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太陽光発電設備の点検でドローンを使うのに必要な許可・承認と、電気事業法の点検義務

公開 2026-10-07 更新 2026-10-07 読了 約17分

太陽光発電設備の点検は、低い高度で設備のすぐ上を飛ぶ作業です。そのため航空法側では「人又は物件から30m未満の飛行」の承認(航空法第132条の86第2項第3号)に当たりやすく、広い発電所を自動航行で回るなら目視外飛行の承認も絡みます。 ただし30mを保つべき「人」は第三者に限られ、「物件」から土地と自然物は除かれます(解釈通達3.(7))。この線引きは、柵で囲われた野立ての発電所を飛ぶときの設計を大きく変えます。 もう一方の電気事業法側は、出力10kWと50kWで課される義務が変わります。そして「点検が義務」と言えるのは、条文が点検を直接命じているからではなく、技術基準への適合を維持する義務(電気事業法第39条第1項)と、保安規程・届出事項・外部委託の要件という別の入口から現れるためです。 この記事は、その2つの法律をそれぞれ条文単位で整理し、点検の方法としてドローンを使うことについて国が何をどこまで書いているかを原文で確認します。橋梁・プラント等の点検全般はインフラ点検でドローンを使うのに必要な許可・承認、建築物の外壁の赤外線調査は建築物の外壁調査(定期報告)にドローンを使うで扱います。

よく見る説明と、公式の記載
太陽光の点検は航空法と電気事業法の2つがかかる領域で、どちらの側にも条文上の裏付けがない説明が流通しています。この記事で扱う範囲について、一次ソースの記載と突き合わせます。
よく見る説明パネルの上を低く飛ぶだけなら、下は地面と設備だから30m未満の承認は要らない。
公式にはこう解釈通達が距離を保つべき物件から除いているのは土地と自然物です。第三者の「建築物その他の相当の大きさを有する工作物」は物件に当たり、通達が例示する工作物には変電所・鉄塔・電柱・電線が並んでいます。発電所の構内には通常これらがあります。
出典 無人航空機に係る規制の運用における解釈について 3.(7)
よく見る説明太陽光発電設備は電気事業法で定期点検が義務づけられている。
公式にはこう第39条第1項が課しているのは技術基準に「適合するように維持」する義務です。点検は、50kW以上なら保安規程の記載事項(施行規則第50条第3項第3号)、10kW以上50kW未満なら届出事項の「点検の頻度」(同第57条第2項第6号)、外部委託なら告示の頻度(同第53条第2項第5号)という別の入口から現れます。
出典 電気事業法第39条/同施行規則第50条・第53条・第57条
よく見る説明国の告示でドローンの赤外線調査が認められたから、太陽光パネルの点検にもそのまま使える。
公式にはこうその告示(平成20年国土交通省告示第282号)は建築基準法第12条の定期報告における外壁のタイル等の調査方法として無人航空機による赤外線調査を位置づけたものです。電気事業法の太陽電池発電設備の点検に適用されるものではありません。
出典 同告示 別表第一 二(十一)/建築基準法第12条

発電所の上を低く飛ぶと、まず30m未満に当たる

太陽光発電設備の点検でドローンを使う目的は、たいてい次のいずれかです。パネル面の破損・汚損・ホットスポットの発見、架台や基礎の変形・腐食の確認、草木の繁茂やパネルへの影の状況、法面や造成地の侵食・土砂の流出、台風や降雪のあとの被害の全体把握。いずれも、地上から歩いて見るより上から面で見たほうが速いという理由で選ばれます。

ここで効いてくるのが、航空法第132条の86第2項第3号です。無人航空機を飛行させる方法として「地上又は水上の人又は物件との間に国土交通省令で定める距離を保って飛行させること」が定められており、その距離が航空法施行規則第236条の79で30mと定められています。この距離を保てない飛行は国土交通大臣の承認が必要です(同条第3項)。

パネル面を意味のある解像度で撮るには、機体をパネルから十数メートル以内に下ろすことになります。架台の腐食や基礎の浮き上がりを見るなら、さらに寄ります。発電所の構内には、パネルと架台のほかに、パワーコンディショナー、集電箱、キュービクル式の受変電設備、昇圧用の変圧器、構内の電柱と電線、フェンスがあります。これらは高さこそ低いものの、機体との水平距離も含めた「距離」で見れば、30mを保つのは容易ではありません。

「距離」は高度ではなく、機体と物件の距離です。 対地高度を30m以上に上げても、水平方向に30m以内の位置に第三者の物件があれば、その物件との距離は30m未満です。発電所の隣地に住宅や倉庫が接している案件、構外の配電線が敷地際を通っている案件では、高度を上げれば解決するという整理にはなりません。まず「30m未満に当たる前提」で組み、そこから外せる根拠があるかを確認する順序のほうが、設計を間違えにくくなります。

なお、審査要領では30m未満の飛行は第5章の5-5「地上又は水上の人又は物件との間に30mの距離を保てない飛行」という節で扱われます。節番号は原本では全角で書かれているため、PDFを半角の「5-5」で検索してもヒットしません。

30mの「人」は第三者。「物件」から土地と自然物は外れる

ここが太陽光の点検でいちばん効く解釈です。国土交通省の解釈通達(平成27年11月17日制定、令和8年4月1日最終改正)の3.(7)は、30mを保つべき「人」と「物件」を次のように定義しています。原文どおり引用します。

○「人」とは、操縦者及びその関係者(無人航空機の飛行に直接的又は間接的に関与している者)以外の者(第三者)をいう。
○「物件」とは、次に掲げるもののうち、操縦者及びその関係者…が所有又は管理する物件以外のもの(第三者の物件)をいう。
 a)中に人が存在することが想定される機器(車両等)
 b)建築物その他の相当の大きさを有する工作物
 具体的な例:車両等=自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン 等/工作物=ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯 等
※なお、以下の物件は、本規定の趣旨に鑑み、本規定の距離を保つべき物件には該当しない。
 a)土地(田畑用地及び舗装された土地(道路の路面等)、堤防、鉄道の線路等であって土地と一体となっているものを含む。)
 b)自然物(樹木、雑草 等)

太陽光の現場に当てはめると、読み方はこうなります。

発電所にあるもの30m未満の承認との関係
造成地・農地・法面・雑草・立木 距離を保つべき物件には該当しません。通達が土地と自然物を明文で除いています。地面の上を低く飛ぶこと自体が30m未満に当たるわけではありません
構内の受変電設備・キュービクル・変圧器・電柱・電線 通達が例示する工作物そのものです。これが第三者の物件であれば該当します
太陽電池モジュールと架台(太陽電池アレイ) 通達の例示にアレイを名指ししたものはありません。ただし「建築物その他の相当の大きさを有する工作物」に当たらないと公式に示されたものでもありません。発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令は架台を「支持物」という工作物として扱っており、第三者の物件として扱う前提で設計するのが安全です
発注者(発電所の所有者・O&M事業者)が所有する設備 通達は、飛行に直接的又は間接的に関与している者が所有・管理する物件を30mの対象から除いています。発注者が間接関与者に当たるかは同通達6.(1)②の3要件(飛行目的の共通認識/計画外の挙動時に従うべき明確な指示と安全上の注意/関与を自ら決定できること)次第で、一律には決まりません
隣地の住宅・倉庫、敷地際の配電線、前面道路の車両 発注者の関与とは無関係に第三者の物件です。敷地の外に30m以内で接するものがあるかを、経路図の上で確認してください
現場にいる操縦者・補助者・自社の作業員 第三者に当たらないため、この人たちとの距離だけを理由に承認が必要になるものではないと読めます
草刈り業者、除雪業者、見学者、隣地の通行人 飛行に関与していなければ第三者です。作業日が重なる下請の作業員は、関与者として位置づけるのか第三者として扱うのかを事前に決めておく必要があります
「土地は物件でない」は、承認を不要にする万能の根拠ではありません。 この除外が効くのは、飛ぶ範囲に第三者も第三者の物件もない場合だけです。太陽光の発電所は、パネルの下は土地であっても、構内には工作物が並び、外周には隣地と道路があります。この解釈が実務で意味を持つのは、承認が要らなくなる場面ではなく、「誰と何との距離を管理対象として数えるのか」を飛行計画の上で確定できることです。数える対象が決まらないと、立入管理措置の設計も決まりません。

柵で囲われ、敷地内に第三者がいない発電所の整理

野立ての太陽光発電所は、多くの場合柵又は塀で囲われています。これは航空法のためではなく、後述するFIT・FIPの認定基準(再エネ特措法施行規則第5条第3号)が、適切な保守点検及び維持管理のために柵又は塀の設置その他の必要な体制を求めているためです。結果として、点検の当日は関係者しかいない閉じた区域ができあがります。

この状況は、航空法上は次のように分解できます。混ざりやすいので、3つのレイヤーに切り分けてください。

第三者がいるかどうか=30m未満の承認の要否に関わる論点。柵の中に関与者しかいないなら、少なくとも「人」との距離は問題になりません
第三者の物件があるかどうか=同じ承認の、もう一方の論点。柵の中の設備が発注者のもので、発注者が間接関与者に当たるなら外れ得ます。柵の外にある隣地の建物・電線・車両は外れません
立入管理措置を講じているかどうか=カテゴリーⅡとカテゴリーⅢを分ける論点(立入管理措置とは)。柵は「立入りを制限する区画の設定」(施行規則第236条の70)として噛み合いやすい設備です
これらとは別に残るもの=DID上空の許可、目視外飛行の承認、夜間飛行の承認。第三者がいないことでは外れません
「柵の中だから何も要らない」という整理にはなりません。 立入管理措置を講じてもカテゴリーⅡの特定飛行であることは変わらず、許可・承認そのものが消えるわけではありません。カテゴリーⅡの一部について許可・承認を不要にできる制度は別にあり、そちらは技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させることなど5つの条件をすべて満たす必要があります(認証機体を買うか、許可・承認で回すか)。さらに、解釈通達は立入管理区画の設定にあたり落下分散範囲も考慮するよう求めています。柵の内側ぎりぎりを飛ぶ経路は、落下分散範囲が柵の外に出ていないかを確認してください。

立入管理措置の実務では、柵があることに加えて関係者以外の立入りを制限する旨の看板・コーン等による表示が求められます。無人の発電所は日常的に無人であるぶん、点検当日に「今ここでドローンを飛ばしている」ことを示す表示が抜けがちです。常設のフェンスと、当日の一時的な表示は別物として手順に入れてください。

DID上空・目視外・夜間に当たる場面

DID上空(人口集中地区の上空)

航空法第132条の85第1項第2号、施行規則第236条の72。太陽光は郊外・山間部の案件が多く、DIDに当たらない現場も相当あります。一方で屋根置きの太陽光、工場・倉庫・店舗の屋上、住宅地に隣接する低圧の連系案件はDIDに入りやすいのが実態です。そして解釈通達は「人口集中地区内の私有地内における飛行であっても…人口集中地区内である限り、飛行の禁止空域に該当する」としており、自社の敷地でも柵の中でも、DIDならDIDの許可が必要です。

ただし2026年7月1日から、用途地域が「工業専用地域」の区域はDIDの許可の対象外になりました(国土交通省告示第435号)。国土交通省は「工業専用地域を飛行する場合は、人口集中地区(DID)に該当する場所であっても『人又は家屋の密集している地域』の飛行許可は不要」と説明しています(解説資料)。臨海部の工場屋根に載った自家消費型の太陽光では、まず用途地域を確認する価値があります。対象は工業専用地域だけで、工業地域・準工業地域は含まれず、該当するかは自治体に確認するよう案内されています。詳しくは工業専用地域は、DIDの中でもDIDの飛行許可が要らなくなったで整理しています。

注意:解釈通達2.(1)の※書きには、いまも「現在、人又は家屋の密集している地域から除外する地域として告示で定める地域はない」という記述が残っています。これは告示第435号の適用日(2026年7月1日)より前の状態を書いたものです。通達と告示の日付を突き合わせずに読むと、除外が存在しないと誤読します。

目視外飛行

航空法第132条の86第2項第2号。太陽光でこれが問題になるのは、広い発電所を自動航行で系統的に撮る場面です。数ヘクタールから数十ヘクタールの区画を一定高度・一定間隔で往復させる飛び方は、機体が遠くまで行きます。解釈通達は、ここでいう「目視」は操縦者本人が自分の目で見ることをいい、補助者による目視は該当せず、モニターや双眼鏡・カメラを用いて見ることも目視には当たらないとしています。

つまり自動航行そのものが目視外飛行なのではなく、操縦者本人が機体を肉眼で見続けられなくなった時点で目視外飛行です。離陸地点から見通しのきくワンスパンの区画なら目視内で収まることもありますし、造成の段差や樹林帯を挟む区画なら、自動航行でなくても目視外になります。判断の基準は「自動かどうか」ではなく「操縦者本人の目に入っているか」です。

夜間飛行

航空法第132条の86第2項第1号。日出から日没までの間以外の飛行です。太陽光の点検は日射がある時間帯に行うのが基本なので、夜間に当たる場面は多くありません。ただし撮影の時間帯を日の入り前後にかけて確保する運用や、台風・降雪の直後に急いで全域を把握する必要が出た場合には、日没をまたぐことがあります。日出・日没は国立天文台が発表する時刻で、地域ごとに異なります。

150m以上と、空港等の周辺

太陽光の点検で地表又は水面から150m以上(第132条の85第1項第1号、施行規則第236条の71第1項第5号)に達することは通常ありません。一方で空港等の周辺(同第1〜3号)は、空港に隣接する遊休地や空港の敷地内に設けられた発電設備では現実に当たり得ます。この飛行は後述のとおり許可・承認を不要にできない類型で、場所を特定しない申請でも扱えないため、案件ごとの個別申請になります。

緊急用務空域は、許可があっても飛行できません。 災害・事故の発生時、国土交通大臣が緊急用務空域を指定することがあります。この空域は、空港等周辺・150m以上・DID上空の許可を持っていても飛行できません。さらに施行規則第236条の71第4項は、飛行を開始する前に、飛行させる空域が緊急用務空域に該当するか否かを確認する義務を課しています。台風や大雪、地震の直後に発電所の被害を見に行く飛行は、この確認が最も必要になる場面です。災害後の出動手順にチェック項目として組み込んでください。

太陽光の点検で当たる特定飛行の一覧

ここまでを1枚に整理します。特定飛行は「空域」の類型と「方法」の類型に分かれ、空域は許可、方法は承認の対象です。

類型根拠条文太陽光の点検での当たり方頻度
人又は物件から
30m未満
(承認)
法第132条の86
第2項第3号
規則第236条の79
本体の論点。構内の受変電設備・電柱・電線、隣地の建物、前面道路の車両が第三者の物件なら該当します。土地と自然物は物件に当たりません 高い
目視外飛行
(承認)
法第132条の86
第2項第2号
広い発電所を系統的に飛ぶ場合。モニター監視・補助者の目視は「目視」に当たりません 高い(大規模)
DID上空
(許可)
法第132条の85
第1項第2号
規則第236条の72
屋根置き・屋上・住宅地に隣接する案件。柵の中でもDIDならDID。ただし工業専用地域は2026年7月1日から対象外 中(屋根置きは高い)
夜間飛行
(承認)
法第132条の86
第2項第1号
日没をまたぐ運用、災害直後の緊急の把握 低〜中
空港等周辺
(許可)
法第132条の85
第1項第1号
規則第236条の71
第1項第1〜3号
空港に隣接・空港敷地内の発電設備。場所を特定した申請が必要 低(該当時は必須)
150m以上
(許可)
法第132条の85
第1項第1号
規則第236条の71
第1項第5号
通常は当たりません ごく低い
緊急用務空域
(飛行不可)
規則第236条の71
第1項第4号・第4項
許可があっても飛行できません。飛行開始前の該当性確認が義務です 災害時
催し場所上空
危険物輸送
物件投下
法第132条の86
第2項第4〜6号
点検業務では想定されにくい類型。ただし該当すると使える飛行マニュアルが変わります 低

申請の実務では、太陽光の点検は同一の事業者が複数の発電所を反復して回る形になりやすいため、包括申請との相性が良い領域です(包括申請とは、全国包括は取れるか)。使える飛行マニュアルについては、インフラ点検専用の標準マニュアルの適用範囲が論点になります。インフラ点検版の標準マニュアル01は「インフラ点検及び設備メンテナンス(プラント保守)を目的とした申請」に適用するとされていますが、太陽光発電設備の点検がこの「インフラ点検」に含まれるかは、公式には明示されていません。一般版の標準マニュアル01・02を使うか独自マニュアルを作るかの判断は、インフラ点検専用の標準マニュアルがある。一般版との違いと独自の飛行マニュアルを作るべきときと作り方を併せて見てください。許可と承認の切り分けそのものはドローンの飛行許可・承認申請 完全ガイドで扱っています。

係留の特例については、この記事では深追いしません。 施行規則第236条の76および第236条の82第1号は、十分な強度を有する紐等(長さ30m以下)で係留し、その範囲内に地上・水上の物件が存せず、立入管理措置を講じる場合に一部の許可・承認を不要とします。条文上は「範囲内に物件が存しない」ことが要件であり、この要件と、解釈通達4.(1)が係留と認めている主索・ガイドレール方式との関係は公式に説明されていません。詳細は30m以下の係留で許可・承認が不要になる範囲をご覧ください。

電気事業法側。10kWと50kWで義務が変わる

ここから電気事業法です。太陽光の点検を仕事にするなら、その発電設備が電気事業法上どの区分なのかを最初に確定するのが出発点になります。区分が変われば、そもそも課されている義務が変わるためです。

区分の境目は、電気事業法施行規則第48条にあります。第2項第1号が「太陽電池発電設備であって出力五十キロワット未満のもの」を小規模発電設備とし、第4項第1号が法第38条第1項第2号イの出力を太陽電池発電設備について十キロワットと定めています。いずれも、2以上の設備を同一構内にかつ電気的に接続して設置する場合は出力の合計で見ます。

出力電気事業法上の区分主な義務
10kW未満 一般用電気工作物
(法第38条第1項第2号)
設置者に第39条の維持義務はかかりません。技術基準への適合は、電線路維持運用者による調査の義務(法第57条)と技術基準適合命令(法第56条)で担保される建てつけです
10kW以上
50kW未満
小規模事業用電気工作物
(法第38条第3項第1号)
①技術基準適合維持義務(法第39条第1項)②使用開始前の届出(法第46条第1項)。届出事項には「点検の頻度」が含まれます(施行規則第57条第2項第6号)③使用前自己確認と結果の届出(法第51条の2)。保安規程の届出と主任技術者の選任は義務ではありません
50kW以上 事業用電気工作物
(小規模事業用電気工作物を除く)
①技術基準適合維持義務(法第39条第1項)②保安規程の届出と遵守(法第42条)③主任技術者の選任(法第43条)④2,000kW未満なら使用前自己確認(法第51条の2、施行規則別表第六2)
参考:
5,000kW未満
同上 保安管理業務の外部委託承認の対象。出力5,000kW未満の太陽電池発電所であって電圧7,000V以下で連系等をするものは、要件に該当する者と委託契約を結び承認を受けることで電気主任技術者を選任しないことができます(施行規則第52条第2項第1号)
「主任技術者の選任義務がない」根拠は条文の括弧書きです。 法第42条第1項は「事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。以下この款において同じ。)を設置する者は…保安規程を定め」と書いています。この「以下この款において同じ」が、同じ款(第二款 自主的な保安=第42条から第46条まで)にある第43条の主任技術者にも及ぶため、10kW以上50kW未満の太陽光には主任技術者の選任義務がかかりません。条文を第43条だけ読むと、この結論にたどり着けません。

使用前自己確認の対象は、法第51条の2第1項の「主務省令で定めるもの」を施行規則第74条が別表第六に委ね、その別表第六 2が「太陽電池発電所又は太陽電池発電設備であって、出力十キロワット以上二千キロワット未満のもの」としています。つまり使用前自己確認の範囲は10kW以上2,000kW未満で、区分とは境目が違います。ここも混ざりやすい箇所です。

そして、太陽光には法第55条の定期安全管理検査(定期自主検査)の義務がありません。施行規則第94条が対象として列挙しているのは火力・燃料電池の設備と出力500kW以上の風力発電設備で、太陽電池発電設備は入っていません。「電気事業法に定期検査の規定がある」と説明されている場合、それは太陽光の話ではありません。

「点検が義務」と書けるのはどこまでか

ここが、この記事でいちばん慎重に書くべき部分です。結論から言うと、電気事業法は「太陽光発電設備を定期に点検せよ」という条文を置いていません。置いているのは、次の2つです。

  1. 技術基準に適合するように維持する義務(法第39条第1項)。これは結果としての状態を求める義務で、点検という行為を直接命じたものではありません
  2. その維持を実現する手段として、点検を各所に組み込む仕組み

2つ目の「各所」が、実務で「点検義務」と呼ばれているものの中身です。出力区分ごとに、条文上の現れ方が違います。

入口根拠何が求められるか
保安規程
(50kW以上)
法第42条
施行規則第50条第3項第3号
保安規程に「事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための巡視、点検及び検査に関すること」を定めること。頻度も方法も、設置者が自分の保安規程に書いた内容が基準になります。第8号で使用前自己確認の実施体制と記録の保存も定めます
届出事項の「点検の頻度」
(10kW以上50kW未満)
法第46条第1項
施行規則第57条第2項第6号
使用開始前の届出で、点検の頻度を申告します。保安の監督に係る業務を担当する者(委託する場合はその委託先)の氏名・住所・連絡先も届出事項です(同項第4号・第5号)
外部委託承認の要件
(主に50kW以上)
施行規則第52条第2項
同第53条第2項第5号
承認の基準として、「申請事業場の電気工作物の点検を、別に告示する頻度で行うこと…が委託契約に定められていること」。頻度の実体は告示(平成15年経済産業省告示第249号)側にあります
技術基準そのもの 発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令
(令和3年経済産業省令第29号)
全6条。人体への危害・物件への損傷の防止、取扱者以外の者に対する危険表示と接近防止措置、支持物の構造等(荷重・許容応力度・材料・接合部・基礎。設置面からのアレイ最高高さが9mを超える場合は建築基準法の構造強度規定に適合)、土砂の流出及び崩壊の防止、公害等の防止。点検の実施・頻度・方法を定めた条はありません
この構造が分かると、点検の中身を誰が決めているのかが見えます。 技術基準は「支持物が荷重に対して安定であること」「土砂流出又は地盤の崩壊を防止する措置を講じること」といった状態を求めています。その状態が保たれているかを確かめる行為が点検であり、何をどの頻度でどう見るかは、50kW以上なら設置者の保安規程、10kW以上50kW未満なら届出で申告した頻度が基準になります。点検を受託する側から見れば、相手の保安規程(又は届出内容)に書かれている点検が、実際に行われた状態になることが成果物です。

もう一つ、頻度について実務で効く確認事項があります。経済産業省の主任技術者制度に関するQ&A(令和8年10月、産業保安・安全グループ電力安全課。2026年10月1日訂正:版表記を令和8年1月から改めました。以下の引用文は同じです)は、外部委託の点検頻度について次のように書いています。

「例えば、出力50kWで余剰買取制度に基づく(受変電設備は需要設備と共用)太陽電池発電所が設置される場合、当該発電所はパネル,パワコン部分のみであるため毎年2回以上、需要設備は隔月1回以上の点検頻度となります。」
また、離島などの過疎地域について「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)4.(9)『過疎地域等の自家用電気工作物に対する措置』は、当該内規における審査基準のみを緩和するものであり、施行規則や告示に定める要件には適用できないものとして取扱います。よって、離島等の過疎地域であっても告示で定める点検頻度を緩和することはできません。」

この頻度は、外部委託承認を受けた事業場について委託契約に定めるべき頻度の話です。設備の区分・受変電設備の共用の有無・買取制度の別で変わるため、案件ごとに告示と委託契約を確認する必要があります。ここに数値を一般化して書くと必ず外れます。

点検の方法にドローンを使えるか。法令は方法を定めていない

この記事を読む理由のほとんどはここだと思います。結論を先に書きます。

電気事業法とその施行規則、発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令、主任技術者制度の解釈及び運用(内規)、同Q&Aのいずれにも、点検の方法として無人航空機(ドローン)を挙げた規定は見当たりません。 内規全37ページ・Q&A全39ページを原本から機械検索して、「ドローン」「無人航空機」はいずれも0件です。つまり「国がドローン点検を認めた規定」も「禁じた規定」も、確認できませんでした。方法を定めた規定がないということは、方法は設置者が保安規程(又は届出で申告した点検)の中で定める領域に置かれている、という意味になります。

では、遠隔から点検することについて国は何も書いていないのか。ここは書いています。ただしドローンではなく「遠隔地からの月次点検」という枠組みです。

主任技術者制度の解釈及び運用(内規)4.(7)②のなお書きは、外部委託承認を受けた太陽電池発電所(告示第4条第4号に規定するもの。受変電設備を除く)の月次点検について、「電気管理技術者等が当該設備の設置場所(現地)と異なる場所(遠隔地)から適確に行える場合にあっては、現地又は遠隔地のいずれかで行うことができる」としています。そして「遠隔地で点検を実施する場合にあっては、その旨を保安規程に規定すること」と続きます。

「遠隔地から適確に行える場合」の中身は、先のQ&Aに書かれています。

「Q.太陽電池発電所の月次点検について、遠隔地から適確に点検を行える場合とは、どのような場合を指すのでしょうか?
A.保安規程に基づく外観点検等の項目のうち、遠隔監視システムで取得できるデータや監視カメラで確認できる項目が遠隔地で点検できる場合を指します。なお、遠隔地で点検できない項目については、現地での点検が必要となります。」

ここで言う外観点検の項目は、内規4.(7)②イが列挙しています。(a)電気工作物の異音、異臭、損傷、汚損等の有無(b)電線とそれ以外の物との離隔距離の適否(c)機械器具、配線の取付け状態及び過熱の有無(d)接地線等の保安装置の取付け状態(e)その他必要に応じて、保安規程に定める項目。「異音」「異臭」が入っている点に注目してください。カメラでもドローンでも取れない項目は、遠隔では完結しません。

無人航空機による撮影が、この「遠隔監視システムで取得できるデータや監視カメラで確認できる項目」に当たるかどうかは、内規にもQ&Aにも書かれていません。 文言は「遠隔監視システム」と「監視カメラ」で、機体に載せたカメラで現地上空から撮ることを指しているとは読めません。そもそもドローンを飛ばすなら人が現地にいるため、「現地と異なる場所から行う点検」という前提と噛み合いません。この記事では、ドローン撮影が遠隔地からの月次点検に当たるとは書きません。月次点検の頻度・方法が絡む案件では、事前に管轄の産業保安監督部へ確認するのが確実です。

実務的な整理としては、次の3層で考えると設計を間違えにくくなります。

層位置づけドローンの使い方
①法令が定めている層 技術基準への適合維持(法第39条)、保安規程の届出と遵守(法第42条)、届出の点検の頻度(施行規則第57条第2項第6号)、外部委託の頻度(同第53条第2項第5号) 方法の定めはありません。ドローンを使うかどうかは、この層では決まりません
②設置者の保安規程が定めている層 巡視・点検・検査の項目、頻度、実施者、記録(施行規則第50条第3項第3号・第7号) ここに書き込めば、ドローンによる撮影を点検の手段として位置づけられます。保安規程を変更したときは遅滞なく届出が必要です(法第42条第2項)
③航空法が定めている層 30m未満・目視外・夜間の承認、DID上空の許可、飛行計画の通報、飛行日誌 ①②とは完全に別のレイヤーです。保安規程にドローンと書いても航空法の手続は免除されず、航空法の承認があっても保安規程上の点検として扱えるとは限りません

受託する立場からは、「発注者の保安規程に、こちらが提供する飛行と撮影が点検としてどう位置づけられているか」を契約前に確認しておくのが要点です。これが曖昧なまま撮影データだけ納めると、発注者側で点検記録として使えないという形の齟齬が起きます。

赤外線カメラ。外壁調査の告示は太陽光には適用されない

太陽光の点検でドローンに赤外線カメラを載せるのは、パネルのセル単位の温度差からホットスポットや断線を探すためです。ここで必ず混ざるのが、建築物の外壁調査で赤外線調査が認められた話です。まったく別の制度なので、切り分けます。

建築物の外壁の赤外線調査太陽光発電設備の赤外線撮影
根拠法 建築基準法第12条(定期報告制度) 電気事業法第39条・第42条ほか
方法を定めた規定 あります。平成20年国土交通省告示第282号 別表第一 二(十一)が、外装仕上げ材等の調査方法として「テストハンマーによる打診等(無人航空機による赤外線調査であって、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものを含む。)」と定めています ありません。電気事業法・施行規則・技術基準の省令・内規・Q&Aに、点検の方法を定めた規定は見当たりません
実施者の資格 報告は一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員に調査させて行います(建築基準法第12条第1項) 50kW以上は主任技術者(外部委託承認を受けた場合は電気管理技術者等)の監督の下。撮影者の資格を定めた規定は見当たりません
この記事での扱い 詳細は建築物の外壁調査(定期報告)にドローンを使うで扱います 外壁調査の告示を根拠に「太陽光でも認められている」と書くことはできません
民間団体のガイドラインについて。 太陽光の赤外線点検については、業界団体や機器メーカーが手順書やガイドラインを公開しています。これらは民間団体の資料であり、法令・告示・通達・内規とは性質が違います。実務の参考になることは否定しませんが、「国が認めている」の根拠にはなりません。本記事では一次ソースで確認できた範囲のみを扱っています。

航空法の側では、赤外線カメラを載せること自体に固有の手続はありません。載せるカメラの種類ではなく、どこをどう飛ぶかで許可・承認が決まります。ただし赤外線の撮影条件(日射のある時間帯、パネル面と一定の角度、一定の離隔距離)を満たす経路は、結果として設備に寄る経路になりやすく、30m未満の承認に当たりやすくなります。

FIT・FIPの認定基準に書かれていること

太陽光の点検を語るときに必ず出てくるのがFIT・FIPです。ここも一次ソースの範囲を守って書きます。

再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則第5条(認定基準)第3号は、次のように定めています。

「当該認定の申請に係る再生可能エネルギー発電設備を適切に保守点検及び維持管理するため、柵又は塀の設置(当該再生可能エネルギー発電設備が、当該認定の申請に係る再生可能エネルギー発電事業を行おうとする者その他の関係者以外の者が立ち入ることのできない場所に設置される場合を除く。)その他の必要な体制を整備し、実施するものであること。」

ここから確定することは2つです。①保守点検及び維持管理のための体制を整備し、実施することが認定基準になっていること。②その手段として柵又は塀の設置が明文で挙げられていること(関係者以外が立ち入れない場所に設置される場合を除く)。

一方で、同条には点検の方法・頻度・実施者の資格を定めた規定はありません。したがって「FITの認定を受けているから年◯回の点検が義務」といった形の断定は、この条文からは出てきません。点検の頻度は、あくまで電気事業法側(保安規程・届出の申告・外部委託の告示)で決まります。

なお同条第5号は、設備の外部から見やすいように事業者の氏名等を記載した標識を掲げることを求めており、太陽光発電設備であって出力20kW未満のもの又は屋根に設けるものは除かれます。現場に着いたときに標識の有無で規模感を推測できることがある、という程度の実務知識として覚えておくと便利です。

柵又は塀は、航空法の立入管理措置と目的が違います。 認定基準の柵は保守点検及び維持管理のためのもので、設置者に課されたものです。航空法の立入管理措置は、飛行経路下への第三者の立入りを管理する措置であり、飛行させる者が講じるものです。結果として同じフェンスが両方の役割を果たすことはありますが、「柵があるから立入管理措置を講じている」と自動的になるわけではありません。落下分散範囲を考慮した区画の範囲と、当日の表示が必要になります。

よくある質問

太陽光の点検で最初に確認すべき許可・承認は何ですか。
人又は物件から30m未満の飛行の承認(航空法第132条の86第2項第3号、距離は施行規則第236条の79)です。設備に寄って撮る作業である以上、構内の受変電設備・電柱・電線や、隣地の建物・道路上の車両との距離が問題になります。ただし解釈通達は土地と自然物を距離を保つべき物件から除いており、パネルの下の地面や草木はここに当たりません。飛ぶ範囲に第三者と第三者の物件があるかを、経路図の上で確定してください。
パネルの上を高さ5mで飛ぶだけなら、30m未満に当たりませんか。
当たるかどうかは高度では決まりません。「距離」は機体と人・物件との距離であり、水平方向も含みます。土地と自然物は物件に該当しないため、地面の上を低く飛ぶこと自体が該当するわけではありませんが、太陽電池アレイを「建築物その他の相当の大きさを有する工作物」に当たらないと公式に示したものはありません(通達の例示に名指しはありません)。また構内には変電所・電柱・電線という通達が例示する工作物が通常あり、外周には隣地の建物があります。第三者の物件として扱う前提で設計するのが安全側です。
柵の中に自社の作業員と発注者の担当者しかいません。30m未満の承認は不要ですか。
「人」の側は問題になりません。操縦者・補助者・自社の作業員は第三者に当たらず、発注者の担当者も解釈通達6.(1)②の3要件(飛行目的の共通認識/計画外の挙動時に従うべき明確な指示と安全上の注意/関与を自ら決定できること)を満たせば間接関与者です。ただし「物件」の側が残ります。構内の設備が発注者のもので発注者が間接関与者に当たるなら外れ得ますが、要件を満たすと言い切れない場合や、柵の外の建物・電線・車両が30m以内にある場合は該当します。加えて、DID上空の許可・目視外・夜間の承認は、第三者がいないことでは外れません。
出力30kWの屋根設置太陽光を点検します。電気事業法上はどんな手続がある設備ですか。
小規模事業用電気工作物です(10kW以上50kW未満。施行規則第48条第4項第1号と法第38条第3項第1号)。設置者には①技術基準適合維持義務(法第39条第1項)②使用開始前の届出(法第46条第1項。届出事項に「点検の頻度」が含まれます。施行規則第57条第2項第6号)③使用前自己確認と結果の届出(法第51条の2、別表第六2)がかかります。保安規程の届出と主任技術者の選任は義務ではありません。点検の中身は、②で申告した頻度が基準になります。
電気事業法は、点検にドローンを使うことを認めていますか。
認めた規定も禁じた規定も確認できませんでした。電気事業法・同施行規則・発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令・主任技術者制度の解釈及び運用(内規)・同Q&Aを原本から確認したところ、「ドローン」「無人航空機」はいずれも出現しません。法令は点検の方法を定めておらず、方法は50kW以上なら設置者の保安規程、10kW以上50kW未満なら届出で申告した点検の中で定まります。したがって実務上の問いは「法令が認めているか」ではなく「発注者の保安規程にどう書かれているか」です。
遠隔監視で月次点検ができるなら、ドローン撮影でもよいのではないですか。
内規4.(7)②のなお書きは、外部委託承認を受けた太陽電池発電所(受変電設備を除く)の月次点検を「現地と異なる場所(遠隔地)から適確に行える場合」に遠隔地で行えるとし、Q&Aはその中身を「遠隔監視システムで取得できるデータや監視カメラで確認できる項目が遠隔地で点検できる場合」と説明しています。無人航空機による撮影がこれに当たるとは、内規にもQ&Aにも書かれていません。文言は遠隔監視システムと監視カメラで、ドローンを飛ばす場合は人が現地にいるため「現地と異なる場所」という前提とも噛み合いません。また外観点検の項目には異音・異臭が入っており、遠隔で完結しない項目は現地での点検が必要とされています。月次点検の扱いが絡む案件は、事前に管轄の産業保安監督部へ確認してください。
国の告示でドローンの赤外線調査が認められたと聞きました。太陽光でも使えますか。
その告示は平成20年国土交通省告示第282号で、建築基準法第12条の定期報告における建築物の外壁のタイル等の調査方法として「無人航空機による赤外線調査であって、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するもの」を打診等に含めたものです。電気事業法の太陽電池発電設備の点検に適用されるものではありません。制度が違い、根拠法も実施者の資格要件も違います。外壁調査については建築物の外壁調査(定期報告)にドローンを使うで扱っています。
20ヘクタールの発電所を自動航行で一周させたいのですが、何が必要ですか。
まず目視外飛行の承認(法第132条の86第2項第2号)を検討してください。判断の基準は自動航行かどうかではなく、操縦者本人が機体を肉眼で見続けられるかです。解釈通達は、補助者による目視もモニターによる監視も「目視」に当たらないとしています。これに加えて30m未満の承認、DIDなら許可が乗ります。反復・複数場所で飛ぶなら包括申請が現実的です。なお、立入管理措置を講じないで第三者の上空を飛ぶ形態はカテゴリーⅢ飛行となり、要件が大きく変わります。
FITの認定を受けている発電所だと、点検について追加の義務がありますか。
再エネ特措法施行規則第5条第3号が、認定基準として「適切に保守点検及び維持管理するため、柵又は塀の設置…その他の必要な体制を整備し、実施するものであること」を求めています。体制の整備と実施が基準になっているという点は確かです。一方で同条に点検の方法・頻度・実施者の資格を定めた規定はありません。頻度は電気事業法側(保安規程、届出で申告した頻度、外部委託の告示)で決まります。
飛行のたびに発生する義務は何ですか。
特定飛行を行う以上、①飛行計画の通報(法第132条の88第1項。あらかじめ、電磁的方法により。通報はいつ必要か)②飛行日誌の備付けと記載(法第132条の89。飛行記録・日常点検記録・点検整備記録の3つ。書き方、複数機・複数操縦者の回し方はこちら)③緊急用務空域の確認(施行規則第236条の71第4項)が発生します。事故や重大インシデントが起きた場合の報告義務と、落として損害を与えたときの責任はドローンを落として人にけがをさせたときの責任で整理しています。
この記事の一次ソース
  1. e-Gov法令検索|航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)
  2. e-Gov法令検索|航空法施行規則(昭和二十七年運輸省令第五十六号)
  3. 国土交通省|無人航空機に係る規制の運用における解釈について(解釈通達。令和8年4月1日最終改正・PDF)
  4. 国土交通省|無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)令和8年9月29日最終改正(PDF)
  5. 国土交通省|無人航空機の飛行許可・承認手続
  6. 国土交通省|無人航空機の飛行ルール(飛行禁止空域・飛行の方法)
  7. 国土交通省|無人航空機の飛行の安全に関する教則 第5版(令和8年7月7日公布・7月14日適用・PDF)
  8. 国土交通省告示第435号(DIDから工業専用地域を除外。令和8年7月1日適用・PDF)
  9. 国土交通省|人又は家屋の密集している地域の一部除外に関する解説資料(PDF)
  10. e-Gov法令検索|電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)
  11. e-Gov法令検索|電気事業法施行規則(平成七年通商産業省令第七十七号)
  12. e-Gov法令検索|発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(令和三年経済産業省令第二十九号)
  13. e-Gov法令検索|再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則(平成二十四年経済産業省令第四十六号)
  14. 経済産業省|主任技術者制度の解釈及び運用(内規)(PDF)
  15. 経済産業省|主任技術者制度に関するQ&A(令和8年10月・PDF)
  16. 経済産業省|電気事業法 告示・内規等
  17. 国土交通省|定期報告制度について(平成20年国土交通省告示第282号)
  18. e-Gov法令検索|建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)
  19. 国土交通省|無人航空機の飛行計画の通報要領(PDF)
  20. 国土交通省|無人航空機の飛行日誌の取扱要領(PDF)
本記事は2026年10月1日時点の情報です。 無人航空機の制度は改正が続いており、解釈通達・審査要領は通達として短い手続で改正され得ます。電気事業法側も、施行規則・告示・内規の改正が繰り返されている領域です。とくに出力区分ごとの義務、点検の頻度、外部委託の要件は、設備の構成(受変電設備の共用の有無、同一構内の他設備との電気的接続、買取制度の別)によって結論が変わる個別判断です。実際の申請・飛行・点検の前に、必ず上記の一次ソースで最新の内容をご確認ください。点検の頻度や方法が絡む論点は、管轄の産業保安監督部への事前確認が確実です。

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