dips

DIPS2.0で飛行計画を通報する手順。入力項目と、つまずきやすい所

公開 2026-10-30 更新 2026-10-30 読了 約18分

飛行計画の通報は、DIPS2.0の「飛行計画の登録」から、決められた項目を入力して「登録」を押すまでの一連の操作です。入力欄はDIPSが勝手に決めたものではなく、航空法施行規則第236条の83第1項の各号がそのまま画面の項目になっています。 つまずきやすいのは決まった場所です。他人が取った包括許可に基づく飛行は、許可番号がプルダウンに出ないので手入力すること。飛行の開始は時刻の到来で自動、終了は「飛行終了」ボタンを押す操作であること。所要時間は5分単位のプルダウンで最大24時間であること。そして事後の通報が認められるのは、省令上「システムに障害が発生した場合」に限られること。 この記事は、DIPS2.0操作マニュアル飛行計画通報編(表紙 ver2026/9/28)と飛行計画の通報要領(令和8年3月31日最終改正)の原本に沿って、入力項目ごとに何を書くかを並べます。

この記事の守備範囲:通報がいつ必要になるのか(特定飛行とは何か、なぜ許可と別なのか)はドローンの飛行計画の通報はいつ必要かで扱っています。この記事は通報することが決まったあと、DIPS2.0の画面で何をするかに絞ります。画面の名称やボタンの文言は、国土交通省がDIPS2.0の使い方ページで配布している「ドローン情報基盤システム 操作マニュアル 飛行計画通報編」(表紙 ver2026/9/28)の記載に合わせています。DIPS2.0は改修で画面が変わるため、実際の画面と食い違う場合は最新のマニュアルを優先してください。マニュアル・よくある質問・通報要領・条文のいずれにも書かれていない事項は、「公式には明示されていない」と書き分けています。
よく見る説明と、公式の記載
飛行計画の通報は毎回の作業なので、手順の説明が数多く出回っています。この記事で扱う範囲について、操作マニュアル・通報要領・条文の記載と突き合わせます。
よく見る説明あらかじめ通報するのが難しいときは、事後に通報すればよい。
公式にはこう省令は事後通報が認められる場合を「飛行計画に係るシステムに障害が発生したことにより、飛行を開始するまでの間において飛行計画を通報する手段のない場合」と限定しています。しかも開始後速やかに通報する必要があります。
出典 航空法施行規則 第236条の83第5項・第4項
よく見る説明自分で申請していない包括許可の飛行は、許可番号が選べないので通報できない。
公式にはこうプルダウンで選べるのは自分のアカウントで申請した許可だけです。それ以外は許可・承認書を確認して「飛行許可番号」に内容を手入力します。よくある質問に明記されています。
出典 DIPS2.0 飛行計画通報 よくある質問 操作マニュアル P.01-29
よく見る説明飛行が終わればDIPS2.0の操作はもうない。
公式にはこう飛行の開始は開始時間の到来に伴い自動で開始されますが、終了は「開始終了」ページで「飛行終了」ボタンを押す操作です。押さずに終了日時を超過した場合は自動で終了が通報されますが、通報した終了日時と実際を合わせるのが原則です。
出典 操作マニュアル P.05-5/P.06-11/P.06-12

入力欄は条文でできている。省令の号とDIPSの項目の対応

DIPS2.0の飛行計画の入力画面は、項目数が多くて面食らいます。ただ、並んでいる欄は法律と省令が「明らかにしなければならない」と定めた事項をそのまま画面にしたものです。対応が分かると、どの欄が飛ばせないかが判断できます。

航空法第132条の88第1項は、通報すべき飛行計画に「当該特定飛行の日時、経路その他国土交通省令で定める事項」を記載するよう求めています。日時と経路は法律側にあり、残りが航空法施行規則第236条の83第1項の13の号です。

根拠条文の文言DIPS2.0の入力項目
法第132条の88第1項当該特定飛行の日時開始日時/所要時間(終了日時は自動計算)/定期・複数日指定
同当該特定飛行の経路飛行経路/飛行範囲(地図上に作図)
規則 第1項第1号無人航空機の登録記号及び種類機体情報(登録済みの機体を選択すると紐付く)
同 第2号無人航空機の型式(型式認証を受けた型式の無人航空機に限る)機体情報(同上)
同 第3号無人航空機を飛行させる者の氏名操縦者情報(登録済みの操縦者を選択すると紐付く)
同 第4号同人の無人航空機操縦者技能証明書番号(交付を受けている場合に限る)操縦者情報(同上)
同 第5号許可又は承認の番号(受けている場合に限る)飛行許可番号(プルダウン選択または手入力)
同 第6号飛行の目的、高度及び速度飛行目的/飛行高度/飛行速度
同 第7号飛行させる飛行禁止空域及び飛行の方法飛行空域/飛行方法
同 第8号出発地出発地
同 第9号目的地目的地
同 第10号目的地に到着するまでの所要時間所要時間(5分単位のプルダウン)
同 第11号立入管理措置の有無及びその内容立ち入り管理措置の有無/補助者人数/係留飛行の有無
同 第12号無人航空機の事故等により支払うことのある損害賠償のための保険契約の有無及びその内容保険に関する情報(保険会社名・商品名・対人保険金額・対物保険金額・未加入の場合の賠償能力 等)
同 第13号その他参考となる事項その他情報
号の区切りに注意してください:第1号は「登録記号及び種類」で、型式は第2号です。第6号は「目的、高度及び速度」がひとまとまりで、目的と高度・速度が別の号に分かれているわけではありません。世の解説では番号が1つずつずれた表をよく見かけますが、項目の中身はすべて条文にあります。号番号を引用するときだけ注意してください。なお、飛行の安全に関する教則(第5版)は同じ内容を a.〜g. の7つにまとめて書いており、省令の13号建てとは区切りが違います。

通報要領(令和8年3月31日最終改正)の4.(3)も、同じ順で通報事項 a)〜n) を並べています。1つだけ条文にない補足があり、登録記号の欄について「試験飛行機等で登録記号を受けていない場合は、当該試験飛行に係る届出番号。離着陸場所管理団体の飛行届出要領(令和7年3月17日制定 国空無機第98696号)に基づく飛行の場合は、当該要領に基づく識別番号」としています。

通報の前に済ませておく2つの登録

飛行計画の画面で機体と操縦者は選ぶものであって、その場で打ち込むものではありません。操作マニュアルは通報手順の前に「05.事前準備(無人航空機情報の管理)」「06.事前準備(操縦者情報の管理)」の2章を置いています。飛行計画通報メインメニューの「無人航空機情報の登録・変更」と「操縦者情報の登録・変更」から行います。

ここで効くのが、飛行許可・承認申請の側で登録した情報がそのまま使えることです。DIPS2.0のよくある質問は「(飛行許可・承認申請機能)において、機体及び操縦者の初期登録を行っているが、当機能でも再度実施する必要があるか?」に対して「飛行許可・承認申請と情報を連動しているため、再度の登録は不要です」と答えています。

準備するもの公式の記載詰まりやすい点
DIPS2.0のアカウント ログインIDは英字3文字+数字6文字(例:ABC123456)。ログイン後、ポータル画面の右上にアカウントの氏名が表示される 個人か法人かでアカウントの種類が違う。法人の担当者欄は1名分しかない
機体情報 機体を選ぶと登録記号等/無人航空機の種類/機体認証書番号/製造者/型式/最大離陸重量/飛行可能時間が紐付く(通報要領5.(2)b) 他人名義の機体は自分で入力するのではなく、所有者側で「機体情報の提供」の操作をしてもらう
操縦者情報 操縦者を選ぶと技能証明書番号/氏名/住所/電話番号/メールアドレスが紐付く(同5.(2)c)。住所は「地名、番地、建物、部屋番号まで」、電話番号は「ハイフンなしで数字のみ」 他アカウントからの操縦者情報の提供は技能証明の保持者に限られる。それ以外は利用者ごとに入力する
保険等の情報 保険会社名・商品名・対人保険金額・対物保険金額。未加入なら賠償能力を入力する欄がある 証券を見ないと金額が出てこない。先に控えておく
許可・承認書 準備物として飛行許可番号/許可書発行日/許可の期間(開始・終了年月日)/カテゴリー区分情報が挙げられている(P.01-6) 自分のアカウントで取った許可ならプルダウンで済むが、そうでなければこの4点を手で入れる

アカウントを誰の名義で作るか、社内で何人が触るかという設計は、通報の回数が増えるほど効いてきます。そこはDIPS2.0の法人アカウントと個人アカウントの使い分けと複数人でDIPS2.0を運用するときの権限設計で扱っています。

入力にかかる時間の公式の目安:DIPS2.0のよくある質問は「入力にかかる時間はどれくらいですか?」に対し、「日常的にパソコンを利用されている方が、入力に必要な情報の全てが揃っている状態で新規登録の手続きを実施する場合、入力にかかる時間の目安は20分程度です」と答えています。逆にいえば、情報が揃っていなければこの倍数で膨らむということです。上の表の5点を先に揃えてから画面を開いてください。

通報の手順(許可・承認を受けている飛行の場合)

操作マニュアルの「01.飛行計画の通報方法」は、Ⅰ. 飛行許可・承認申請済の飛行を行う場合とⅡ. 飛行許可・承認申請を省略、または不要の飛行を行う場合に分かれ、それぞれに①新規に飛行計画を作成すると②過去の飛行計画を流用して作成するがあります。まずⅠ①の6ステップです。ボタン名はマニュアルの記載どおりに書いています。

DIPS2.0にログインする。トップページ(https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/ )の「ログイン」から。ログイン後、画面をスクロールして「航空法に基づく無人航空機関係手続の一覧」の「特定飛行を行う場合の手続」に進みます(P.01-23〜P.01-25)
「飛行計画の登録」ボタンを押す。飛行計画通報メインメニューにあります。飛行計画一覧が開いたら、チェックは入れずに「新規通報」ボタンを押します(P.01-26〜P.01-28)
「飛行許可番号」ボタンを押して、許可番号を入れる。「許可番号」はプルダウンで選択します。マニュアルは「ご自身のアカウントで飛行許可・承認申請を行った場合に限ります」と注記しています。必要項目を入れたら「登録」ボタン。入力すると申請時の内容が飛行計画情報に反映されます(P.01-29/P.01-30)
飛行計画情報を入力する。20の画面に分けて説明されている部分です。次章で1項目ずつ見ます(P.01-31〜P.01-50)
地図上に飛行経路/飛行範囲を描画する。「飛行経路/飛行範囲」の「▼」を押すと描画ツールが立ち上がります。地名検索・ズーム・ベースマップの切り替えで表示を合わせてから描きます(P.01-51〜P.01-53)
入力項目を確認して「登録」を押す。メッセージが出たら「OK」で通報が完了します。飛行計画一覧に戻ったら登録済みの飛行を選び、飛行計画詳細(通報者)画面で登録情報と「カテゴリー判定結果」を確認してください(P.01-54〜P.01-57)

②の「過去の飛行計画を流用して作成する」は、飛行計画一覧で対象の行の「複写」ボタンを押します。開いた作成ページには「以前の飛行計画通報時に入力された情報が反映されます」(P.01-64)。ステップは5つになり、飛行許可番号を入れる工程がなくなります。複写元が認定USPのシステムから登録された飛行計画の場合は、DIPS2.0上で複写できません(P.01-63)。

入力の途中で消える操作:操作マニュアルは各章の冒頭で、60分以上操作を中断すると手続のやり直しが必要になること、ブラウザの「戻る」「更新」ボタンを押さないこと、複数端末による同時ログインをしないことを留意事項に挙げています。よくある質問も「一定時間の操作がない場合は、自動的にログアウトされます」としています。飛行経路を描いてから連絡先を探し始めると、ここに引っかかります。情報を揃えてから開くのが結局いちばん速い方法です。
入力欄の意味が分からなくなったら:マニュアルの留意事項に「各フォームに入力すべき情報や、入力の方法が分からない場合、フォームの項目名の隣にあるマークにマウスのポインターを合わせて頂くことで、フォームに入力すべき情報や入力情報の説明を表示できます。(スマートフォン利用の場合は、タップいただくことで表示されます。)」とあります。画面内にヘルプが埋まっています。

入力項目ごとに、何を書くか

ここがこの記事の本体です。操作マニュアルの説明文と、通報要領5.(2)の入力の定めを並べ、項目ごとに書く内容と落とし穴を示します。通報要領は「通報システムへの入力は原則選択形式」とし、時刻は日本標準時(JST)、時刻及び時間は分の単位までを数字で表示すると定めています。

名称と、経路の流用

入力項目公式の説明書き方と注意
飛行計画名称 「作成する飛行計画に付与する任意の名称」「当情報は他の利用者へは公開されません」「入力可能文字数は30文字以内」(P.01-32) 公開されないので、社内で探せる名前にする。案件名+現場名+日付のように決め打ちしておくと、一覧から複写するときに間違えない
参照飛行経路保存名称 「DIPS2.0にて飛行許可・承認申請時に飛行経路を作成した場合、飛行範囲の形状を流用可能です。流用するには飛行許可・承認申請時の『参照飛行経路保存名称』を選択してください」(P.01-33) 許可申請の経路図をDIPS2.0で作っていれば、同じ形を引っ張れる。申請時に保存名称を分かる名前にしておくと、ここで効く

飛行許可番号──プルダウンで出ないときの扱い

最初の関門です。マニュアルは「『許可番号』は飛行許可・承認申請済みの『許可番号』をプルダウンで選択します。(ご自身のアカウントで飛行許可・承認申請を行った場合に限ります)」と書いています。プルダウンに出ないケースは公式に2つ示されています。

状況公式の記載出典
他人が取った包括許可に基づいて飛ぶ 「自分以外が包括で申請した飛行許可・承認申請に基づく飛行計画を通報することは可能ですか。」→「可能です。許可・承認書を確認し、飛行計画通報時の「飛行許可番号」に内容を手入力してください。」 飛行計画通報 よくある質問
旧システムで取った古い許可(飛行開始日が令和4年12月4日以前) 「上記、『許可番号』欄のプルダウンで選択できる情報は、令和4年12月5日以降を飛行開始日とする許可承認番号です。…旧ドローン情報基盤システムにて飛行許可承認を取得した飛行計画を通報する場合、『飛行許可番号』を押下し、飛行許可番号入力エリアが表示されたのち、航空局から発行された飛行許可承認書の内容をもとに必要な項目を入力してください。」 操作マニュアル P.01-29

手入力する場合に必要な項目は、マニュアルの準備物一覧(P.01-6)に挙がっている飛行許可番号/許可書発行日/許可の期間(開始・終了年月日)/カテゴリー区分情報です。現場で許可書を探し始めると詰みます。審査要領は、飛行の際に許可書又は承認書の原本又は写しを携行することを求めていますから、どのみち手元に要ります。

プルダウンで選べたときは、確認を1つ飛ばしがちです。「『飛行許可番号』を入力すると飛行許可・承認申請時に入力した内容が飛行計画情報に反映されます」(P.01-30)。便利ですが、反映されるのは申請時の内容です。機体を入れ替えた、操縦者が変わった、保険を更新した──こうした変更は申請書の側を直さない限り反映されません。反映された値をそのまま流さず、当日飛ばす構成と突き合わせてください。

機体・操縦者・目的・空域・方法

この4つは、いずれもボタンを押すと入力エリアが開き、選んで「登録」を押す形式です。選択肢は通報要領が列挙しているので、事前に決めておけます。

入力項目選択肢・紐付く情報注意
機体情報 登録記号等/無人航空機の種類/機体認証書番号/製造者/型式/最大離陸重量/飛行可能時間が紐付く 予備機に差し替えれば登録記号も変わる。当日使う可能性のある機体は全部選ぶのか、1機に絞るのかを先に決めておく
操縦者情報 技能証明書番号(受けている場合に限る)/氏名/住所/電話番号/メールアドレスが紐付く 当日の交代を織り込むなら交代者も選ぶ。連絡先の自動入力にも使うので、電話番号の形式(ハイフンなし)に注意
飛行目的 業務=空撮/報道取材/警備/農林水産業/測量/環境調査/設備メンテナンス/インフラ点検・保守/資材管理/輸送・宅配/自然観測/事故・災害対応等/その他。業務以外=趣味/研究開発/その他 許可・承認申請に書いた目的と揃える。業務か業務以外かで区分が分かれている点に注意
飛行空域
(法第132条の85第1項関係)
空港等周辺/地表又は水面から150m以上の高さの空域/人又は家屋の密集している地域の上空/上記空域の飛行は行わない 該当しないときに空欄ではなく「上記空域の飛行は行わない」を選ぶという設計。選び忘れると先に進めない
飛行方法
(法第132条の86第2項関係)
夜間/目視外/地上又は水上の人又は物件から30m未満/催し場所上空/危険物輸送/物件投下/上記方法の飛行は行わない 同じく該当なしの選択肢がある。許可・承認で取っている範囲と、その日に実際に行う内容は別物。その日に行うものだけを選ぶ

保険に関する情報

「保険に関する情報」ボタンを押すと入力エリアが開きます(P.01-39)。通報要領5.(2)d)エ)が挙げる項目は保険会社名/商品名/対人保険金額/対物保険金額/保険未加入の場合の賠償能力 等です。未加入の場合の欄が用意されていることからも分かるとおり、加入していなければ通報できないという作りではありません。通報事項は「保険契約の有無及びその内容」(規則第236条の83第1項第12号)だからです。

ただし、加入そのものが求められる飛行があります。審査要領(カテゴリーⅡ飛行)は、総重量25kg以上の無人航空機を飛行させる場合と、レベル3.5飛行を行う場合について、第三者賠償責任保険に加入していることを求めています。こちらは通報の話ではなく許可・承認の話です。国が加入を求めている場面と求めていない場面の切り分けはドローンの保険。国が加入を求めている場面と、求めていない場面で整理しています。

立ち入り管理措置・補助者・係留

条文の第11号は「立入管理措置の有無及びその内容」ですが、DIPS2.0では有無の選択と、補助者の人数、係留飛行の有無に分かれています。

入力項目公式の説明注意
立ち入り管理措置 「無人航空機の飛行について、第三者の上空を飛行させることのないよう、補助者の配置や立入管理区画を設定することにより飛行エリア内への第三者の立ち入りを管理する措置を指します。多数の者の集合する催し場所の上空における飛行を行う場合は、「立入禁止区画」を設定してください。」(P.01-40) 「有」で通報した以上、当日その措置を実際に講じていなければ通報内容と現場が食い違う。立入管理措置とは。現場で実際に何をするのか
補助者人数 「補助者の配置を行う場合は人数を入力してください。補助者の配置を行わない場合は0を入力してください」(P.01-42) 空欄ではなく0。なお通報要領は、広範囲な飛行経路の通報には「操縦者及び補助者の人数から一定の距離を計算することによる制限」がかかるとしている。人数は経路の描画可能範囲に効く
係留飛行の有無 「『係留飛行』の有無について選択してください」(P.01-41) 30m以下の係留で許可・承認が不要になる範囲がある。30m以下の係留で許可・承認が不要になる範囲

出発地・目的地──書式が指定されている

ここは自由記述ですが、書き方が決まっています。操作マニュアルと通報要領が同じ文言で、「地名の場合は都道府県名+市区郡名+町村名(必要に応じ丁目・番地等のより詳細な情報)を、固有名詞の場合は○○運動場、○○公園、○○工場等の情報を入力」としています(P.01-43/通報要領5.(2)d)カ)キ))。

同じ地点に戻る運用でも、目的地の欄は埋めます。条文が第8号と第9号で別々に求めているためです。飛行日誌の離着陸場所とも突き合わせられる書き方にしておくと、記録の整合が取りやすくなります(ドローンの飛行日誌の書き方)。

時間まわり──3つの「時間」を取り違えない

DIPS2.0には時間に関する欄が3つあり、意味がそれぞれ違います。ここが最もつまずく箇所です。

欄何を入れるか形式
飛行可能時間 「飛行させる機体の諸元値から飛行可能時間を入力してください。(最大飛行時間)」「複数機体飛行させる場合は、飛行させる機体のうち最大値を入力」「バッテリー交換等により連続して飛行させる場合においても諸元値を入力」(P.01-44) 機体のスペック。当日の予定時間ではない
所要時間 「飛行計画全体の所要時間を入力してください。開始日時と所要時間から終了日時は自動で設定されます」(P.01-45)。通報要領は「飛行開始時刻から飛行終了時刻までの時間」と定義 5分単位のプルダウン。最大24時間。超える部分は別の飛行計画に分割する
開始日時 「yyyy/mm/dd横の『▼』を押すとカレンダーが表示されるので、飛行の開始日付を選択」「プルダウンで飛行の開始時間を選択」(P.01-46) プルダウンは1日/1時間/5分単位。終了日時は自動計算で、直接は入れない

「飛行可能時間」を当日の作業時間だと思って入れてしまうのが典型的な取り違えです。バッテリーを何本回しても、入れるのは機体の諸元値だとマニュアルが明記しています。

複数日にわたる現場では「定期・複数日指定」が使えます。「同一の飛行計画を複数登録する場合、『定期・複数日指定』を押すとカレンダーが表示されるので、登録する日付を選択し、『登録』ボタンを押してください。選択は入力日から起算して最長90日先まで可能です」(P.01-47)。通報要領も「複数日の飛行計画を1回の操作によりまとめて通報することができる」としています。所要時間の上限が24時間であることと、この機能は矛盾しません。1日あたりの計画を、日付だけ変えて一度に作る仕組みです。

速度と高度──単位と基準が指定されている

欄通報要領の定め操作マニュアルの説明
飛行速度 「巡航速度等、当該飛行で多用する速度又は最大速度で対地速度(GS)とし、単位はキロメートル毎時(km/h)」。「参考情報として欄外にノット(kt)換算されたものが自動表示される」 「当該飛行で多用する速度(2拠点間移動の場合は巡航速度)または最大速度を入力してください」(P.01-48)
飛行高度 「巡航高度等、当該飛行で多用する高度又は最大高度で対地高度(AGL)とし、単位はメートル(m)」 「最大高度『地表等からの高度』で入力してください。『地表等からの高度』とは、無人航空機を飛行させる地表又は水面からの高さを指します」(P.01-49)

高度は海抜ではなく対地です。山間部や河川敷で機体側の表示と取り違えると、150m以上の空域に当たるかどうかの判断がずれます。許可・承認の条件を超える値を入れないことも当然の前提です。

連絡先──ここで選んだメールアドレスは公開される

見落とされがちな欄です。操作マニュアルは「当飛行計画に対する連絡先を入力してください。『自アカウントの情報』、『飛行許可・承認申請書記載の情報』、『操縦者』のいずれかを選択することで、事前登録済みの情報に関しては自動で入力されます」としたうえで、続けてこう書いています。

「メールアドレスは飛行計画に対する調整用の問い合わせ先として公開されます。」(操作マニュアル P.01-50)

通報要領5.(2)d)ス)も、連絡先の氏名・住所・電話番号・メールアドレスについて「これらの事項は、他の飛行計画と重複する場合の当事者間での調整の際に使用する」としています。実際、調整掲示板で他の通報者の飛行計画アイコンをクリックすると、表示される情報に「通報者メールアドレス」が含まれます(P.07-13)。誰のメールアドレスを載せるかは、見知らぬ相手から連絡が来る前提で決めてください。

3つの選択肢のうちどれが適切かは、社内の運用によります。当日その場で調整に応じられるのは操縦者ですが、操縦中はメールを見られません。事務所側で受けるなら「自アカウントの情報」が現実的です。選択肢があること自体が、通報者と操縦者が同一人でない運用を制度が想定していることの表れでもあります。

飛行経路の描画

作図方法は、通報要領が「①多角形、②円形(半径を指定)、③線形の3種類」としています。操作マニュアルの画面説明では同じ選択肢が「多角形、円、バッファライン」と表記されており(P.01-14)、呼び方が一致していません。対応関係は公式には明示されていませんが、画面上は3種類から選ぶ点で共通しています。

描いた経路については、通報要領が「作図された飛行経路を基に緯度経度(世界測地系)の情報を通報システム内で自動保持する(特に画面表示はなし)」と書いています。座標は画面に出ないが保持されている、という前提を押さえておいてください。

広く描けば安全、ではありません。通報要領5.(2)d)シ)の注記は、「空域の有効活用を図るため、広範囲な飛行経路の通報については一定の制限が設けられる。具体的には、操縦者及び補助者の人数から一定の距離を計算することによる制限、想定航続距離を上限とした距離による制限などを行う」としています。念のため広めに囲っておく、という描き方は制度の設計と逆向きです。加えて4.(4)は「飛行計画の重複に係る調整が不必要に生じることのないよう適正な飛行経路を通報するよう努めること」を求めています。広く描くほど他の計画と重なり、調整の手間が増えます。

地図には飛行禁止エリアを重ねて表示できます(「禁止エリア表示」ボタン)。マニュアルが挙げているのは次のエリアです。

関係法令等エリア名称マニュアルのエリア説明
航空法空港等の周辺空域進入表面、転移表面若しくは水平表面又は延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域、(進入表面等がない)飛行場周辺の、航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域
人口集中地区5年毎に実施される国勢調査の結果から一定の基準により設定される地域
緊急用務空域警察、消防活動等緊急用務を行うための航空機の飛行が想定される場合に、無人航空機の飛行を原則禁止する空域
有人機離発着エリア有人機運航者が設定する有人機離発着エリア
試験飛行届出エリア試験飛行を行うエリア
リモートID特定区域リモートID適用除外の空域
小型無人機等
飛行禁止法
レッドゾーン重要施設の敷地、区域の上空(①国の重要な施設等②外国公館等③防衛関係施設④空港⑤原子力事業所)
イエローゾーンレッドゾーンの周囲おおむね1,000メートルの上空
その他条例等で定めるエリア地方自治体が所管する条例で設定するエリア

イエローゾーンがおおむね1,000メートルと書かれている点は、2026年7月の小型無人機等飛行禁止法の改正を反映した記載です(小型無人機等飛行禁止法。おおむね300mから1,000mへ拡大された2026年7月改正)。

地図表示は判断の代わりにはなりません。マニュアルの「人口集中地区」の説明は国勢調査に基づく設定という一般的な記述だけで、2026年7月1日から工業専用地域がDIDの対象から除外された件への言及はありません(マニュアル全文を検索しても「工業専用」の語は出てきません)。DIPS2.0の地図表示が除外後のものかどうかは公式には明示されていないため、工業専用地域での飛行は告示の側で確認してください(工業専用地域は、DIDの中でもDIDの飛行許可が要らなくなった)。「地図で色が付いていなかった」は根拠になりません。

許可・承認がない飛行を通報するとき

操作マニュアルのⅡは「飛行許可・承認申請を省略、または不要の飛行を行う場合」です。機体認証と技能証明で許可・承認が不要になる飛行、そもそも許可・承認が要らない飛行がここに当たります。入力画面はⅠとほぼ同じで、違いは2つだけです。

  • 「『飛行許可番号』を押すと飛行許可番号入力エリアが表示されますが、飛行許可・承認申請を省略、または不要の飛行を行う場合は各項目の入力は不要です。未入力のまま次の項目入力へ進んでください」(P.01-102)
  • 「『参照飛行経路保存名称』への項目入力は不要です」(P.01-103)

通報要領5.(2)a)ア)も「許可又は承認を受けていない場合は特に入力は行わない」としています。

許可が必要な内容を入れると、登録できません。よくある質問に次の項目があります。「飛行許可・承認申請を行うよう促す旨のエラーメッセージが表示され、飛行計画が登録できません。」→「飛行許可・承認申請を要する飛行であるため、ドローン情報基盤システム2.0(飛行許可・承認申請機能)から申請を行ってください。既に申請済の場合は、飛行計画通報時の「飛行許可番号」から対象の申請を選択してください。」。つまりDIPS2.0は、入力された空域・方法の組み合わせから許可・承認が要る飛行かどうかを判定して止めます。エラーが出たときは、入力内容が誤っているか、本当に申請が必要かのどちらかです。

なお、特定飛行に当たらない飛行でも通報は推奨されています。よくある質問は「特定飛行を行わない場合においても、航空機と無人航空機、無人航空機間における安全確保のため、登録のご協力をお願いします」としており、通報要領4.(2)も「飛行計画の通報が義務付けられない場合(特定飛行を行わない場合)であっても、本要領に沿って飛行計画の通報を行うことが推奨される」と書いています。

「登録」を押したあとに出る2つのメッセージ

最後に「登録」を押したところで、マニュアルは2種類の注意事項を挙げています。どちらも通報が終わったあとに追加の行動を求めるもので、読み飛ばすと手順が途中で止まります。

#どんなときに出るか公式の指示
① 他のユーザーの飛行計画と重複していた場合 「重複しないように飛行計画を変更するか、飛行計画の登録後に相手ユーザーと飛行計画の調整を実施してください。」(P.01-55)
② 登録した飛行計画が特定の飛行条件に該当する場合 「はいを選択した場合:通知メールの内容に従って、関係組織への通知を行ってください。※有人機関連団体へはDIPS2.0を通じて自動で通知されます。いいえを選択した場合:通知メールの内容に従って、関係組織および有人機関連団体への通知を行ってください。」(P.01-55)

②は、DIPS2.0の外で自分が連絡を取らなければならない場合があることを示しています。何が「特定の飛行条件」なのかは、P.01-55に載っている「確認事項」ダイアログの画面そのものに書かれています(2026年10月11日訂正)。ダイアログの文面は「入力された飛行計画はカテゴリーⅡ(レベル3、3.5)又はカテゴリーⅢ飛行に該当するため、有人機関連団体(※1)および関係組織(※2)への通知を行う必要があります。DIPS2.0を通じて有人機関連団体への通知を行いますか。(関係組織へは通報者自身で報告する必要があります)」で、注記として「※1:航空機の運航者が所属する団体」「※2:救急医療用ヘリコプターの運航者および、官公庁の航空機運航者」が付いています。つまり特定の飛行条件=カテゴリーⅡ(レベル3、3.5)又はカテゴリーⅢ飛行で、「関係組織」が誰かもここで定義されています。このメッセージが出たら、届いたメールを最後まで読んでから現場に出てください。

登録が終わったら、飛行計画一覧から登録済みの飛行を選び、飛行計画詳細(通報者)画面で「登録情報及びカテゴリー判定結果」を確認します(P.01-57)。入力内容に確認事項がある場合は、「登録」を押した時点でカテゴリー判定結果と該当項目に関する確認文が表示され、確認・修正のうえ再度「登録」を押す必要があります(P.01-58)。1回押しただけで通報が終わったと思い込まないことです。カテゴリーⅢに判定される飛行の要件はカテゴリーⅢ飛行の要件。20開庁日前とリスク評価で扱っています。

重複したときの調整

通報要領4.(4)は、自分の飛行計画が他の無人航空機の飛行計画の情報(飛行日時、経路、高度の全て)と重複する場合には、飛行の中止または当事者間での調整により重複のない飛行計画を通報しなければならない、と定めています。3要素の「すべて」が重なったときが対象なので、高度をずらす、時間帯をずらすといった調整で外せる場合があります。

調整の場として、DIPS2.0には飛行計画調整掲示板があります(2024年3月25日のメンテナンス以降に追加された機能です)。手順は次のとおりです。

飛行計画一覧で、掲示板アイコンを押す。「他の飛行計画と重複している飛行計画のみ、掲示板アイコンが活性となります」(P.07-12)。押せないなら重複していないということです
重複している飛行計画の一覧から、相手を選ぶ。識別名称のリンクを押します。飛行計画のアイコンをクリックすると、識別名称、飛行時間、緯度、経度、高度、速度、通報者メールアドレス、認定USPコード、認定USP名が表示されます(P.07-13)
調整メッセージを送る。「メッセージを送信する」ボタンを押すと、調整相手にメールおよびDIPS APPのPush通知で通知されます(P.07-17)
返信を受ける/返す。相手からのメッセージも同じくメールとPush通知で届きます。通知には相手の飛行計画を識別するための「識別名称」が記載されます(P.07-20)

ここで押さえておきたいのは、掲示板では自由入力ができないことです。マニュアルは「自由入力によるメッセージの作成はできません」「調整したい内容が選択肢にない場合は『メールで調整を行いたい』のメッセージを調整相手へ送信した後で、ドローン情報基盤システムの調整掲示板を使用せず、個別にメールでの調整を実施してください」としています(P.07-16/P.07-29)。送れるのは選択肢から選ぶ定型文だけです。また同じ画面には「飛行計画を編集する」ボタンも置かれており、掲示板からそのまま自分の飛行計画の変更に入れます(P.07-16)(2026年10月11日訂正)。掲示板での調整の進め方は「飛行計画が他機と重なったとき。掲示板での調整と、譲り合いのルール」で詳しく扱っています。

よくある質問は、調整の手段として「飛行計画調整掲示板又は通報者とのメールを用いて個別に調整を実施してください」としており、掲示板を使わずメールで直接やり取りする方法も認めています。重複メッセージの内容についても「飛行当日、近隣を飛行予定の無人航空機の操縦者の連絡先等になります」と説明しています。

認定USP経由の飛行計画とは、掲示板で調整できません。マニュアルは「認定USPのシステムから登録された飛行計画は、飛行計画調整掲示板を使用して調整を行うことが出来ません」「調整相手が認定USPの場合は、認定USPと調整を行って下さい」としています(P.07-12/P.07-15)。USPは運航管理(UTM)サービスを提供する事業者で、よくある質問によれば「通報した飛行計画が重複した際には、重複した相手との飛行計画の調整をUSPが行います」。相手がUSP経由かどうかは、飛行計画アイコンに表示される認定USPコード・認定USP名で分かります。

飛行の開始と終了、変更と削除

通報したら終わりではありません。操作マニュアルは「05.飛行の開始方法」「06.飛行の終了方法」を独立した章として置いています。開始と終了は、操作の重みが違います。

場面操作公式の記載
飛行の開始 操作は不要 「飛行計画通報時に入力した飛行開始時間到来に伴い、自動で開始されます」(P.05-5/P.05-11)。飛行計画一覧で対象計画の「飛行状況」ボタンを押すと「開始終了」ページが開き、「開始日時」から起算された「飛行時間」を確認できる
飛行の終了 「飛行終了」ボタンを押す 「『飛行終了』ボタンを押すと、飛行の終了を通報します。確認ダイアログを確認後、『OK』ボタンを押してください」(P.06-11)
終了操作を忘れた 自動で終了が通報される 「『飛行終了』ボタンを押さずに『終了日時』を超過した場合、飛行計画一覧より『飛行状況』ボタンが押せなくなり、自動で飛行の終了を通報します」(P.06-12)
飛行中の有人機接近 画面とメールで通知 「飛行中、飛行計画通報時に入力した飛行経路/飛行範囲に対して、有人航空機が接近している場合、当該画面でのアラート通知が掲載されます。また、別途メールにて通報者宛てに航空機接近警告通知が送付されます」(P.05-12/P.06-13)

自動終了の仕組みがあるからといって、終了操作を省いてよいという話ではありません。早く終わったのに終了日時まで「飛行中」のまま表示され続ければ、他の通報者から見た空域の状況が実態とずれます。飛行計画の通報は他機との重複を避けるための情報共有の仕組みなので、実態に合わせるのが筋です。なお、終了操作を忘れたこと自体に罰則が置かれているわけではありません。航空法第157条の10第1項第10号が罰するのは「通報をしないで、特定飛行を行つたとき」です。

有人機の位置は地図にも出ます。よくある質問の「地図上に表示される黄色の円はなんですか?」に対する答えは「有人航空機の飛行位置情報です。有人航空機が接近している可能性がありますので、周囲に有人航空機の接近を確認した場合は、直ちに回避行動をとってください」。航空機は無人航空機に対して進路権を有するという整理が、教則にも書かれています。

変更・中止・削除

予定が変わったときの扱いは、条文と要領の両方に定めがあります。

場面根拠と内容DIPS2.0の操作
内容が変わった 規則第236条の83第3項「通報した飛行計画を変更する場合には、第一項各号に掲げる事項のうち、無人航空機の登録記号及び変更しようとする事項を通報すれば足りる」。通報要領4.(6)も同旨 飛行計画一覧で対象の「更新」ボタン →「飛行計画詳細(通報者)」ページで入力し直す(P.02-10/P.02-11)
飛行開始前に中止した 通報要領4.(6)「飛行開始前に、飛行計画を通報した飛行を中止する場合には、飛行の中止が判明した時点で速やかに当該飛行計画の通報を取り消すものとする」 飛行計画一覧で対象の「削除」ボタン →確認ポップアップで「OK」(P.03-11)
複数日ぶんまとめて消す — 複数選択して「一括削除」。「全チェック」「全クリア」ボタンもある(P.03-12/P.03-13)
大臣から変更等の指示が来た 航空法第132条の88第2項。通報要領4.(7)は、無人航空機安全課長から「当該飛行計画の通報者又は操縦者に対し、指示を行う」としている 指示に従わずに飛行させた場合は30万円以下の罰金(第157条の10第1項第11号)

雨で中止したときの「取り消し」は、忘れられがちですが要領に明記された手順です。飛ばさないのに飛行計画が残っていると、その空域を他の通報者に対してふさぎ続けます。

認定USP経由の飛行計画は、DIPS2.0側で触れません。マニュアルは「認定USPのシステムから登録された飛行計画は、DIPS2.0上で編集できません。飛行計画の登録に利用した認定USPのシステムから編集してください」(P.02-10)、「DIPS2.0上で削除できません」(P.03-11)、一括削除では「チェックボックスが表示されません」(P.03-12)、「DIPS2.0上で複写できません」(P.01-63)としています。登録した経路と同じ経路で操作するのが原則です。

他機の飛行計画を確認する

通報要領4.(2)は、通報の前に飛行経路に係る他の無人航空機の飛行計画の情報を通報システムで確認することを求めています。これは登録画面とは別の機能です。メインメニューの「飛行計画の参照」から、「開始日時」「終了日時」を指定して「検索」を押します。「検索可能な期間に関して、検索実施日の前日より起算して翌年の当日までの指定が可能です」(P.04-10)。抽出された飛行計画はアイコンで表示され、クリックすると開始時間、飛行時間、緯度、経度、高度、速度が表示されます。

案件の日程を決める段階でここを一度見ておくと、重複に気づいてから動かす余地が残ります。

事後の通報が認められる場合と、罰則

通報は「あらかじめ」が原則です(航空法第132条の88第1項)。ただし書きがあり、「あらかじめ飛行計画を通報することが困難な場合として国土交通省令で定める場合」には事後でもよいとされています。問題は、その省令が何を定めているかです。

航空法施行規則第236条の83第5項の全文はこうです。

「法第百三十二条の八十八第一項ただし書の国土交通省令で定める場合は、飛行計画に係るシステムに障害が発生したことにより、飛行を開始するまでの間において飛行計画を通報する手段のない場合とする。」

認められるのはシステム障害の場合だけです。さらに同条第4項が「特定飛行を開始後速やかに通報しなければならない」と定めています。通報要領4.(2)b)も同じ書き方で、よくある質問の「DIPS2.0がメンテナンス中で通報ができません」という項目も、この場合に当たるものとして同じ説明をしています。

教則の書きぶりとは粒度が違います。無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)は、「あらかじめ、次に掲げる事項等を記載した飛行計画を国土交通大臣に通報しなければならない(あらかじめ飛行計画を通報することが困難な場合には事後の通報でも可)」と書いています(3.1.2(3)2)a.)。2.2の飛行計画の作成の項も「ただし、あらかじめ通報することが困難な場合には事後に通報してもよい」です。省令が置いている「システムに障害が発生した場合」という限定が、教則では落ちています。教則は学科試験の範囲を示す教材であり、条文の限定まで再現していません。実務上の基準は省令の文言です。入力を忘れていた、時間が足りなかった、という事情は「システムの障害」ではありません。

通報が要らない場合と、通報システムを使わない特例

場面扱い根拠
国・地方公共団体またはその依頼を受けた者が、捜索又は救助の目的で行う飛行 飛行計画の通報は要しない 通報要領4.(2)b)
専ら公益を図る目的の飛行で、飛行計画を秘匿する特段の必要性があり、共有されると業務実施に著しい支障が生じると無人航空機安全課長が認めた場合 通報システムによる通報に替えて、無人航空機安全課長に対し飛行計画の通報を行うことができる。この場合、自らの飛行計画が通報システムに表示されないことに鑑み、特段の注意をもって飛行経路周辺における他の無人航空機及び航空機の有無等を確認し、安全確保に努める 通報要領4.(9)

後者について、国土交通省の手続ページは「※専ら公益を図る目的であって、飛行計画を秘匿する特段の必要性がある飛行について通報を行う場合は、『国土交通省 航空局 安全部 無人航空機安全課 飛行計画通報担当』までお問い合わせください」と案内しています。自分で判断して通報を省略する仕組みではなく、課長が認めた場合の代替手段である点に注意してください。

罰則──飛行日誌の罰条と混同しない

違反の内容罰条法定刑
飛行計画を通報せずに特定飛行を行った航空法第157条の10第1項第10号30万円以下の罰金
大臣の変更等の指示に従わないで飛行させた同第1項第11号30万円以下の罰金
飛行日誌を備えなかった/記載すべき事項を記載しなかった・虚偽記載航空法第157条の11第2号・第3号10万円以下の罰金

条も金額も別です。国土交通省の手続ページも「飛行計画の通報をせずに特定飛行を行った場合、航空法第157条の10に従い、30万円以下の罰金」「飛行日誌を備えない…場合、航空法第157条の11に従い、10万円以下の罰金」と書き分けています。飛ぶ前の手続きのほうが重く見られているという構造です。

スマートフォンでどこまでできるか:国土交通省航空局が公開している「DIPS APP – ドローンポータルアプリ」の使い方マニュアルの目次に並んでいるのは、ログイン/所有機体を見る/リモートID情報の書込み・削除/飛行前点検(所有機体・周辺機体の発信情報の確認)/通知情報の閲覧(通知履歴の閲覧・プッシュ通知の受信)/その他です。飛行計画の通報・変更・削除や、飛行の開始・終了に関する項目は目次にありません。「6.2 プッシュ通知を受信する」も「飛行計画通報に関するプッシュ通知をDIPS APPで受信することができます」と案内するにとどまります。公式に記載があるのは通知の受信までで、アプリから通報そのものができるかどうかは公式資料では確認できませんでした。現場での通報を前提に組むなら、PCでの操作か、認定USPのサービスを検討することになります。

よくある質問

飛行計画の通報は、何日前までに行えばよいですか。
条文が求めているのは「あらかじめ」であり、何日前という日数は航空法にも施行規則にも通報要領にも定められていません。通報要領4.(2)a)が求めているのは「飛行開始前に必要な運航に係る情報を入手し、時間に十分なゆとりを持って事前に飛行計画を通報すること」までです。ただし通報の前に他機の飛行計画を確認する義務があり、重複していれば中止か当事者間調整になります。直前の通報は、この調整の余地を失わせます。飛行許可・承認の申請(新規は飛行開始予定日の10開庁日前まで)とは別の手続きである点にも注意してください。
「許可番号」のプルダウンに、自社の包括許可が出てきません。
公式に示されている原因は2つです。1つはその許可を取ったのが別のアカウントである場合。マニュアルは「ご自身のアカウントで飛行許可・承認申請を行った場合に限ります」と注記しており、よくある質問は他人が包括で取った許可について「許可・承認書を確認し、飛行計画通報時の「飛行許可番号」に内容を手入力してください」としています。もう1つは旧システムで取った古い許可で、「プルダウンで選択できる情報は、令和4年12月5日以降を飛行開始日とする許可承認番号です」とされています。いずれも許可書の内容を手入力します。
「飛行可能時間」には、その日に飛ばす予定の時間を入れるのですか。
いいえ。操作マニュアルは「飛行させる機体の諸元値から飛行可能時間を入力してください。(最大飛行時間)」とし、「バッテリー交換等により連続して飛行させる場合においても諸元値を入力してください」「複数機体飛行させる場合は、飛行させる機体のうち最大値を入力してください」と補足しています。その日の予定時間を入れるのは「所要時間」の欄で、こちらは5分単位のプルダウンから選び、最大24時間です。
1週間続く現場は、毎日別々に通報しないといけませんか。
1本の飛行計画にまとめることはできません。通報要領は所要時間を最大24時間とし、これを超える部分は別途の飛行計画として通報しなければならないとしています。ただし入力は1回で済ませられます。「定期・複数日指定」でカレンダーから日付を選べば、同じ内容の飛行計画を複数日分まとめて登録できます(入力日から起算して最長90日先まで)。過去の計画を使い回す場合は、飛行計画一覧の「複写」ボタンも使えます。
通報した内容と実際の飛行がずれそうです。どうすればよいですか。
変更の通報をします。施行規則第236条の83第3項は「通報した飛行計画を変更する場合には、第一項各号に掲げる事項のうち、無人航空機の登録記号及び変更しようとする事項を通報すれば足りる」としており、全部を入れ直す必要はありません。DIPS2.0では飛行計画一覧の「更新」ボタンから行います。飛行開始前に中止する場合は、通報要領4.(6)が「飛行の中止が判明した時点で速やかに当該飛行計画の通報を取り消す」ことを求めており、一覧の「削除」ボタンで行います。
連絡先の欄は、誰のものを入れるべきですか。
DIPS2.0は「自アカウントの情報」「飛行許可・承認申請書記載の情報」「操縦者」の3つから選べます(P.01-50)。判断材料は、この欄が何に使われるかです。通報要領5.(2)d)ス)は「他の飛行計画と重複する場合の当事者間での調整の際に使用する」とし、マニュアルは「メールアドレスは飛行計画に対する調整用の問い合わせ先として公開されます」と書いています。調整掲示板でも「通報者メールアドレス」が相手に表示されます。飛行中の操縦者はメールを見られないことを踏まえて決めてください。
飛行が早く終わりました。「飛行終了」を押し忘れるとどうなりますか。
操作マニュアルは「『飛行終了』ボタンを押さずに『終了日時』を超過した場合、飛行計画一覧より『飛行状況』ボタンが押せなくなり、自動で飛行の終了を通報します」としています(P.06-12)。押し忘れたこと自体に罰則が置かれているわけではありません(第157条の10第1項第10号が罰するのは「通報をしないで、特定飛行を行つたとき」です)。ただし、終了日時まで「飛行中」の表示が残れば、他の通報者から見える空域の状況が実態とずれます。飛行計画の通報は重複回避のための情報共有の仕組みなので、終わったら押す運用にしてください。
入力の途中で何度もやり直しになります。
操作マニュアルの留意事項に、60分以上操作を中断すると手続のやり直しが必要になること、ブラウザの「戻る」「更新」ボタンを押さないこと、複数端末による同時ログインをしないことが挙げられています。よくある質問は、新規登録にかかる時間の目安を「入力に必要な情報の全てが揃っている状態で20分程度」としています。許可書・機体の諸元・保険証券・出発地と目的地の表記を先に手元に集めてから、画面を開いてください。地図の動作が重いときは「広域な地図を表示した際にデータ量が増加するため、遅くなる場合がございます。地図の表示エリアを狭めてください」とも案内されています。
飛行計画を通報すれば、飛行許可・承認の申請はしなくてよいのですか。
よくある質問の答えは「いいえ。飛行に際し、許可や承認が必要な飛行を行う場合は申請が必要です」です。逆に、許可・承認を受けているかどうかにかかわらず、特定飛行を行うなら飛行計画の通報が必要です。そもそも許可・承認が要る内容で通報しようとすると、DIPS2.0が「飛行許可・承認申請を行うよう促す旨のエラーメッセージ」を出して登録を止めます。申請の側の全体像は包括申請とは。個別申請との違いと、使い分けの判断基準を参照してください。
飛行計画は、操縦者本人が入力しなければならないのですか。
通報要領は、義務の主体を「無人航空機を飛行させる者(以下「操縦者」という。)」と定義したうえで、大臣の変更指示の宛先については「当該飛行計画の通報者又は操縦者に対し」と書き分けています。また連絡先の欄で「ログイン中のアカウント(通報者)の連絡先」と「操縦者の連絡先」を選べる設計になっています。つまり通報者と操縦者が別人であり得ることは制度が想定しています。ただし、担当者が操縦者に代わって入力した場合に航空法第132条の88第1項の義務が履行されたことになるかは、条文・要領・よくある質問・マニュアルのいずれにも明示されていません。入力を誰が行うにせよ、操縦者欄と連絡先を実態どおりに入れることが前提です。なお、他人の依頼を受け報酬を得て業として官公署への提出書類や電磁的記録を作成する行為には、行政書士法第19条第1項の制限がかかります。
DIPS2.0の地図で色が付いていない場所なら、許可は要らないと考えてよいですか。
地図の「禁止エリア表示」は参考情報です。マニュアルはエリアの一覧と一般的な説明を載せているだけで、たとえば人口集中地区の説明は「5年毎に実施される国勢調査の結果から一定の基準により設定される地域」とあるのみで、2026年7月1日から工業専用地域が対象から除外された件への言及はありません(マニュアル全文に「工業専用」の語はありません)。地図表示が除外後のものかどうかは公式には明示されていません。空域の判定は告示と条文で行い、地図は補助として使ってください。
通報を忘れて飛んでしまいました。あとから通報できますか。
事後の通報が認められるのは、施行規則第236条の83第5項が定める「飛行計画に係るシステムに障害が発生したことにより、飛行を開始するまでの間において飛行計画を通報する手段のない場合」に限られます。失念はこれに当たりません。教則には「あらかじめ通報することが困難な場合には事後の通報でも可」という書き方もありますが、省令の限定のほうが条文上の基準です。できることは、以後の手順を通報漏れが起きない形に組み替えることです。飛行前の日常点検のチェックリストに「飛行計画の通報済みか」の欄を足し、点検と同じタイミングで確認する方法があります。
本記事は2026年10月11日時点の情報です。 DIPS2.0の画面名・ボタン名は操作マニュアル飛行計画通報編(表紙 ver2026/9/28)の記載に基づいており、システム改修で変わることがあります(同マニュアルは章ごとに版が異なり、「07.飛行計画重複時の調整方法」の中扉は ver2026/3/2 と表記されています)。飛行計画の通報要領は通達であり、直近では令和8年3月31日に改正・施行されています。通報の前に、必ず上記の一次ソースと国土交通省の手続ページのお知らせ欄で最新の内容をご確認ください。

飛行前チェックリスト(無料)

許可・機体・操縦者・保険・通報の抜けを、飛ばす前に1枚で潰せるPDFです。

チェックリストを受け取る