変わらないもの

告示第435号が変えたのは、施行規則第236条の72の「人又は家屋の密集している地域」の範囲だけです。それ以外の飛行禁止空域と飛行の方法の規定には、工業専用地域かどうかで扱いを変える定めはありません。工場やプラントでの飛行に当てはめると、次のようになります。

類型根拠条文工業専用地域での扱い
DID上空(許可) 法第132条の85第1項第2号
規則第236条の72
不要(2026年7月1日から)
空港等の周辺(許可) 法第132条の85第1項第1号 従来どおり必要。空港の近くにある工業専用地域では、地理院地図などで空港等の周辺に当たらないかを確認する
150m以上(許可) 法第132条の85第1項第1号
規則第236条の71第1項第5号
従来どおり必要。ただし地上又は水上の物件から30m以内の空域は除かれる
緊急用務空域 規則第236条の71第1項第4号・第4項 許可があっても飛べない。飛行開始前の該当性確認の義務も残る
夜間飛行(承認) 法第132条の86第2項第1号 従来どおり必要。プラントの停止時間帯に合わせる点検などで当たる
目視外飛行(承認) 法第132条の86第2項第2号 従来どおり必要。配管ラックやタンクの裏に回り込む飛行、モニターを見ながらの飛行
人又は物件から30m未満(承認) 法第132条の86第2項第3号
規則第236条の79
従来どおり必要。設備に寄る点検では、ほぼ必ず問題になる
催し場所上空(承認) 法第132条の86第2項第4号 従来どおり必要。工場の敷地で人が集まる行事を撮影する場合など
危険物の輸送・物件投下(承認) 法第132条の86第2項第5号・第6号 従来どおり必要
飲酒・飛行前確認・衝突予防・迷惑飛行の禁止 法第132条の86第1項 すべての飛行に適用。国土交通省は「飛行させる場所に関わらず」遵守が必要としている
機体登録(100g以上) 法第132条の2 ほか 従来どおり必要

点検では「30m未満の承認」がほぼ必ず残る

工業専用地域で許可が要らなくなって、手続がいちばん軽くなるのは、設備から離れた位置で昼間に目視で飛ばす撮影です。一方で、設備に寄る点検は事情が違います。

解釈通達は、30mの距離を保つべき「物件」を、操縦者とその関係者(飛行に直接的又は間接的に関与している者)が所有・管理するもの以外の物件と定め、具体例として「工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線」や「建設機械、港湾のクレーン」を挙げています。隣接する敷地に他の事業者の工場や倉庫、クレーンがあれば、それらは第三者の物件です。点検のために設備へ寄る飛行では、周囲の第三者の物件から30mを保てない場面が出てくるのが通常です。

点検事業者にとっての実質的な変化:工業専用地域の点検案件では、これまで「DIDの許可+30m未満の承認(+目視外・夜間の承認)」だった組み合わせから、DIDの許可が外れることになります。30m未満の承認そのものが不要になるわけではありません。点検で当たる特定飛行の全体像はインフラ点検でドローンを使うのに必要な許可・承認で、点検向けの標準マニュアルはインフラ点検専用の標準マニュアルがある。一般版との違いで整理しています。

航空法以外の手続は別に確認する

告示第435号は、航空法の飛行禁止空域の範囲を変えたものです。航空法以外の法令や、施設・土地の管理者の判断には影響しません。国土交通省の飛行ルールのページも「航空法令の他、関係法令及び地方公共団体が定める条例等を遵守して飛行させてください。」としています。

確認すること内容
小型無人機等飛行禁止法 国の重要な施設等、対象外国公館等、対象防衛関係施設、対象空港、対象原子力事業所の敷地・区域と、その周囲おおむね1,000mの地域の上空は、原則として飛行禁止です(2026年7月14日施行の改正で300mから拡大)。航空法とは別の法律なので、工業専用地域かどうかは関係ありません。詳しくは小型無人機等飛行禁止法の記事で扱っています
施設管理者・土地所有者 工場やプラントの敷地で飛ばせるかは、施設側の安全ルールや管理者の同意で決まります。隣接する他社の敷地の上空を通る場合の考え方は私有地の上空、所有権はどこまで及ぶのかを参照してください
港湾・海域 国土交通省の手続事例集は、港湾管理者である地方公共団体等が条例等で無人航空機の飛行の許可を求めている場合があるとしています。海上に作業船を配置したり工作物を設置したりする場合は、港則法・海上交通安全法の許可や届出が必要になることがあるとされています。臨海部の工業専用地域では、港湾管理者や海上保安部への確認も視野に入れてください
条例など 地方公共団体が独自に飛行を制限している場合があります。条例本文に「ドローン」と書かれていない一般的な規定で運用されている例もあるため、飛行場所の管理者に直接確認するのが確実です

申請実務:経路図への書き方と、取得済みの許可

DIDを含む経路図で、DIDの許可を申請しない場合

国土交通省の手続ページは、2026年6月30日のお知らせで「飛行許可・承認申請時の注意点」として次のように案内しています。

「飛行許可・承認申請においてDIDを含む経路図を添付する場合であって、人又は家屋の密集している地域の飛行許可を申請しない場合、地図上又は備考欄に『経路上のDIDは、工業専用地域であることを確認済み。』等の記載をしてください。」

たとえば、工業専用地域の中にあるプラントで30m未満の承認だけを申請する場合、添付する経路図にはDIDの色が付いて見えます。そのままでは「DIDの上を飛ぶのにDIDの許可を申請していない」と読まれるため、工業専用地域であることを確認済みだと書き添える、という趣旨です。

申請の状況扱い
経路にDIDを含むが、その部分はすべて工業専用地域。DIDの許可は申請しない 地図上又は備考欄に「経路上のDIDは、工業専用地域であることを確認済み。」等と記載する(手続ページの案内)
経路にDIDを含み、一部が工業専用地域の外 工業専用地域の外のDIDはDIDの許可の対象。工業専用地域の部分と混在する場合の書き方は、公式には明示されていない
経路にDIDを含まない 告示とは無関係。従来どおり

すでに持っている包括許可(DIDを含む)はどうなるか

DIDの許可を含む包括許可を持っている場合に、その許可を変更する必要があるか、DIDの許可を外すべきかについて、告示・解説資料・手続ページのお知らせのいずれにも記載はなく、公式には明示されていません。告示は許可が必要な範囲を狭めたもので、取得済みの許可を失効させるとは書かれていません。工業専用地域の外のDIDで飛ぶ可能性がある限り、DIDの許可を持っておく意味は残ります。

公式に明示されていない点:審査要領は、飛行の経路を特定しない申請でも、DID上空の飛行と夜間飛行を同時に行う場合(5-2及び5-3)は、飛行の範囲を可能な限り限定し、地図上に範囲を示した資料を添付させるとしています。また、包括申請の1年上限には、DID上空・夜間・目視外を同時に行う場合を除くという括弧書きがあります。工業専用地域の中だけで行う夜間飛行や目視外飛行が、これらの「DID上空」を含む扱いから外れるかは、条文の構造からはそう読めるものの、審査要領や手続ページには明示がありません。申請の組み立てを変える前に、申請先の地方航空局か無人航空機ヘルプデスクに確認してください。包括申請の基本は包括申請とは。個別申請との違いと、使い分けの判断基準で扱っています。

飛行計画の通報と飛行日誌はどうなるか

飛行計画の通報(航空法第132条の88第1項)と飛行日誌の備付け(第132条の89第1項)は、どちらも「特定飛行を行う場合には」と定められています。特定飛行とは、第132条の85第1項各号の空域での飛行と、第132条の86第2項各号の方法によらない飛行のことです(第132条の87)。

工業専用地域での飛行飛行計画の通報・飛行日誌
30m未満・目視外・夜間など、DID以外の特定飛行を伴う 義務は残る。特定飛行であることに変わりはない
DIDであることだけが特定飛行の理由だった(昼間・目視内・30m以上を保つ等) 工業専用地域はDIDの許可の対象の地域から除かれたため、条文上は特定飛行に当たらず、通報・飛行日誌の義務はかからないと読めます。ただし国土交通省の告示関連の案内はこの点に触れておらず、公式には明示されていません
どちらの場合も 飛行計画の通報要領は「飛行計画の通報が義務付けられない場合(特定飛行を行わない場合)であっても、本要領に沿って飛行計画の通報を行うことが推奨される。」としている。緊急用務空域に当たるかの確認(規則第236条の71第4項)は、飛行を開始する前に必ず行う
「DIDでなくなった=何もしなくてよい」ではありません。 点検の多くは30m未満の承認を伴うため、通報と飛行日誌の義務はそのまま残ります。義務がかからない飛行だと判断する場合も、経路が工業専用地域の外のDIDに出ないこと、他の特定飛行に当たらないことを確認したうえでの話です。判断に迷う案件は、特定飛行として扱い、通報と記録を行うほうが安全側です。

許可・承認を不要にする5つの条件との関係

カテゴリーⅡ飛行の一部は、次の5つをすべて満たすと許可・承認を不要にできます(国土交通省の手続ページ)。

飛行がDID上空/夜間/目視外/人又は物件から30m未満のいずれか(空港等周辺・150m以上・催し場所上空・危険物輸送・物件投下は除く)
無人航空機の総重量が25kg未満
立入管理措置を講じる
技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる
飛行マニュアルの作成等、安全確保に必要な措置を講じる
すべて満たせば許可・承認を不要にできる。夜間・目視外を含む場合は技能証明の限定変更が必要

工業専用地域の中の飛行は、1の「DID上空」に当たらなくなりました。残る夜間・目視外・30m未満について、この5条件を満たせば許可・承認を不要にできる、という構造は変わりません。

見方を変えると、工業専用地域でDIDの許可が外れても、30m未満の承認を不要にするには、技能証明と機体認証の両方がそろう必要があります。点検業務でどちらを選ぶかは認証機体を買うか、許可・承認で回すかで、立入管理措置の具体的な中身は立入管理措置とは。現場で実際に何をするのかで扱っています。

よくある質問

工業専用地域でDIDの許可が不要になったのは、いつからですか。
2026年(令和8年)7月1日からです。国土交通省告示第435号は令和8年3月31日付で、「令和八年七月一日から適用する」と定めています。国土交通省は2026年6月30日に手続ページで告知しました。
工業地域や準工業地域の工場も、DIDの許可は要らなくなりましたか。
いいえ。告示が除いたのは、都市計画法第8条第1項第1号の工業専用地域内の区域だけです。工業地域と準工業地域は都市計画法第9条で別の地域として定義されており、DIDの中にあれば従来どおりDIDの許可が必要です。
飛ばしたい場所が工業専用地域かどうかは、どこで調べられますか。
国土交通省の解説資料は、自治体への確認を基本とし、全国都市計画GISビューア(用途地域タブ内の「■工業専用地域」を選択)でも参照できると案内しています。DIDかどうかは、地理院地図やjSTAT MAPで確認できます。国土交通省の都市計画GISデータには、範囲は概ねの位置で実際の決定範囲と異なる場合がある、最新でないことがある、と注記されているため、境界付近は自治体で確定させてください。
工業専用地域のプラントで点検するなら、申請は一切要りませんか。
要らなくなるのはDIDの許可だけです。設備に寄る点検は、人又は物件から30m未満の飛行として承認が必要になるのが通常です。解釈通達は、30mを保つべき物件の例に工場・倉庫・変電所・港湾のクレーンを挙げています。配管の裏をモニターで見ながら飛ばせば目視外、停止時間帯に合わせて夜に飛ばせば夜間の承認も必要です。
申請書にDIDを含む経路図を付けますが、DIDの許可は申請しません。何か書く必要がありますか。
国土交通省の手続ページは、その場合「地図上又は備考欄に『経路上のDIDは、工業専用地域であることを確認済み。』等の記載をしてください。」と案内しています。経路の一部が工業専用地域の外のDIDにかかる場合は、その部分についてDIDの許可が必要です。
DIDを含む包括許可をすでに持っています。変更申請は必要ですか。
取得済みの許可への影響は、公式には明示されていません。告示は許可が必要な範囲を狭めたもので、取得済みの許可を失効させるとは書かれていません。工業専用地域の外のDIDで飛ぶ可能性があるなら、DIDの許可を持っておく意味は残ります。申請内容を組み替える場合は、申請先の地方航空局か無人航空機ヘルプデスクに確認してください。
工業専用地域で昼間に目視で離れて撮影するだけなら、飛行計画の通報や飛行日誌は要りますか。
通報と飛行日誌の義務は「特定飛行を行う場合」にかかります。DIDであることだけが特定飛行の理由だった飛行は、工業専用地域では条文上は特定飛行に当たらず、義務はかからないと読めます。ただし、この点は告示関連の公式案内では明示されていません。通報要領は、特定飛行を行わない場合も通報を推奨しています。空港等の周辺や150m以上に当たらないこと、緊急用務空域でないことの確認は別に必要です。
解釈通達には「除外する地域として告示で定める地域はない」と書かれています。どちらが正しいのですか。
2026年9月13日時点で国土交通省のサイトにある解釈通達は「令和8年4月1日 最終改正」の版で、この記述は告示の適用日(7月1日)より前の状態を書いたものです。告示第435号は令和8年7月1日から適用されており、国土交通省の飛行ルールのページも、告示の区域では「『人又は家屋の密集している地域』の飛行許可は不要となります」と案内しています。
工業専用地域なら、小型無人機等飛行禁止法の対象施設の近くでも飛ばせますか。
いいえ。小型無人機等飛行禁止法は航空法とは別の法律で、告示第435号の影響を受けません。対象空港や対象原子力事業所などの敷地・区域と周囲おおむね1,000mの地域の上空は、原則として飛行禁止です。施設管理者の同意や、港湾管理者の条例等による手続も、別に確認が必要です。
本記事は2026年9月13日時点の情報です。 解釈通達は、告示の適用後もこの時点で改正されていません。今後、通達や審査要領に工業専用地域の扱いが書き加えられる可能性があります。飛行場所が工業専用地域に当たるかは、自治体の都市計画の担当課で確認し、実際に申請・飛行する前に、必ず上記の一次ソースで最新の内容を確認してください。

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