レベル1〜4とレベル3.5。カテゴリーの区分と一致しない理由
「レベル1」「レベル3.5」「レベル4」は、航空法にも航空法施行規則にも出てこない言葉です。国が施策を進めるうえで、飛行の段階を目視内か目視外か、無人地帯か有人地帯かという軸で並べた分類です。 一方、手続きの要否を決めているのはカテゴリーⅠ〜Ⅲ、より正確には条文上の「特定飛行」に当たるかと「立入管理措置」を講じるかです。 国土交通省の教則(第5版)は、カテゴリーとレベルの分類が「厳密には一致しない場合がある」とわざわざ注記しています。 この記事では、レベル1〜4とレベル3.5の定義を一次ソースで確認し、カテゴリーとの対応を表にしたうえで、どちらが法的な意味を持つのかをはっきりさせます。
教則 第5版 3.1.1(2)3)カテゴリーⅡ飛行(レベル3.5飛行)の許可・承認申請について p.9・p.10/教則 第5版 3.1.2(2)4)c無人航空機の飛行許可・承認手続/教則 第5版 3.1.1(2)3)cレベルは法令用語ではない
まず、条文を検索した結果から書きます。
| 検索した語 | 航空法(現行) | 航空法施行規則(現行) |
|---|---|---|
| レベル | 0件 | 3件。ただしいずれも「国際民間航空条約の附属書一…に規定する言語能力レベル四(五・六)に相当する航空英語に関する知識及び能力」=航空英語能力証明の話で、無人航空機とは無関係 |
| カテゴリー | 0件 | 93件。ただしすべて計器着陸装置(ILS)のカテゴリー一〜三や精密進入用滑走路の区分で、無人航空機の飛行形態の区分ではない |
| 立入管理措置 | 14件 | 4件 |
つまり、「レベル」も「カテゴリー」も、無人航空機の飛行形態を指す言葉としては条文にありません。条文にあるのは「特定飛行」と「立入管理措置」です。e-Gov法令検索の航空法・航空法施行規則の現行条文で確認できます。
では「レベル」はどこから来た言葉なのか。国土交通省と内閣官房の資料をたどると、ドローンの社会実装をどこまで進めるかという政策目標の段階を表す言葉として使われてきたことが分かります。内閣官房小型無人機等対策推進室の資料「レベル4飛行の実現、さらにその先へ」(令和4年3月)には、「ドローンの飛行レベルについて」という1枚があり、操縦/自動・自律、目視内/目視外(補助者なし)、無人地帯/有人地帯という3つの軸でレベル1〜4を並べた図が載っています。
この性格は、実際の手続き書類を見るとはっきりします。
- 許可・承認申請書の様式に「レベル」を書く欄はありません。様式[カテゴリーⅡ飛行]・様式[カテゴリーⅢ飛行]の本文を検索しても「レベル」の語は出てきません。書くのは飛行の目的、空域、飛行の方法、機体、操縦者などです。
- 審査要領(カテゴリーⅢ飛行)には「レベル」の語が1件もありません。全18ページを検索した範囲で、「レベル4」という言葉は一度も使われていません。
- 審査要領(カテゴリーⅡ飛行)で制度名としてレベルが使われるのは1か所だけです。全42ページのうち、5-4(3)c カ)(ⅲ) の「(レベル3.5飛行)」という括弧書きだけです(もう1件は「DALレベル」で開発保証の水準を指す別概念)。レベル3.5だけが、通達の条文に名前で登場します。
- 国土交通省が「カテゴリーⅡ飛行(レベル3飛行)申請書(様式)」として掲載している様式にも、「レベル」の語はありません。レベル3という呼び名は、掲載ページ側のラベルに付いています。
レベルは、行政の説明や資料名では便利に使われる一方、申請書に書く欄も、審査基準の条件名もほとんど持っていない言葉だということです。
カテゴリーの区分は条文に根がある
「カテゴリー」という語も条文にはありませんが、こちらは区分の中身が条文に組み込まれています。教則(第5版)3.1.1(2)3) の定義を並べます。
| 区分 | 教則の定義(原文) | 条文側の対応 |
|---|---|---|
| カテゴリーⅠ飛行 | 「特定飛行に該当しない飛行を『カテゴリーⅠ飛行』という。この場合には、航空法上は特段の手続きは不要で飛行可能である。」 | 第132条の85第1項各号の空域・第132条の86第2項各号の方法に該当しない |
| カテゴリーⅡ飛行 | 「特定飛行のうち、…第三者の立入りを管理する措置(立入管理措置)を講じたうえで行うもの」。うち空港周辺・高度150m以上・催し場所上空・危険物輸送・物件投下・最大離陸重量25kg以上をカテゴリーⅡA、その他をカテゴリーⅡB | 第132条の85第1項本文・第132条の86第2項。ⅡA相当は同条第2項・第3項で許可・承認の対象 |
| カテゴリーⅢ飛行 | 「特定飛行のうち立入管理措置を講じないで行うもの、すなわち第三者上空における特定飛行」 | 第132条の85第1項括弧書き・第2項、第132条の86第2項括弧書き・第3項 |
条文の側を見ると、区分の軸が「立入管理措置を講ずるかどうか」であることが分かります。
「何人も、次に掲げる空域においては、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合(立入管理措置…を講ずることなく無人航空機を飛行させるときは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に限る。)でなければ、無人航空機を飛行させてはならない。」
同じ括弧書きは飛行の方法を定める第132条の86第2項にもあり、大臣の許可を定める第132条の85第2項と承認を定める第132条の86第3項は、立入管理措置を講じない飛行を名指しして許可・承認の対象にしています。さらに第132条の87(第三者が立ち入った場合の措置)は、即時に飛行を停止する義務の対象から「立入管理措置を講ずることなく飛行を行う場合」を除いています。
要するに、手続きの要否と等級(一等か二等か、第一種か第二種か)を決めているのは、レベルではなく「特定飛行に当たるか」と「立入管理措置を講じるか」です。この2つは条文の言葉です。立入管理措置として現場で何をするかは立入管理措置とは。現場で実際に何をするのかにまとめています。
レベル1〜4とレベル3.5の定義
レベル側の定義を、公式資料の書き方で並べます。
| レベル | 定義(公式資料の書き方) | 出典 |
|---|---|---|
| レベル1 | 目視内での操縦飛行(手で操縦し、操縦者が機体を目視している)。例として空撮、橋梁点検が挙げられている | 教則 第5版 3.1.1(2)3)a/内閣官房資料(令和4年3月)p.4 |
| レベル2 | 目視内での自動・自律飛行。例として農薬散布が挙げられている | 同上 |
| レベル3 | 無人地帯での目視外飛行。手続ページでは「補助者を配置しない目視外飛行(レベル3飛行等)」という呼び方がされる | 教則 3.1.1(2)3)b/国土交通省「補助者を配置しない目視外飛行(レベル3飛行)申請方法」 |
| レベル3.5 | 2023年12月に新設。「デジタル技術の活用(機上カメラ)、無人航空機操縦者技能証明の保有及び保険への加入を条件として、レベル3飛行で従来求められていた立入管理措置のうち、補助者の配置や看板の設置等を機上カメラによる確認に代替し、移動中の車両等の上空の一時的な横断を伴う飛行が可能となる」もの。カテゴリーⅡ飛行(レベル3飛行)に該当する | 教則 3.1.2(2)4)c/審査要領(カテゴリーⅡ飛行)5-4(3)c カ)(ⅲ) |
| レベル4 | 有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行 | 教則 3.1.1(2)3)c/無人航空機レベル4飛行ポータルサイト/飛行許可・承認手続ページ |
レベルとカテゴリーの対応表
教則は、カテゴリーの見出しにレベルを括弧書きで併記しています。その並びと、定義どおりに読んだときのずれを並べます。
| レベル | 教則の見出しでの併記 | 定義どおりに読むと |
|---|---|---|
| レベル1 (目視内・手動) |
カテゴリーⅠ飛行 | 特定飛行に当たらなければカテゴリーⅠ。人口集中地区の上空や第三者から30m未満なら特定飛行に当たり、カテゴリーⅡ(立入管理措置を講じる場合)になる |
| レベル2 (目視内・自動) |
カテゴリーⅠ飛行 | 同じ。例に挙がる農薬散布は「物件投下」に当たり、カテゴリーⅡAの類型に入る |
| レベル3 (無人地帯・目視外) |
カテゴリーⅡ飛行 | 目視外飛行は必ず特定飛行なので、カテゴリーⅠにはならない。立入管理措置を講じるかぎりカテゴリーⅡ |
| レベル3.5 | (レベル3に含まれる) | カテゴリーⅡ。教則は「カテゴリーⅡ飛行(レベル3…)には、レベル3.5が含まれる」と書いている。カテゴリーⅢではない |
| レベル4 (有人地帯・補助者なし目視外) |
カテゴリーⅢ飛行 | カテゴリーⅢ。ただしカテゴリーⅢはレベル4より広い(立入管理措置を講じない特定飛行であれば、目視外であることは定義に入っていない)。手続ページも「レベル4飛行…を含むカテゴリーⅢ飛行」と書く |
公式ページの書き方も一様ではありません。無人航空機レベル4飛行ポータルサイトは「レベル1〜3飛行(カテゴリーⅠ,Ⅱ)に加え、…レベル4飛行(カテゴリーⅢ)が可能となりました」と1対1で書き、飛行許可・承認申請ポータルはカテゴリーⅢを「…つまり、第三者の上空での飛行を伴うレベル4飛行です」と説明しています。一方、飛行許可・承認手続のページは「レベル4飛行…を含むカテゴリーⅢ飛行」です。教則が注記を置いているのは、こうした簡略化された対応づけが独り歩きしやすいからだと読めます。
なぜ一致しないのか。軸が違う
一致しない理由は単純です。レベルとカテゴリーは、別のものを測っています。
| レベル | カテゴリー | |
|---|---|---|
| 測っているもの | 飛行の難しさ・自動化の段階(どこまでできるようになったか) | 飛行のリスクと必要な手続き(何を満たせば飛ばせるか) |
| 軸 | ①手動か自動・自律か ②操縦者が目視しているか ③無人地帯か有人地帯か ④補助者を置くか | ①特定飛行に当たるか(空域6類型・方法6類型) ②立入管理措置を講じるか ③(カテゴリーⅡ内で)ⅡAの類型に当たるか |
| 出どころ | 政策文書・国の説明資料。条文には規定がない | 教則・通達の用語。区分の中身は航空法の条文(第132条の85・第132条の86・第132条の87) |
| 手続きへの影響 | 直接はない(レベル3.5だけは審査要領に名前が出る) | 許可・承認の要否、必要な技能証明の等級、機体認証の種類、申請先、申請期限がすべて変わる |
軸が違うので、ずれ方には向きがあります。
- レベルが低くてもカテゴリーが上がる方向:目視内の手動飛行(レベル1)でも、人口集中地区の上空を飛べば特定飛行です。カテゴリーⅠではありません。
- レベルが高くてもカテゴリーは上がらない方向:レベル3.5は「レベル3の次」に見える名前ですが、カテゴリーはⅡのままです。立入管理措置を機上カメラでの確認に置き換えただけで、措置をやめたわけではないからです。
- カテゴリーがレベルより広い方向:カテゴリーⅢの定義には「目視外」が入っていません。立入管理措置を講じずに第三者の上空を飛ぶなら、目視内でもカテゴリーⅢと読めます。だから公式は「レベル4を含むカテゴリーⅢ」と書きます。
レベル1・2でも許可・承認が要る場合
実務で誤解が起きやすいのはここです。レベルが低いから手続きが要らなくなる、という関係にはありません。
教則が挙げる規制対象の飛行の方法は、①夜間飛行 ②操縦者の目視外での飛行 ③第三者または第三者の物件から30m未満 ④催し場所上空 ⑤危険物の輸送 ⑥物件の投下 の6つです。空域は、空港等周辺・緊急用務空域・地表または水面から150m以上・人口集中地区上空などです。この列挙のどこにも、手動操縦か自動・自律飛行かという区分はありません。自動で飛ばしていても、DIDの上空なら特定飛行です。
| レベル1・2の典型例 | 特定飛行に当たる部分 | 結果 |
|---|---|---|
| 市街地で目視内の空撮(レベル1) | 人口集中地区の上空。第三者から30m未満になることもある | カテゴリーⅡ。立入管理措置を講じたうえで、許可・承認または機体認証+技能証明のルート |
| 橋梁・構造物の点検(レベル1) | 第三者または第三者の物件から30m未満。高さによっては150m以上 | カテゴリーⅡ。150m以上はカテゴリーⅡAで許可が必要 |
| 農薬散布(レベル2) | 物件投下。危険物に当たる農薬なら危険物輸送も | カテゴリーⅡA。ただし要件を満たす農薬等の空中散布には承認が不要になる例外がある |
| 目視内の自動飛行による測量(レベル2) | 飛ばす場所と高度によって、DID上空・150m以上に当たる | 当たればカテゴリーⅡ。当たらなければカテゴリーⅠで手続き不要 |
カテゴリーⅡに入っても、必ず申請が必要になるわけではありません。教則3.1.1(2)5)a は、カテゴリーⅡB飛行は「技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合には、特段の手続き等なく飛行可能」としています(この場合も飛行マニュアルの作成と遵守が必要)。一方カテゴリーⅡA飛行は、技能証明と機体認証があっても、運航管理の方法について大臣の審査を受けて許可・承認を受けることになります。等級と限定をどう揃えるかは法人が従業員に国家資格を取らせるときの計画で扱っています。
レベル3は「補助者を配置しない目視外飛行」
審査要領(カテゴリーⅡ飛行)の5-4は、見出しが「目視外飛行を行う場合は、次に掲げる基準に適合すること。」です。「レベル3」という語は使われていません。レベル3と呼ばれる飛行の実体は、この5-4のうち補助者を配置しない場合の追加基準です。
| 区分 | 基準(審査要領5-4) |
|---|---|
| (1) 機体 | a) 自動操縦システムを装備し、機体のカメラ等で機外の様子を監視できること/b) 地上で位置と異常の有無を把握できること(不時着した場合を含む)/c) 不具合発生時に危機回避機能(フェールセーフ機能)が正常に作動すること |
| (1) d) 補助者を配置しない場合の追加 | ア) 灯火の装備または認識しやすい塗色 イ) 他の航空機・無人航空機の状況を随時把握できること ウ) 第三者に危害を加えないことを製造者等が証明した機能(立入管理区画を設定した場合の例外あり) エ) 針路・姿勢・高度・速度・気象状況の把握 オ) 計画経路と実位置の差の把握 カ) 機体の初期故障期間を超えた十分な飛行実績 |
| (2) 操縦する者 | a) モニターを見ながら遠隔操作で意図した経路を維持し、経路周辺に安全に着陸させられること/b) 補助者を配置しない場合は、遠隔からの異常状態の把握・判断・操作に関し座学・実技による教育訓練を少なくとも10時間以上 |
| (3) c) ア) 飛行経路 | 第三者が存在する可能性が低い場所を設定する。列挙は「山、海水域、河川・湖沼、森林、農用地、ゴルフ場又はこれらに類するもの」。やむを得ない場合は、幹線道路・鉄道や都市部以外の交通量が少ない道路・鉄道を横断する飛行と、家屋上空における一時的な飛行に限り可能。また、やむを得ず人又は家屋の密集している地域の上空を飛行経路として設定する場合には、第三者及び物件への危害を防ぐための十分な安全確保措置を講じること(2026年10月1日訂正:令和8年9月29日の審査要領改正でこの項の文言が変わりました。改正前は「人又は家屋の密集している地域以外の家屋上空における離着陸時等の一時的な飛行に限り可能」で、密集地域の上空についての定めはありませんでした) |
| (3) c) ウ)〜オ) | 不測の事態に備えた緊急時の実施手順と着陸場所の事前選定/飛行前の現場確認/飛行範囲の外周から製造者等が保証した落下距離の範囲内を立入管理区画に設定 |
| (3) c) キ)・(4) | 航空機の状況を随時確認できない場合は、経路周辺の航空機の運航者(救急医療用ヘリの運航者、警察、消防等)への飛行予定の周知、経路図・日時・高度・連絡先のインターネット等での公表、そして飛行を行う日の1開庁日前までに管轄地方航空局長へ飛行内容を通知 |
国土交通省の「補助者を配置しない目視外飛行(レベル3飛行)申請方法」は、申請先を「飛行させる空域を管轄する地方航空局等」とし、「各要件を必ず確認の上、飛行申請書を作成してください。各要件を満たさない場合、レベル3飛行を行うことは認めておりません」と書いています。
レベル3.5の3要件と手続き
レベル3.5は、レベルの中で唯一、通達に名前が書かれているものです。審査要領(カテゴリーⅡ飛行)5-4(3)c カ) は、立入管理区画を設定した場合の安全確保体制について4つの選択肢を挙げ、その(ⅲ)がレベル3.5です。
「第三者賠償責任保険に加入したうえで、無人航空機操縦者技能証明を保有する者が、5-4(1)d)ウ)(ⅲ)に定める方法に従い、機体に取り付けられたカメラを活用することにより、補助者や看板の配置などの立入管理措置をせずに、移動中の車両、列車又は船舶の上空を通過する場合を含む道路、鉄道又は船舶航路を一時的に横断する飛行(レベル3.5飛行)を行い、かつ、以下の要件に適合すること」
・機体に取り付けられたカメラにより進行方向の飛行経路の直下及びその周辺への第三者の立ち入りが無いことを確認できること。また、道路、鉄道及び船舶航路への墜落を避けるための緊急着陸地点の選定等、運航上の安全対策を設けていること。
・飛行させる無人航空機に対応した現に有効な無人航空機操縦者技能証明(目視内飛行の限定解除を受けたもの)を保有していること。
・第三者の負傷や交通障害等の不測の事態が発生した場合に十分な補償が可能な第三者賠償責任保険に加入していること。
教則(第5版)3.1.2(2)4)c(2) も同じ3要件を挙げ、1つ目については「機上カメラと地上に設置するモニター等の設備により…確認できることを事前に確認していること」と書いています。
| 要件 | 中身 | 実務での確認点 |
|---|---|---|
| 機上カメラ+地上モニター | 進行方向の飛行経路の直下とその周辺に第三者の立入りがないことを確認できること。事前に確認しておく | カメラ・通信装置・モニターの構成を変更したときも同様の事前確認が求められる(審査要領5-4(1)d ウ)(ⅲ)) |
| 技能証明 | 一等・二等を問わない。機体の種類・重量に対応し、目視内飛行の限定解除を受けたもの | 等級ではなく限定解除が要件。有効期間は技能証明の更新で確認 |
| 第三者賠償責任保険 | 不測の事態が発生した場合に十分な補償が可能なもの。加入が要件 | 必要な補償金額は「飛行の内容等によっても異なる」として事業者が設定するとされ、国の金額基準は示されていない |
手続きは2段構え
レベル3.5は、通常のレベル3の申請とは手続きが違います。国土交通省の資料「カテゴリーⅡ飛行(レベル3.5飛行)の許可・承認申請について」は、通常のレベル3飛行では様式3種と別添資料8種の提出を求めているところ、レベル3.5では「運航概要宣言書」の提出により提出資料の一部を不要または簡素化する、と説明しています。
・「一時的な道路等の横断に限って移動中の車両等の上空を飛行することを可能とするものであり、カテゴリーⅢ(レベル4)飛行と同様に歩行者等の第三者の上空の飛行を認めるものではない」
・「従来求められていた立入管理措置のうち補助者の配置や看板の設置等を機上カメラでの確認に代替するものであり、立入管理措置そのものが不要となるわけではない」
経路下に歩行者が入り得る場所を飛ばす計画なら、レベル3.5では足りず、カテゴリーⅢ飛行の要件の検討になります。
レベル4とカテゴリーⅢの関係
飛行許可・承認手続のページは、次のように書いています。
要件は3段です。一等無人航空機操縦士の技能証明、第一種機体認証、そのうえで国土交通大臣の許可・承認。教則3.1.1(2)5)b も同じ構造で書いています。申請は専用の審査要領に従い、飛行開始予定日の20開庁日前までに航空局安全部無人航空機安全課へ出します。リスク評価の結果を添付する点を含め、申請の実務はカテゴリーⅢ飛行の要件。20開庁日前とリスク評価にまとめています。
ここで押さえるべきは、「レベル4=カテゴリーⅢ」ではなく「レベル4を含むカテゴリーⅢ」という書き方です。カテゴリーⅢの定義は「特定飛行のうち立入管理措置を講じないで行うもの」で、目視外であることも補助者を置かないことも、定義には入っていません。定義どおりに読めば、立入管理措置を講じずに第三者の上空を飛ぶ飛行は、目視内であってもカテゴリーⅢと読めます。ただし国土交通省がその例を示しているわけではありません。
| レベル3.5飛行 | レベル3飛行(補助者なし目視外) | カテゴリーⅢ飛行(レベル4を含む) | |
|---|---|---|---|
| カテゴリー | カテゴリーⅡ | カテゴリーⅡ | カテゴリーⅢ |
| 立入管理措置 | 講じる。補助者・看板を機上カメラでの確認に代替 | 講じる。立入管理区画の設定+周知+必要なら追加の立入管理方法 | 講じない(第三者の上空を飛ぶ) |
| 飛べる場所 | 第三者が存在する可能性が低い場所。道路・鉄道・船舶航路の一時的な横断が可能。歩行者等がいる有人地帯上空は不可 | 山・海水域・河川・湖沼・森林・農用地・ゴルフ場等。やむを得ない場合の横断・一時的な家屋上空の例外あり | 第三者の上空 |
| 技能証明 | 一等・二等を問わない。目視内飛行の限定解除が必要 | 審査要領の追加基準(訓練10時間以上等)。等級の限定は要件に挙がっていない | 一等(飛行形態に応じた限定の範囲内) |
| 機体認証 | 要件に挙がっていない(機上カメラ等の設備が要件) | 要件に挙がっていない(機体の追加基準がある) | 第一種機体認証 |
| 保険 | 加入が要件 | 要件に挙がっていない(25kg以上は別途必要) | 加入状況を記載。未加入なら賠償能力の有無等を記載 |
| 申請先 | 事前相談は本省航空局。申請は東京航空局または大阪航空局 | 飛行させる空域を管轄する地方航空局等 | 国土交通大臣(窓口は無人航空機安全課) |
| 申請期限 | カテゴリーⅡ審査要領2-1(1)b)の10開庁日前まで。レベル3.5について別の期限を定めた記載は確認できない(資料は「審査期間の短縮」に触れるのみ) | 20開庁日前まで(カテゴリーⅢ審査要領2-1(1)b)) | |
判定は条文側の順番で行う
レベルから考え始めると、途中で必ず条文に引き戻されます。順番を逆にすると迷いません。
申請の全体の流れはドローンの飛行許可・承認申請 完全ガイド、繰り返し飛ばす場合の申請の組み方は包括申請とはを参照してください。飛行マニュアルを自分で作る場合は独自の飛行マニュアルを作るべきときと作り方があります。
よくある質問
- e-Gov法令検索|航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)
- e-Gov法令検索|航空法施行規則(昭和二十七年運輸省令第五十六号)
- 国土交通省|無人航空機の飛行の安全に関する教則 第5版(令和8年7月7日公布/令和8年7月14日適用)(PDF)
- 国土交通省|無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)令和8年9月29日最終改正(PDF)
- 国土交通省|無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅢ飛行)令和5年2月7日制定(PDF)
- 国土交通省|カテゴリーⅡ飛行(レベル3.5飛行)の許可・承認申請について(PDF)
- 国土交通省|航空局標準マニュアル(機上カメラ装置により立入管理措置をとる目視外飛行-「レベル3.5飛行」等-)(PDF)
- 国土交通省|補助者を配置しない目視外飛行(レベル3飛行)申請方法(PDF)
- 国土交通省|無人航空機の飛行許可・承認手続
- 国土交通省|無人航空機 飛行許可・承認申請ポータルサイト
- 国土交通省|無人航空機レベル4飛行ポータルサイト
- 国土交通省|レベル4飛行実現に向けた新たな制度整備(PDF)
- 内閣官房小型無人機等対策推進室|レベル4飛行の実現、さらにその先へ(令和4年3月)(PDF)
- 国土交通省|無人航空機に係る規制の運用における解釈について(令和8年4月1日最終改正)(PDF)
- 国土交通省|無人航空機の飛行に関する許可・承認申請書(様式)[カテゴリーⅡ飛行](Word)
- 国土交通省|無人航空機の飛行に関する許可・承認申請書(様式)[カテゴリーⅢ飛行](Word)